自治体別 / 中核市
高槻市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
高槻市のラスパイレス指数96.4は、中核市62市のなかで下から4番目です。
それでも平均給与月額430,100円は、62市のうち6番目に高い数字です。
そして同じ大阪府内の3市を並べると、指数の順序と総額の順序が、完全に逆になります。
高槻市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、高槻市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 高槻市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 96.4(中核市62市で下から4番目) |
| 平均年齢 | 42.3歳 |
| 平均給料月額 | 312,500円 |
| 諸手当月額 | 117,600円(中核市62市で4番目) |
| 平均給与月額 | 430,100円(中核市62市で6番目) |
| 平均給与月額(国ベース) | 387,124円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 15% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 15% |
大阪府内の3市を並べる
| 項目 | 高槻市 | 豊中市 | 東大阪市 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 96.4 | 99.7 | 100.3 |
| 平均年齢 | 42.3歳 | 43.2歳 | 41.8歳 |
| 平均給料月額 | 312,500円 | 325,500円 | 314,400円 |
| 諸手当月額 | 117,600円 | 102,734円 | 103,079円 |
| 平均給与月額 | 430,100円 | 428,234円 | 417,479円 |
| 地域手当 | 15% | 12% | 10% |
3つの順序を並べてみてください。
- 指数の順序:東大阪100.3 > 豊中99.7 > 高槻96.4
- 総額の順序:高槻430,100 > 豊中428,234 > 東大阪417,479
- 地域手当の順序:高槻15% > 豊中12% > 東大阪10%
指数の順序と総額の順序が、完全に逆です。そして総額の順序は、地域手当の順序と一致しています。
豊中市との差は1,866円
高槻市と豊中市の総額は、430,100円と428,234円。1,866円差です。
ところが給料月額では豊中市が13,000円上回り、諸手当では高槻市が14,866円上回ります。この2つがほぼ相殺して、1,866円だけが残る。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、府内の数字は大阪府職員の転職に、同じ府内の中核市は豊中市職員の転職と東大阪市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| バス路線の運行計画と収支管理 | 事業運営、路線企画、予実管理 |
| 運賃・ダイヤの設計 | 料金企画、オペレーション企画 |
| 交通事業者との調整 | 渉外、アライアンス |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 企業誘致・産業用地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「乗らない路線を、それでも走らせるか」を決める実務
高槻市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
道路運送法第1条は、この法律が、道路運送事業の運営を適正かつ合理的なものとし、並びに道路運送の分野における利用者の需要の多様化及び高度化に的確に対応したサービスの円滑かつ確実な提供を促進することにより、輸送の安全を確保し、道路運送の利用者の利益の保護及びその利便の増進を図るものだとしています。
注目してほしいのは「適正かつ合理的」と「利用者の利益の保護」が並んでいることです。
合理的に運営せよ、と同時に、利用者を守れと書いてあります。
そして実務では、この2つが毎日ぶつかります。
- 乗る人が少ない路線は、赤字になる
- 赤字を放置すれば、事業全体が持たない
- 減便すれば、その路線に頼っている人が困る
- 困る人の多くは、他の手段を持っていない
- そして廃止した路線は、二度と戻せません
「合理的に判断すれば切るべきものを、それでも残すかどうか」を決める仕事です。
しかも残すなら、その費用をどこから出すのかを説明しなければなりません。
企業でも、まったく同じ判断が毎年あります。
採算の合わない店舗、少数の顧客しか使わない機能、赤字の小口取引。数字だけを見れば切るべきものが、必ずあります。
そして多くの企業で、この判断が先送りされます。営業は取引先の顔を思い浮かべ、財務は数字だけを見る。ところが「切る/残す」の基準を先に決めて、残すなら費用をどう配分するかまで設計した人がいません。だから毎年、同じ議論が繰り返されます。
求人票では、事業企画、経営企画、事業再編、料金企画、オペレーション企画といった名前で書かれています。
書くときのこつは、路線や事業の名前を出さないことです。切る/残すの基準を何に置いたか、残したものの費用をどう手当てしたか、切った場合に代わりに何を用意したか、そして切った判断のあと実際どうなったか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
高槻で、どの経験が値になるか
1. 採算の合わないものを残す判断をした経験
数字だけを見れば切るべきものを、基準を作って残す。この設計は、企業の事業ポートフォリオの判断そのものです。
2. 切った経験と、その後を見た経験
切った判断のほうが、書ける材料としては強くなります。そのあと何が起きたかまで書ければ、なお強い。
3. 運賃と収支を設計した経験
公営企業は独立採算が原則です。収入、費用、収支で語れることは、面接でそのまま効きます。
4. 事業者との調整
民間の事業者と、路線や運行で折り合いを付ける。利害の異なる相手を扱った経験は、アライアンスに直結します。
5. 医療・保健の許認可と監視
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
府内・府外の求人を見るときに
高槻市は大阪と京都の中間にあり、どちらの求人も現実的な通勤圏に入ります。関西圏全体を担当エリアとする求人も多くあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○路線の運行管理を担当」では読み手に何も残りません。切る/残すの基準を何に置き、残したものの費用をどう手当てしたか。
切った話を書く
残した話だけを並べると、判断していないように読めます。切った判断とその後のほうが、基準を持っていた証明になります。
規模を必ず書く
市の人口、路線数、輸送人員、収支の規模。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、運行管理者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
車両と運行の安全管理は、そのまま職種になる
点検の周期、整備の記録、乗務員の健康管理、事故時の対応。安全を記録で示す仕組みを回した経験は、運送業と物流企業の両方から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。交通事業などの公営企業に関わったなら、そのまま収支で答えられます。独立採算が原則なので、収入、費用、収支、路線ごとの採算を数字で語れる公務員は多くありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 高槻市の一般行政職はラスパイレス指数96.4、平均給与月額430,100円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数は中核市62市で下から4番目、総額は6番目です
- 大阪府内3市では、指数の順序と総額の順序が完全に逆になります
- 総額の順序は、地域手当の順序(高槻15%>豊中12%>東大阪10%)と一致します
- 諸手当117,600円は62市で4番目、総額の27.3%。3年ぶん並べないとぶれ幅が読めません
- 採算の合わないものを「それでも残す」と決めた経験は、企業で最も先送りされている判断です(道路運送法1条)
よくある質問
指数が中核市で下から4番目なのに、総額が6番目なのはなぜですか
指数に地域手当と諸手当が入っていないからです。ラスパイレス指数は、年齢と学歴の構成を国に合わせて補正したうえで給料表の水準だけを比べた数字です。高槻市は地域手当15%と諸手当117,600円(62市4位)が乗るため、総額では6位になります。大阪府内3市では、指数の順序と総額の順序が完全に逆です。
諸手当が総額の4分の1を超えていると、どう考えればいいですか
年による振れ幅が大きい、ということです。地域手当は割合が決まっていますが、時間外、住居、扶養、管理職手当は担当業務と家族構成と役職で変わります。1年ぶんだけを見ると、高い年を基準にして「下がる」と判断してしまうことがあります。複数年ぶんの源泉徴収票の支払金額を並べて、自分の実額の幅を確かめてください。
赤字路線を残す判断ばかりで、経営感覚がないと見られませんか
逆です。数字だけを見れば切るべきものを、基準を作って残す。この設計こそ、企業でいちばん先送りされている判断です。採算の合わない店舗も、少数しか使わない機能も、営業と財務が噛み合わないまま毎年議論だけが繰り返されます。切る/残すの基準、残したものの費用の手当て、切った場合の代わり、切ったあとの結果を書いてください。