自治体別 / 中核市
東大阪市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
東大阪市のラスパイレス指数100.3は、国を上回る水準です。同じ大阪府内の豊中市99.7、高槻市96.4より高い数字です。
それでも平均給与月額417,479円は、3市のなかで最も低い。高槻市とは12,621円の差があります。
指数で一番高く、総額で一番低い。この順序がなぜ生まれるのかを、先に確認してください。
東大阪市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、東大阪市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 東大阪市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.3 |
| 平均年齢 | 41.8歳 |
| 平均給料月額 | 314,400円 |
| 諸手当月額 | 103,079円(中核市62市で13番目) |
| 平均給与月額 | 417,479円(中核市62市で17番目) |
| 平均給与月額(国ベース) | 379,918円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 10% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 10% |
大阪府内の3市を並べる
| 項目 | 東大阪市 | 豊中市 | 高槻市 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.3 | 99.7 | 96.4 |
| 平均年齢 | 41.8歳 | 43.2歳 | 42.3歳 |
| 平均給料月額 | 314,400円 | 325,500円 | 312,500円 |
| 諸手当月額 | 103,079円 | 102,734円 | 117,600円 |
| 平均給与月額 | 417,479円 | 428,234円 | 430,100円 |
| 地域手当 | 10% | 12% | 15% |
3つの順序を並べると、こうなります。
- 指数:東大阪100.3 > 豊中99.7 > 高槻96.4
- 総額:高槻430,100 > 豊中428,234 > 東大阪417,479
- 地域手当:高槻15% > 豊中12% > 東大阪10%
指数の順序と総額の順序が、完全に逆です。そして総額の順序は、地域手当の順序と一致しています。
高槻市との差を分解する
| 項目 | 東大阪市 | 高槻市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.3 | 96.4 | 3.9ポイント |
| 平均給料月額 | 314,400円 | 312,500円 | 1,900円 |
| 諸手当月額 | 103,079円 | 117,600円 | 14,521円 |
| 平均給与月額 | 417,479円 | 430,100円 | 12,621円 |
指数で3.9ポイント、給料月額でも1,900円、東大阪市が上回ります。
それでも総額では12,621円下回ります。諸手当14,521円の差が、2つの差をひっくり返す形です。
そして給料月額312,500円に対する地域手当5ポイントの差は、およそ15,625円。諸手当の差14,521円とほぼ同じ大きさです。つまり差のほとんどが、地域手当で説明できます。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、府内の数字は大阪府職員の転職に、同じ府内の中核市は高槻市職員の転職と豊中市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 中小製造業の技術・販路の支援 | 技術営業、事業開発、調達 |
| 特許・意匠・商標の相談対応 | 知財、法務、ブランド管理 |
| 試作・共同開発の橋渡し | オープンイノベーション、事業開発 |
| 工場の立地・操業に関する調整 | 用地開発、生産企画、渉外 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 企業誘致・産業用地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「作ったものを、自分のものだと示せるか」の実務
東大阪市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
知的財産基本法第1条は、この法律が、新たな知的財産の創造及びその効果的な活用による付加価値の創出を基軸とする活力ある経済社会を実現するため、知的財産の創造、保護及び活用に関し基本理念を定め、国、地方公共団体、大学等及び事業者の責務を明らかにするものだとしています。
注目してほしいのは、創造・保護・活用の3つが並んでいることです。
作るだけでは足りません。守る手続きをして、使える形にして、初めて価値になります。
そして現場では、ここがいちばん抜けます。
- 図面も治具も社内にあるが、権利として押さえていない
- 発注元と共同で開発したのに、成果の帰属を決めていない
- 同じものを他社が作り始めても、止める根拠がない
- 特許を取ったが、維持の費用に見合う使い方をしていない
- そして守っていなかったことに気付くのは、模倣が出てからです
「作れること」と「自分のものだと示せること」は、別だという前提の仕事です。
企業でも、これがそのまま課題になっています。
共同開発、外部への委託、業務提携。成果の帰属を先に決めていないと、あとで必ず揉めます。そして揉めたときには、もう決められません。
そして多くの企業で、ここを見ている人がいません。技術部門は作ることを見ます。法務は契約書の形を整えます。ところが「この開発で生まれるものは誰のものになるか」を、始まる前に決めて関係者に伝える役割が、誰にも割り当てられていません。契約書は揉めたあとに読むものであって、揉める前に設計するものになっていないからです。
求人票では、知財、法務、事業開発、オープンイノベーション、技術営業といった名前で書かれています。
書くときのこつは、支援制度の名前を出さないことです。何社を見て、どこに押さえ漏れがあると判断したか、押さえ方をどう変えさせたか、間に合わなかった事例では何が足りなかったか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
東大阪で、どの経験が値になるか
1. 権利の押さえ漏れを見つけた経験
図面、治具、製法、名前。「作れているのに、自分のものだと示せていない」状態を見抜いた経験は、企業の知財部門でそのまま必要とされます。
2. 成果の帰属を先に決めさせた経験
共同開発や委託で、始まる前に決める。この順序を設計した経験は、事業開発と法務の両方で効きます。
3. 中小製造業の実力を外から判断した経験
決算書だけではわかりません。設備、人、取引先の構成から判断した経験は、調達やファイナンスで直接必要とされます。
4. 試作と量産の間を扱った経験
作れる、と、数を作れるは別です。この違いを知っていることは、調達と生産企画で効きます。
5. 医療・保健の許認可と監視
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
府内・府外の求人を見るときに
東大阪市は大阪市に隣接し、大阪市内の求人が日常的な選択肢に入ります。製造業の集積地として、担当エリア型の求人も多くあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○支援事業を担当」では読み手に何も残りません。何社を見て、どこに押さえ漏れがあると判断し、何を変えさせたか。
間に合わなかった事例を書く
模倣が出てから気付いた案件が、必ずあります。そこで何が足りなかったかを書けると、見る目があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、事業所の数、扱った件数、相談の件数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
住宅と工場が混在する区域の環境対策は、扱える人が限られる
騒音、振動、臭気、搬出入の時間。止められない操業のなかで測り、原因を切り分け、対策を入れる。この条件での実務は、環境コンサルティングと製造業の環境管理部門の両方から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。事業所の支援に関わったなら、扱った件数、金額、成立した割合、成立しなかった理由で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 東大阪市の一般行政職はラスパイレス指数100.3、平均給与月額417,479円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数は同じ府内の豊中市・高槻市より高く、総額は3市で最も低い
- 大阪府内3市では、指数の順序と総額の順序が完全に逆になります
- 高槻市との差12,621円は、そのほとんどが地域手当5ポイント(およそ15,625円)で説明できます
- 諸手当は総額の24.7%。3年ぶん並べてぶれ幅を確認してください
- 「作れること」と「自分のものだと示せること」を分けて見る目は、企業の知財で足りていません(知的財産基本法1条)
よくある質問
指数が府内3市で最も高いのに、総額が最も低いのはなぜですか
指数に地域手当と諸手当が入っていないからです。ラスパイレス指数は、年齢と学歴の構成を国に合わせて補正したうえで給料表の水準だけを比べた数字です。地域手当は東大阪市10%、豊中市12%、高槻市15%。総額の順序は、この地域手当の順序と一致します。高槻市との差12,621円も、地域手当5ポイント(およそ15,625円)でほぼ説明できます。
指数が国を上回っていることは、転職で意味を持ちますか
団体の指数は、求人票の想定年収とは関係しません。見られるのは自分の実額です。東大阪市の場合、指数100.3で国を上回りながら、総額は府内3市で最も低い位置にあります。団体の平均ではなく、複数年ぶんの源泉徴収票の支払金額を並べて、自分の数字で比べてください。
事業所の相談に乗っていただけで、実績として書けるものがありません
相談のなかでやっていたのは、押さえ漏れを見つける仕事です。図面も治具も製法も社内にあるのに権利として押さえていない、共同開発なのに成果の帰属を決めていない。企業でも「この開発で生まれるものは誰のものになるか」を始まる前に決める役割が空いています。何社を見て、どこに押さえ漏れがあると判断し、何を変えさせ、間に合わなかった事例で何が足りなかったかを書いてください。