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橿原市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
橿原市の平均給与月額(国ベース)392,487円は、同じ類似団体類型区分の59団体のなかで6番目です。
上位6団体のうち、地域手当が6%なのは橿原市だけ。
残りの5団体は、10%から16%です。
率が薄くても、国ベースでは上位に来ます。
橿原市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、橿原市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 橿原市 | 59団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.2 | 14番目 |
| 平均年齢 | 44.8歳 | 4番目(高い側) |
| 平均給料月額 | 333,400円 | 3番目 |
| 諸手当月額 | 92,023円 | 32番目 |
| 平均給与月額 | 425,423円 | 16番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 392,487円 | 6番目 |
| 地域手当以外 | 72,019円 | 21番目 |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも6%です。給料月額にかけると、概算で20,004円。諸手当92,023円からこれを引くと、残りは72,019円。総額の16.9%になります。
国ベース上位6団体を、並べます
| 市 | 地域手当 | 総額 | 落ち幅 | 国ベース |
|---|---|---|---|---|
| 守口市 | 16% | 439,470円 | 29,855円 | 409,615円 |
| 国分寺市 | 16% | 439,818円 | 32,855円 | 406,963円 |
| 三田市 | 10% | 455,722円 | 55,514円 | 400,208円 |
| 小金井市 | 15% | 462,776円 | 62,746円 | 400,030円 |
| 池田市 | 15% | 411,290円 | 14,830円 | 396,460円 |
| 橿原市 | 6% | 425,423円 | 32,936円 | 392,487円 |
橿原市だけが6%です。
総額は16番目と中位。それでも国ベースが6番目まで来るのは、落ち幅32,936円が小さいからです。
そして落ち幅が小さいのは、地域手当の率が薄いからでもあります。
率が薄い団体は、国の制度に合わせ直しても、落ちる部分が少ない。
給料月額3番目を作っているのは、年齢です
平均年齢44.8歳は59団体で4番目に高い。
指数100.2は14番目。上位ではありますが、3番目ではありません。
それでも給料月額が3番目なのは、年齢が押し上げているからです。
そして、給料表で稼いだぶんは、国ベースにそのまま残ります。
地域手当や独自の手当と違って、給料表の水準は国の制度に合わせ直しても消えないからです。
県内の数字は奈良県職員の転職に、同じ県の市は奈良市職員の転職に、同じ区分の市は門真市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
橿原市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 人事、給与制度の設計と運用 | 人事企画、労務、報酬設計 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 史跡・文化財の保存と活用 | 資産管理、施設運営 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「個別に決めず、根本基準を先に置く」実務
橿原市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
この連載では、市の給与を毎回ひとつずつ分解してきました。その給与を決めているのは条例ですが、条例の土台にあるのがこの法律です。
地方公務員法第1条は、この法律が、地方公共団体の人事機関並びに地方公務員の任用、人事評価、給与、勤務時間その他の勤務条件、休業、分限及び懲戒、服務、退職管理、研修、福祉及び利益の保護並びに団体等人事行政に関する根本基準を確立することにより、地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営などを保障し、地方自治の本旨の実現に資することを目的とすると定めています。
「根本基準を確立する」と書いてあります。
個別の判断を積み重ねるのではありません。
先に基準を置いて、そこから個別を決める。
そして、目的は2つ並んでいます。
「民主的」かつ「能率的」な運営。
この2つは、しばしば逆を向きます。
手続きを重ねれば民主的になりますが、遅くなります。
速く決めれば能率的ですが、決め方が見えなくなります。
実務は、次のような形になります。
- 基準を先に置くと、個別の判断が要らなくなる
- 要らなくなると、速くなる
- ところが、基準に当てはまらない場合が必ず出る
- そこで個別に判断すると、基準の意味が薄れる
- そして、例外が積み重なると、基準が形だけになります
企業でも、まったく同じ問題があります。
人事評価、報酬の決め方、経費の承認、取引先の与信。どれも「基準で決める」ものです。
そして多くの企業で、こうなります。基準は作られます。
ところが、当てはまらない例が出たときの扱いが決まっていません。
その場で誰かが判断します。
判断した理由は残りません。
次に似た例が出たとき、前回どうしたかが分かりません。
そして、同じような話に違う結論が出ます。
基準を作る仕事より、例外をどう扱うかを決める仕事のほうが、ずっと難しい。
求人票では、人事企画、報酬設計、内部統制、業務設計といった名前で書かれています。
書くときのこつは、基準を整備したと書かないことです。基準に当てはまらない場合をどう想定したか、例外を認める条件をどう決めたか、判断した理由をどこに残したか、そして例外が積み上がっていないかをどう確かめたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
橿原で、どの経験が値になるか
1. 例外の扱いを先に決めた経験
基準を作るときに、外れた場合まで決める。これができる人は、企業にほとんどいません。
2. 判断の理由を残した経験
次に同じ話が来たときに参照できる形にした経験は、強く読まれます。
3. 例外が積み上がる前に見直した経験
基準が形だけになる前に手を打った経験は、めったにありません。
4. 速さと見えやすさの両方を扱った経験
どちらかに寄せず、割合を決めた経験が値になります。
県内・県外の求人を見るときに
橿原市は奈良県の中部にあり、大阪方面にも出やすい位置です。関西全域を担当エリアとする求人でも、通勤の選択肢が残ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「人事を担当」では読み手に何も残りません。基準に当てはまらない場合をどう想定し、例外を認める条件をどう決めたか。
例外が増えた話を書く
基準が形だけになりかけることがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、職員数、扱った件数、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
埋蔵文化財のある土地を見てきた技術者は、扱える人が限られる
掘れば遺構が出る土地、工事前の調査、計画の手戻り、工期の読み。掘削に制約がある場所で工事を通してきた経験は、建設コンサルタントや不動産の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。人事や施設に関わったなら、職員数、扱った件数、予算の規模、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 橿原市の一般行政職はラスパイレス指数100.2、平均給与月額425,423円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 国ベース392,487円は59団体で6番目。上位6団体で地域手当6%は橿原市だけです
- 総額は16番目と中位。落ち幅32,936円が小さいので、国ベースが6番目まで来ます
- 国ベース上位に来る道は3通り。総額が飛び抜けて高いか、外側が薄いか、地域手当の率が薄いか
- 給料月額3番目は、平均年齢44.8歳(4番目に高い)が押し上げたもの
- 地域手当6%の概算20,004円を引くと、残る72,019円(総額の16.9%)が人ごとに違う部分
よくある質問
地域手当6%なのに国ベースが6番目なのはなぜですか
落ち幅が32,936円と小さいからです。国ベースは総額から落ち幅を引いた数字で、地域手当の率が薄い団体は、国の制度に合わせ直しても落ちる部分が少なくなります。
指数14番目なのに給料月額3番目なのはなぜですか
平均年齢44.8歳が59団体で4番目に高いからです。指数は年齢構成を揃えて計算するのでその違いが消えますが、平均給料月額は在職者の実額なので消えません。
諸手当92,023円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当6%の概算20,004円を除いた、72,019円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は16.9%です。