自治体別 / 市
富士宮市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
富士宮市のラスパイレス指数101.2は、同じ類似団体類型区分の101団体のなかで4番目です。
そして、この区分の指数上位10団体のうち、3つが静岡県の市です。
藤枝市(1番目)、富士宮市(4番目)、掛川市(5番目)。
しかも3つとも、地域手当は3%です。
富士宮市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、富士宮市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 富士宮市 | 101団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 101.2 | 4番目 |
| 平均年齢 | 42.3歳 | 46番目 |
| 平均給料月額 | 326,200円 | 14番目 |
| 諸手当月額 | 78,349円 | 17番目 |
| 平均給与月額 | 404,549円 | 11番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 359,126円 | 21番目 |
| 地域手当以外 | 68,563円 | 21番目 |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも3%です。給料月額にかけると、概算で9,786円。諸手当78,349円からこれを引くと、残りは68,563円。総額の16.9%になります。
指数上位に、静岡県の市が並びます
| 順位 | 市・町・村 | 都道府県 | 指数 | 地域手当 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 藤枝市 | 静岡県 | 101.5 | 3% |
| 2 | 一宮町 | 千葉県 | 101.3 | 0% |
| 3 | 朝日町 | 三重県 | 101.3 | 3% |
| 4 | 富士宮市 | 静岡県 | 101.2 | 3% |
| 5 | 掛川市 | 静岡県 | 101.2 | 3% |
| 6 | 長生村 | 千葉県 | 101.2 | 0% |
| 7 | 周南市 | 山口県 | 101.0 | 3% |
上位7つのうち、静岡県の市が3つ。そして3つとも3%です。
この連載では、基準より高く支給する団体が千葉・茨城に集まり、基準より低く支給する団体が愛知に集まることを見てきました。
今回は、給料表そのものの水準が、県内で揃っています。
地域手当は条例で決めるものですが、給料表もまた条例で決めます。
近くの団体を見て決めている、と考えるのが自然です。
指数4番目でも、国ベースは21番目です
指数4番目、給料月額14番目、総額11番目、国ベース21番目。
少しずつ落ちていきます。
落ち幅45,423円は101団体で9番目に大きい数字です。
地域手当は3%しかないので、落ちているのは地域手当以外の部分です。
給料表の水準が高くても、国の制度に合わせ直すと、その差は小さくなります。
県内の数字は静岡県職員の転職に、同じ県の市は藤枝市職員の転職と焼津市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
富士宮市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 外部法人の設立・運営の監理 | 事業企画、経営管理、内部統制 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 酪農・農産物の振興 | 生産管理、商品企画、事業支援 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「必要だが、自分でやらなくていい。ただし市場には任せられない」実務
富士宮市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
地方独立行政法人法第1条は、この法律が、地方独立行政法人制度の確立並びに地方独立行政法人が公共上の見地から行う事務及び事業の確実な実施を図り、もって住民の生活の安定並びに地域社会及び地域経済の健全な発展に資することを目的とすると定めています。
そして第2条第1項が、この制度のいちばん大事なところです。
地方独立行政法人とは、
「住民の生活、地域社会及び地域経済の安定等の公共上の見地からその地域において確実に実施されることが必要な事務及び事業」であって、
「地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要のないもの」のうち、
「民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの」
この3つが同時に当てはまるものだけが対象です。
必要である。ただし、自分でやる必要はない。ただし、市場に任せると消える。
この3つを順に確かめる構造になっています。
実務は、次のような形になります。
- まず、本当に必要かを問う
- 必要なら、自分でやる必要があるかを問う
- なければ、外に出して続くかを問う
- 続かないなら、続く形を別に作る
- そして、作った先が本当に続いているかを見続ける
企業でも、まったく同じ判断があります。
子会社化、分社、外部への委託、共同出資。どれも「必要だが、本体でやる必要はない」ものを切り出す話です。
そして多くの企業で、こうなります。切り出すところまでは進みます。
ところが、3つめの問いが飛ばされます。
「外に出せば誰かがやってくれる」と考えます。
出した先で採算が合わないと、縮小されます。
そして、必要なはずのものが、静かになくなります。
気づくのは、必要になったときです。
求人票では、経営企画、事業企画、内部統制、購買、経営管理といった名前で書かれています。
書くときのこつは、切り出したと書かないことです。本当に必要かをどう確かめたか、自分でやる必要がないと判断した根拠は何か、外に出しても続く形をどう作ったか、そして出したあと続いているかをどう見続けたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
富士宮で、どの経験が値になるか
1. 3つめの問いを立てた経験
外に出して続くか、を確かめる。ここを飛ばさなかった経験は、企業にほとんどありません。
2. 続く形を設計した経験
採算が合わないものを、どう続く形にしたか。この話は強く読まれます。
3. 出したあとを見続けた経験
切り出して終わりにしなかった経験は、そのまま経営管理で効きます。
4. 必要でないと判断した経験
1つめの問いで止めた経験も、同じ重さで読まれます。
県内・県外の求人を見るときに
富士宮市は静岡県の東部にあり、富士市や沼津方面にも出やすい位置です。県東部全域を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「外郭団体を担当」では読み手に何も残りません。自分でやる必要がないと判断した根拠は何か、続く形をどう作ったか。
続かなかった話を書く
出した先で縮小されることがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象の事業規模、職員数、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
高低差の大きい市域を見てきた技術者は、扱える人が限られる
高原と平地をつなぐ道路、湧水、積雪、点在する集落。標高差のある区域を維持してきた経験は、建設コンサルタントや設備関連の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。外部法人や事業に関わったなら、対象の事業規模、職員数、収支、関わった年数で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 富士宮市の一般行政職はラスパイレス指数101.2、平均給与月額404,549円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数101.2は101団体で4番目。そして指数上位7つのうち、静岡県の市が3つ(藤枝・富士宮・掛川)
- 3つとも地域手当3%です。給料表の水準が県内で揃っています
- この連載では、基準より高い団体が千葉・茨城に、低い団体が愛知に集まることも見てきました
- 県内で揃うということは、県内で転職しても給与水準は大きく変わらないということでもあります
- 地域手当3%の概算9,786円を引くと、残る68,563円(総額の16.9%)が人ごとに違う部分
よくある質問
指数上位に静岡県の市が並ぶのは、偶然ですか
調査の表からは、そこまでは言えません。読めるのは、指数上位7団体のうち静岡県の市が3つで、3つとも地域手当3%という事実だけです。給料表も地域手当も条例で決めるので、近くの団体を見て決めていると考えるのが自然です。
指数4番目なのに国ベース21番目なのはなぜですか
国の制度に合わせ直したときの落ち幅が45,423円と大きく、101団体で9番目だからです。地域手当は3%しかないので、落ちているのは地域手当以外の部分です。
諸手当78,349円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当3%の概算9,786円を除いた、68,563円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は16.9%です。