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刈谷市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
刈谷市の平均給料月額309,300円は、同じ類似団体類型区分の72団体のなかで42番目です。真ん中より下になります。
ところが平均給与月額439,896円は、72団体で2番目です。
42番目が2番目になる。そして1番目の団体とは、たった1,983円しか違いません。
刈谷市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、刈谷市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 刈谷市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.2(72団体で11番目) |
| 平均年齢 | 39.7歳(72団体で61番目=若い側) |
| 平均給料月額 | 309,300円(72団体で42番目) |
| 諸手当月額 | 130,596円(72団体で1番目) |
| 平均給与月額 | 439,896円(72団体で2番目) |
| 平均給与月額(国ベース) | 390,602円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 16% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 16% |
この72団体のなかで、地域手当16%は刈谷市ただ1つです。
地域手当16%を給料月額にかけると、概算で49,488円。諸手当130,596円からこれを引くと、残りは81,108円。総額の18.4%で、これは72団体で7番目に厚い数字です。
前回の大垣市と、正面から並べる
| 項目 | 大垣市 | 刈谷市 |
|---|---|---|
| 地域手当 | 3% | 16% |
| 平均給料月額 | 335,500円(3番目) | 309,300円(42番目) |
| 地域手当の概算 | 10,065円 | 49,488円 |
| 地域手当以外 | 96,314円(2番目) | 81,108円(7番目) |
| 平均給与月額 | 441,879円(1番目) | 439,896円(2番目) |
総額の差は1,983円しかありません。
そこに至る道すじが、まったく違います。
大垣市は給料表の中(3番目)と、給料表の外側(2番目)の2つで積み上げています。地域手当はほとんど効いていません。
刈谷市は給料月額が42番目です。そこに地域手当49,488円が乗り、地域手当以外も7番目と厚い。
同じ場所に、逆から着いています。
若い団体で、総額が2番目になる
もうひとつ見ておきたいのが年齢です。刈谷市の平均年齢39.7歳は、72団体で61番目。かなり若いほうです。
宇部市職員の転職で出した1歳あたり約5,288円という目安のとおり、平均年齢が若い団体は平均給料月額が低く出ます。刈谷市の給料月額42番目は、これで説明がつきます。
ところが総額は2番目です。
年齢の効果は給料月額に出ますが、地域手当は給料月額の16%として乗るので、給料月額が低ければ地域手当も小さくなるはずです。それでも総額が2番目まで来るのは、16%という率そのものが大きいからです。
309,300円の16%は49,488円。給料月額が低くても、率が大きければ金額は大きくなります。
県内の数字は愛知県職員の転職に、総額1番目の市は大垣市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
刈谷市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 駐車・駐輪、交通安全の対策 | 施設運営、安全管理、業務設計 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 用地の取得・管理 | 用地開発、資産管理 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「持つ前に、置き場所を決めさせる」実務
刈谷市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
自動車の保管場所の確保等に関する法律第1条は、この法律が、自動車の保有者等に自動車の保管場所を確保し、道路を自動車の保管場所として使用しないよう義務づけるとともに、自動車の駐車に関する規制を強化することにより、道路使用の適正化、道路における危険の防止及び道路交通の円滑化を図ることを目的とすると定めています。
「道路を自動車の保管場所として使用しないよう義務づける」。
道路は、通るためのものです。置くためのものではありません。
そして、置き場所は買う前に確保させます。
買ってから探すのでは間に合わないからです。
買った車は、必ずどこかに存在します。置き場所がなくても、消えてはくれません。そのとき、いちばん近くにある空いた場所が道路です。
だから、持つ前に決めさせる。これが、この法律の構造です。
実務は、次のような形になります。
- 増やす判断と、置き場所の判断は別
- 増やす判断は、誰でもしたがる
- 置き場所の判断は、誰もしたがらない
- 置き場所がないと、共有の場所に置かれる
- そして、共有の場所は誰の持ち物でもないので、誰も文句を言いません
企業でも、まったく同じことが起きています。
在庫、設備、データ、書類、そして人。どれも「増やす」ところまでは決裁が通ります。
そして多くの企業で、こうなります。置き場所が決まらないまま、増えます。
在庫は通路に積まれ、データは誰かの手元の端末に残り、書類は倉庫に入りきらず、新しく採った人は席が決まらないまま配属されます。
どれも「一時的に」で始まり、そのまま何年も続きます。
買うときには誰も反対しません。置き場所の話は、買ったあとの誰かの仕事になっているからです。
求人票では、生産管理、在庫管理、施設管理、情報企画、総務といった名前で書かれています。
書くときのこつは、片づけた話を書かないことです。増やす判断のどこに置き場所の確認を組み込んだか、確保できないときにどうしたか、共有の場所に置かれたものをどう戻したか、そして同じことが起きなくなったかをどう確かめたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
刈谷で、どの経験が値になるか
1. 増やす前に置き場所を確認させた経験
買う判断に、置く判断をくっつける。これができる人は、企業にほとんどいません。
2. 共有の場所を守った経験
誰の持ち物でもない場所は、誰も守りません。そこを守った経験は強く読まれます。
3. 「一時的に」を終わらせた経験
何年も続いている一時的な状態を、実際に終わらせた経験は、そのまま実務能力です。
4. 断ったあとに代案を出した経験
置けないから駄目、で終わらせずにどこなら置けるかまで出した経験が値になります。
県内・県外の求人を見るときに
刈谷市は愛知県の中央部にあり、名古屋と三河の両方に出やすい位置です。中京圏全体を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「施設管理を担当」では読み手に何も残りません。増やす判断のどこに、置き場所の確認を組み込んだか。
戻せなかった話を書く
共有の場所に置かれたものが戻せないことがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、管理した施設の数、面積、対応した件数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
道路と交通を見てきた技術者は、扱える人が限られる
交差点の改良、信号、歩道、駐車と荷さばき。人と車が交わるところを設計してきた経験は、建設コンサルタントや物流・小売の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。施設や用地に関わったなら、管理した施設の数、面積、維持にかかる費用、対応の件数で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 刈谷市の一般行政職はラスパイレス指数99.2、平均給与月額439,896円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 給料月額309,300円は72団体で42番目なのに、総額439,896円は2番目です
- 地域手当16%は、この72団体で刈谷市だけ。概算で49,488円になります
- 総額1番目の大垣市とは1,983円差ですが、大垣市は地域手当3%・給料月額3番目。道すじが正反対です
- 地域手当は住んでいる団体で決まり、働き方では1円も変わりません
- 変わるのは残る81,108円(総額の18.4%)だけ。転職先と比べるときに意味があるのもここです
よくある質問
給料月額が42番目なのに総額が2番目なのはなぜですか
地域手当16%が乗るからです。309,300円の16%は49,488円。給料月額が低くても、率が大きければ金額は大きくなります。加えて地域手当以外も72団体で7番目と厚い数字です。
大垣市とは1,983円差だそうですが、中身も似ているのですか
正反対です。大垣市は地域手当3%で、給料月額3番目・地域手当以外2番目という2つの厚さで積み上げています。刈谷市は給料月額42番目で、地域手当が49,488円乗っています。同じ場所に逆から着いています。
諸手当130,596円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当16%の概算49,488円を除いた、81,108円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は18.4%で、72団体で7番目に厚い数字です。