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一関市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
一関市のラスパイレス指数97.4は、同じ類似団体類型区分の67団体のなかで34番目です。
ちょうど真ん中です。
ところが平均給料月額330,500円は6番目。
28ランク上がります。
一関市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、一関市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 一関市 | 67団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 97.4 | 34番目 |
| 平均年齢 | 44.0歳 | 7番目(高い側) |
| 平均給料月額 | 330,500円 | 6番目 |
| 諸手当月額 | 69,078円 | 8番目 |
| 平均給与月額 | 399,578円 | 5番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 359,278円 | 5番目 |
| 地域手当以外 | 69,078円 | 7番目 |
| 落ち幅 | 40,300円 | 11番目 |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも0%です。したがって諸手当69,078円は全額が地域手当以外で、これは総額の17.3%にあたります。
一度も下がりません
1段目。指数34番目から、給料月額6番目へ。28ランク上がります。
押し上げているのは平均年齢44.0歳(67団体で7番目に高い)です。
2段目。給料月額6番目から、総額5番目へ。1ランク上がります。
3段目。総額5番目から、国ベース5番目へ。変わりません。
大きく動くのは1段目だけで、あとは動きません。
指数の差は、金額の差に比例しません
67団体のうち、平均年齢が43.9歳から44.3歳のあいだにある団体は5つです。一関市はそのなかにあります。
| 団体 | ラスパイレス指数 | 平均年齢 | 平均給料月額 | 一関市との差 |
|---|---|---|---|---|
| 鶴岡市 | 100.3 | 43.9歳 | 336,900円 | +6,400円 |
| 奥州市 | 98.3 | 44.3歳 | 336,400円 | +5,900円 |
| 一関市 | 97.4 | 44.0歳 | 330,500円 | — |
| 佐久穂町 | 96.2 | 44.3歳 | 324,100円 | −6,400円 |
| 宝達志水町 | 92.6 | 44.2歳 | 313,500円 | −17,000円 |
奥州市は、一関市より指数が0.9ポイント高い。
給料月額の差は5,900円です。
鶴岡市は、一関市より指数が2.9ポイント高い。
給料月額の差は6,400円です。
指数の差は3倍以上ありますが、金額の差は500円しか増えません。
順番は一致しても、間隔は一致しません
この5団体は、指数の順と給料月額の順が完全に一致します。
年齢をそろえると、順番はそろう。
ところが、1ポイントあたりの金額はまったく一定ではありません。
| 組 | 指数の差 | 給料月額の差 | 1ポイントあたり |
|---|---|---|---|
| 鶴岡市と奥州市 | 2.0 | 500円 | 約250円 |
| 奥州市と一関市 | 0.9 | 5,900円 | 約6,556円 |
| 一関市と佐久穂町 | 1.2 | 6,400円 | 約5,333円 |
| 佐久穂町と宝達志水町 | 3.6 | 10,600円 | 約2,944円 |
いちばん狭い組と広い組で、26倍の開きがあります。
指数から金額を読むことは、できません。
分かるのは、順位の大小だけです。
県内の数字は岩手県職員の転職に、県庁所在市は盛岡市職員の転職に、隣接する市は奥州市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
一関市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 人事、給与制度の設計と運用 | 人事企画、労務、報酬設計 |
| 農業の振興、産地の支援 | 事業開発、調達、ブランド企画 |
| 広い市域の支所・拠点の運営 | 多拠点管理、エリアマネジメント |
| 河川・排水の管理、災害への備え | インフラ運営、事業継続、危機管理 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「対等ではない、という前提から始める」実務
一関市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
労働組合法第1条は、この法律が、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とすると定めています。
「対等の立場に立つことを促進する」と書いてあります。
対等である、とは書いていません。
対等ではないところから始まっています。
そして、対等にするための方法として、集まることが挙げられています。
1人では対等になれないからです。
さらに「自ら代表者を選出する」。
誰が話すかを、自分たちで決める。
実務は、次のような形になります。
- 1人で交渉すると、条件は相手の基準で決まる
- 集まると、交渉の相手として扱われる
- ところが、集まるには全員の意見をそろえる必要がある
- そろえる作業は、相手との交渉より難しいことが多い
- そして、そろっていない状態で出ていくと、内部から崩れます
企業でも、まったく同じ構造があります。
取引先との条件交渉、下請けの立場、業界としての要望、社内の他部署との調整。どれも「1人で行くか、まとまって行くか」という形で起きます。
そして、多くの場合こうなります。
まとまったほうが有利だと、全員が分かっています。
ところが、まとめる役を誰もやりたがりません。
手間がかかるうえに、まとまらなかったときに責められるからです。
だから、それぞれが個別に動きます。
個別に動くと、相手はいちばん条件を飲む相手に合わせます。
結果として、全員の条件が下がります。
まとめる仕事は、交渉の前にあります。
そして、いちばん時間がかかるのはそこです。
求人票では、渉外、調達、アライアンス、労務、業界団体対応といった名前で書かれています。
書くときのこつは、交渉したと書かないことです。まとめる役を誰が持ったか、意見が割れたときにどうそろえたか、そろわなかった部分をどう扱ったか、そして交渉の場に出る前に何を決めておいたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
一関で、どの経験が値になるか
1. まとめる役を引き受けた経験
手間がかかり、失敗すれば責められる役を持った経験は、企業にほとんどありません。
2. 意見が割れたときにそろえた経験
全員の言い分が違う状態から、1つの案を作った経験は、そのまま渉外の実務です。
3. 交渉の前に決めておいた経験
どこまで譲るかを先に決めてから出ていった経験は、めったに書かれません。
4. 合併でひとつになった組織を回してきた経験
元は別々だった仕組みや慣行を、ひとつにそろえてきた経験は、統合を経験した会社で直接使えます。
県内・県外の求人を見るときに
一関市は岩手県の南端にあり、東北新幹線と東北自動車道が通ります。仙台方面も盛岡方面も通勤の選択肢に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「調整を担当」では読み手に何も残りません。誰をまとめ、意見が割れたときにどうそろえたか。
そろわなかった話を書く
最後までまとまらなかった部分。そこをどう扱ったかまで書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、関わった団体数、扱った件数、続いた年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
水をためる土地を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
あふれさせる場所の決め方、ためている間の農地、堤防の高さの配分、上流と下流の合意。わざと水を入れる土地を前提に、施設を設計し運用してきた経験は、建設コンサルタントや防災の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。調整や施設に関わったなら、関わった団体数、扱った件数、施設数、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 一関市の一般行政職はラスパイレス指数97.4、平均給与月額399,578円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数34番目=真ん中から、給料月額6番目へ28ランク上がります。押し上げているのは平均年齢44.0歳(7番目)
- 総額5番目、国ベース5番目。一度も下がりません
- 指数が0.9ポイント高い奥州市とは5,900円差、2.9ポイント高い鶴岡市とは6,400円差
- 指数の差は3倍以上でも、金額の差は500円しか増えません。順番は一致しても、間隔は一致しません
- 諸手当69,078円は全額が地域手当以外。総額の17.3%が、人ごとに違う部分です
よくある質問
指数から給与額は読めますか
読めません。同じ区分で年齢をそろえた5団体でも、1ポイントあたりの金額は約250円から約6,556円まで26倍の開きがあります。分かるのは順位の大小だけです。
指数34番目なのに給料月額6番目なのはなぜですか
平均年齢44.0歳が67団体で7番目に高いからです。指数は国と同じ年齢構成にそろえて計算するので年齢の違いが消えますが、平均給料月額は実際の在職者で計算するので残ります。
諸手当69,078円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当が0%なので、69,078円が全部です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は17.3%です。