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宇部市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
宇部市の平均年齢45.8歳は、同じ類似団体類型区分の35団体のなかで最も高い数字です。
そして平均給料月額346,400円も、35団体で最も高い。
この2つはセットです。そして、そのことが若い職員にとって団体の平均が当てにならない理由になります。この回で、そこを開きます。
宇部市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、宇部市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 宇部市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.3 |
| 平均年齢 | 45.8歳(35団体で最も高い) |
| 平均給料月額 | 346,400円(35団体で最も高い) |
| 諸手当月額 | 71,143円 |
| 平均給与月額 | 417,543円(35団体で23番目) |
| 平均給与月額(国ベース) | 375,871円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
諸手当は総額の17.0%を占めます。地域手当が0%なので、この71,143円のすべてが人ごとに違う部分です。
年齢と給料月額は、同じ方向に動きます
35団体のなかで、平均年齢が最も高い団体と最も若い団体を並べます。
| 市 | 平均年齢 | 平均給料月額 |
|---|---|---|
| 宇部市 | 45.8歳 | 346,400円 |
| 流山市 | 38.5歳 | 307,800円 |
| 差 | 7.3歳 | 38,600円 |
7.3歳の差が、給料月額38,600円の差になります。1歳あたり、およそ5,288円です。
平均給料月額は、在職している職員の平均です。給料は経験年数とともに上がるので、年齢構成が高い団体ほど高く出ます。
宇部市の346,400円という数字は、45.8歳前後の職員の額に近いということです。
だから、若い職員にとっては遠い数字になります
| もしあなたが | 団体の平均との関係 |
|---|---|
| 45歳前後 | 平均に近い |
| 35歳前後 | 10歳ぶん下にいる。1歳5,288円で計算すれば、5万円以上の開き |
| 55歳前後 | 平均より上にいる |
これは宇部市に限った話ではありませんが、平均年齢が35団体で最も高い団体では、その離れ方がいちばん大きくなります。
団体の平均給料月額が「35団体で最も高い」ことは、あなたの額が高いことを意味しません。
県内の数字は山口県職員の転職に、同じ県の市は山口市職員の転職に、同じ区分の市は釧路市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
宇部市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 就労支援、高年齢者の再就職の支援 | キャリア支援、人材紹介、人事企画 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 大気・水質の監視、排出の規制 | 環境管理、品質保証、規制対応 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「同じ人を、違う形で働き続けてもらう」実務
宇部市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第1条は、この法律が、定年の引上げ、継続雇用制度の導入等による高年齢者の安定した雇用の確保の促進、高年齢者等の再就職の促進、定年退職者その他の高年齢退職者に対する就業の機会の確保等の措置を総合的に講じ、高年齢者等の職業の安定その他福祉の増進を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とすると定めています。
注目してほしいのは、措置が3段構えになっていることです。
1つめは「定年の引上げ、継続雇用制度の導入等」。いまの職場で、働き続けてもらう。
2つめは「高年齢者等の再就職の促進」。別の職場に移ってもらう。
3つめは「定年退職者その他の高年齢退職者に対する就業の機会の確保」。雇用でない形も含めて、働く場を作る。
同じ人に対して、3通りの道が並べてあります。
どれか1つでは足りない、という前提です。
実務は、次のような形になります。
- いまの職場で続けられるかを、まず確かめる
- 同じ仕事のままでは続かないことが多い
- 役割を変える、時間を変える、責任を変える
- それでも合わないときは、別の場を探す
- そして、本人の希望と体力と、職場の事情が食い違います
「同じ人に、違う形の働き方を用意する」仕事です。
企業でも、同じ構造の場面が増えています。
定年後の再雇用、育児や介護との両立、病気からの復帰、体力が落ちた人の配置。どれも「辞めてもらう」か「無理に続けてもらう」かの二択になりがちです。
そして多くの企業で、こうなります。制度としては再雇用も時短も用意されています。ところが実際の仕事の中身は、前と同じまま。だから、続けられません。
制度を作った人はいても、仕事の中身を組み替えた人がいません。
求人票では、人事企画、キャリア支援、組織開発、業務設計、労務といった名前で書かれています。
書くときのこつは、個人の事情を書かないことです。続けられない理由をどう見極めたか、役割や時間や責任のどれを変えたか、職場の事情とどう折り合いをつけたか、そして変えたあと続いたかをどう確かめたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
宇部で、どの経験が値になるか
1. 仕事の中身を組み替えた経験
制度を作るのではなく、仕事のほうを変える。これができる人は、企業にほとんどいません。
2. 本人と職場の食い違いを扱った経験
希望と事情は必ずずれます。そこを詰めた経験が値になります。
3. 変えたあと続いたかを確かめた経験
配置して終わりにしなかった経験が強く読まれます。
4. 企業との長い関係を扱った経験
同じ相手と、規制でも支援でも向き合う。渉外の実務と同じ構造です。
県内・県外の求人を見るときに
宇部市は山口県の西部にあり、県内や北九州方面を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「就労支援を担当」では読み手に何も残りません。続けられない理由をどう見極め、何を変えたか。
続かなかった場面を書く
変えても続かないことがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、相談の件数、就労につながった件数、関係した企業の数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
工場の規制を知っている技術者は、扱える人が限られる
排出、排水、粉じん、騒音。規制する側から見てきた経験は、同じ規制を受ける企業の環境部門から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。支援や許認可に関わったなら、相談の件数、就労につながった件数、関係した企業の数、予算の執行率で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 宇部市の一般行政職はラスパイレス指数100.3、平均給与月額417,543円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 平均年齢45.8歳と平均給料月額346,400円は、どちらも同じ区分の35団体で最も高い数字です
- この2つはセットです。最も若い流山市(38.5歳)とは7.3歳差で、給料月額は38,600円差。1歳あたりおよそ5,288円
- 団体の平均は、あなたより10歳上の人も下の人も同じ重さで含んでいます。35歳の職員にとって346,400円は自分の額ではありません
- 地域手当0%なので、諸手当71,143円のすべてが人ごとに違う部分です(総額の17.0%)
- 「同じ人に、違う形の働き方を用意する」経験は、企業でほとんど誰も持っていません(高年齢者雇用安定法1条)
よくある質問
給料月額が35団体で最も高いのに、総額が23番目なのはなぜですか
地域手当が0%だからです。総額で宇部市を上回る団体の多くは、地域手当が3%から16%あります。給料表の高さと、そこに乗る部分は別に決まります。
平均給料月額346,400円は、自分の額に近いですか
平均年齢45.8歳という構成のなかでの平均です。45歳前後なら近いかもしれませんが、35歳前後なら10歳ぶん下にいます。1歳あたり約5,288円で計算すれば、5万円以上の開きになります。団体の平均は、あなたの年齢の人の数字ではありません。
諸手当17.0%のうち、自分に関係するのはどこですか
全部です。地域手当が0%なので、71,143円のすべてが時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。給料月額に連動して自動的に動く部分がないので、去年の支払金額が翌年もほぼそのまま使えます。