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磐田市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
磐田市の平均給料月額327,900円は、同じ類似団体類型区分の西尾市より800円低いだけです。
平均年齢も44.8歳と44.3歳で、0.5歳しか違いません。
ところが平均給与月額は404,562円と425,347円で、20,785円開きます。この回で、その中身を分解します。
磐田市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、磐田市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 磐田市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.4 |
| 平均年齢 | 44.8歳 |
| 平均給料月額 | 327,900円 |
| 諸手当月額 | 76,662円 |
| 平均給与月額 | 404,562円(同じ類型の72団体で14番目) |
| 平均給与月額(国ベース) | 370,441円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 6% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
諸手当は総額の18.9%を占めます。
西尾市と並べる
類似団体類型区分(人口と産業構造による区分)は、どちらもⅣ-2です。
| 項目 | 磐田市 | 西尾市 |
|---|---|---|
| 平均年齢 | 44.8歳 | 44.3歳 |
| ラスパイレス指数 | 98.4 | 99.2 |
| 平均給料月額 | 327,900円 | 328,700円 |
| 地域手当(実支給) | 6% | 10% |
| 諸手当月額 | 76,662円 | 96,647円 |
| 地域手当以外(概算) | 56,988円 | 63,777円 |
| 平均給与月額 | 404,562円 | 425,347円 |
給料月額の差は800円。年齢の差は0.5歳。
それでも総額は20,785円開きます。
20,785円の中身を分解する
| 内訳 | 金額 | 総額差に占める割合 |
|---|---|---|
| 給料月額の差 | 800円 | 3.8% |
| 地域手当の差(概算) | 13,196円 | 63.5% |
| 地域手当以外の手当の差(概算) | 6,789円 | 32.7% |
| 差し引き | 20,785円 | 100% |
総額の差の63.5%が、地域手当の4ポイント差(6%と10%)から来ています。
そして地域手当は、国が地域ごとに示した基準をもとに、団体が条例で決める手当です。給料月額に割合を掛けるだけなので、役職にも時間外の量にもよりません。
県内の数字は静岡県職員の転職に、同じ類型の市は西尾市職員の転職と豊川市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
磐田市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 農地の貸借の調整、担い手への集積 | 用地開発、権利調整、マッチング |
| 農業の生産・出荷・担い手の支援 | 調達、産地開発、商品企画 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 企業の誘致、立地の調整 | 事業開発、法人営業、拠点開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「当事者の間に、第三者を挟む」実務
磐田市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
農地中間管理事業の推進に関する法律第1条は、この法律が、農地中間管理事業について、農地中間管理機構の指定その他これを推進するための措置等を定めることにより、農業経営の規模の拡大、耕作の事業に供される農用地の集団化、農業への新たに農業経営を営もうとする者の参入の促進等による農用地の利用の効率化及び高度化の促進を図り、農業の生産性の向上に資することを目的とすると定めています。
注目してほしいのは「農地中間管理機構」という言葉です。
土地を貸したい人と、借りたい人がいます。
直接貸せばいいように見えます。ところが、それだと成り立たないことがあります。
貸した相手が近所の人だと、途中でやめたいと言い出しにくい。返してほしいときにも、言いにくい。そして一度貸すと、戻ってこないのではないかという不安が残ります。
だから、間に機関を入れます。
貸す人は機関に貸し、機関が借り手に貸す。当事者どうしの関係を、直接にしないことで動かせるようにしてあります。
実務は、次のような形になります。
- 貸したい人と借りたい人を、それぞれ把握する
- 直接つなぐのではなく、機関を経由させる
- 借り手が使いやすいように、まとまった形にする
- 条件と期間を整理して、両方に説明する
- そして、どちらかが抜けたときの手当てを用意しておく
「当事者どうしでは言い出しにくいことを、間に入ることで動かす」仕事です。
企業でも、同じ構造の場面が増えています。
部門間の人員の貸し借り、設備やラインの融通、社内の余剰在庫の移動、グループ会社間の取引。どれも、直接やりとりすると角が立ちます。
そして多くの企業で、こうなります。「余っているところから、足りないところへ回せばいい」と誰もが言います。ところが、出す側は「うちの取り分が減る」と感じ、受ける側は「借りたら返せと言われる」と身構えます。だから、余っているものは余ったまま、足りないところは足りないままです。
間に入って引き受ける機能を置くだけで、動くことがあります。それを作った人は、多くありません。
求人票では、マッチング、アライアンス、需給計画、業務設計、権利調整といった名前で書かれています。
書くときのこつは、地番や個人を特定できる形で書かないことです。直接では動かない理由をどう見極めたか、間に入る仕組みをどう設計したか、両方にどう説明したか、そして抜けたときの手当てをどう用意したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
磐田で、どの経験が値になるか
1. 直接では動かない理由を見極めた経験
「つなげばいい」で済まない場面がある。ここに気づける人は多くありません。
2. 間に入る仕組みを設計した経験
引き受ける機能を置くだけで動くことがあります。これを作った経験が値になります。
3. 抜けたときの手当てを用意した経験
途中で抜ける人は必ず出ます。備えた経験が強く読まれます。
4. まとまった形に整えた経験
ばらばらのままでは、借り手が使えません。需給の設計と同じ構造です。
県内・県外の求人を見るときに
磐田市は静岡県の西部にあり、浜松市や名古屋圏を担当エリアとする求人が、通勤の範囲に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「農地の集積を担当」では読み手に何も残りません。直接では動かない理由をどう見極め、間に入る仕組みをどう設計したか。
抜けた場面を書く
途中でやめる人は出ます。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、扱った面積、件数、関係した農業者の数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者、補償業務管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
低平地の排水を扱える技術者は、限られる
出水、内水、用排水路、地盤。水を前提に設計と点検を組んだ経験は、同じ条件の地域を持つ企業から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。調整や許認可に関わったなら、扱った面積、件数、関係した農業者の数、予算の執行率で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 磐田市の一般行政職はラスパイレス指数98.4、平均給与月額404,562円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 同じ類型の西尾市とは、給料月額の差800円、年齢の差0.5歳。それでも総額は20,785円開きます
- 差の63.5%は地域手当の4ポイント差(6%と10%)から来ています
- 前回、西尾市と日立市の総額差はほぼ全部が給料月額の差でした。比べる相手を変えただけで、差の中身が変わります
- 人によって違う部分は56,988円(総額の14.1%)。割合が小さいので、団体の平均と自分の額は近くなりやすい側です
- 「当事者どうしでは言い出しにくいことを、間に入ることで動かす」経験は、企業でほとんど誰も設計していません(農地中間管理事業推進法1条)
よくある質問
給料月額が800円差なのに、総額が20,785円違うのはなぜですか
地域手当です。磐田市6%、西尾市10%の4ポイント差が、金額にしておよそ13,196円。総額の差の63.5%を占めます。残りは地域手当以外の手当の差6,789円(32.7%)と、給料月額の差800円(3.8%)です。
同じ西尾市と比べているのに、前回と結論が違うのはなぜですか
比べる相手が違うからです。西尾市と日立市は地域手当が同率10%だったので、差はほぼ給料月額でした。西尾市と磐田市は10%と6%で違うので、差の6割以上が地域手当になります。「何が差を作っているか」は、どの2市を並べるかで決まります。
諸手当18.9%のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当6%ぶんのおよそ19,674円を除いた、56,988円の部分です。総額に占める割合でいうと14.1%。割合が小さいので、団体の平均と自分の額は近くなりやすい側です。それでも、まず複数年ぶんの支払金額を並べてください。