自治体別 / 施行時特例市
春日部市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
春日部市と草加市は、どちらも地域手当が6%です。同じ埼玉県内にあります。
ところが平均年齢は41.9歳と38.7歳。3.2歳違います。
それでも総額は395,030円と399,314円。4,284円差です。年齢の差が、総額にはほとんど出ていません。
春日部市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、春日部市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 春日部市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.6 |
| 平均年齢 | 41.9歳 |
| 平均給料月額 | 317,100円 |
| 諸手当月額 | 77,930円 |
| 平均給与月額 | 395,030円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 363,133円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 6% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
草加市と並べる(地域手当は同率6%)
| 項目 | 春日部市 | 草加市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.6 | 100.4 | 1.8ポイント |
| 平均年齢 | 41.9歳 | 38.7歳 | 3.2歳 |
| 平均給料月額 | 317,100円 | 305,300円 | 11,800円 |
| 諸手当月額 | 77,930円 | 94,014円 | 16,084円 |
| 平均給与月額 | 395,030円 | 399,314円 | 4,284円 |
| 地域手当 | 6% | 6% | 同率 |
地域手当が同率なので、残る変数は年齢と諸手当だけです。
春日部市は年齢が3.2歳高く、給料月額で11,800円上回ります。
それでも諸手当で16,084円下回り、総額では4,284円下回ります。
諸手当から地域手当を引く
| 項目 | 春日部市 | 草加市 |
|---|---|---|
| 諸手当月額 | 77,930円 | 94,014円 |
| うち地域手当(概算) | 約19,026円 | 約18,318円 |
| 地域手当以外 | 約58,904円 | 約75,696円 |
地域手当はほぼ同じ金額です。給料月額が違うぶん708円だけ差がつきますが、残りの16,792円は、地域手当以外の手当の差です。
県内の数字は埼玉県職員の転職に、地域手当が同率の市は草加市職員の転職に整理しています。
施行時特例市とは、どういう市か
特例市という制度は、2015年(平成27年)4月1日に廃止されました。
そのときに特例市だった市が、「施行時特例市」として、それまでと同じ事務を引き続き処理しています。春日部市もその1つです。
中核市との違いは、はっきりしています。中核市は保健所を設置しますが、施行時特例市は設置しません。食品衛生や感染症対策は、都道府県の仕事として残ります。
一方で、施行時特例市が処理している事務も小さくありません。
- 都市計画法の開発許可
- 建築基準法の特定行政庁としての事務
- 騒音、振動、悪臭の規制
- 屋外広告物の規制
「建てる」「造る」「出す」に関わる許認可が中心です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 地下施設の整備と用地の調整 | 用地開発、インフラ企画、渉外 |
| 治水・排水の計画と運用 | インフラ企画、リスク管理 |
| 開発許可、建築確認の審査 | 規制対応、用地開発、品質保証 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 騒音・振動・悪臭の規制 | 環境管理、規制対応 |
| 桐たんすなど地場産業の支援 | 技術営業、調達、商品企画 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「誰も使っていない場所を、使えるようにする」実務
春日部市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
大深度地下の公共的使用に関する特別措置法第1条は、この法律が、公共の利益となる事業による大深度地下の使用に関し、その要件、手続等について特別の措置を講ずることにより、当該事業の円滑な遂行と大深度地下の適正かつ合理的な利用を図ることを目的とすると定めています。
短い条文です。それだけに、この法律が何をしたのかがはっきりします。
土地の所有権は、地下にも及びます。だから地下にトンネルを通すには、本来なら地権者の同意が要ります。
ところが十分に深い地下は、地上の人が実際には使っていません。
そこで「深いところは、別の扱いにする」と決めたのが、この法律です。
実務は、次のような形になります。
- どこまでが「使っていない深さ」かを決める
- その基準は、建物の基礎や井戸の深さから逆算する
- 基準を満たせば、個別の同意なしに使える
- ただし、事業が公共の利益になることが前提
- そして、地上に影響が出ないことを示し続ける必要があります
「実際には使われていない資産を、制度を作って使えるようにする」という仕事です。
企業でも、同じ構造の場面があります。
使われていない社内のデータ、稼働率の低い設備、活用されていない特許、遊んでいる時間帯の拠点。どれも「誰かのもの」になっていて、勝手には使えません。
そして多くの企業で、ここが手つかずです。各部署は自分の持ち分を守ります。ところが「使っていない部分を、どういう条件なら他が使ってよいか」を決めた人がいません。だから、社内に遊んでいる資源があるまま、外から買い足すことになります。
求人票では、事業企画、経営企画、アセットマネジメント、業務改革、PMOといった名前で書かれています。
書くときのこつは、事業や施設の名前を出さないことです。何が使われていないと判断したか、その線をどこで引いたか、持ち主にどう説明したか、そして使えるようにしたあと問題は出なかったか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
春日部で、どの経験が値になるか
1. 「使われていない」の線を引いた経験
どこまでが使っていない範囲か。この線引きは、企業の資産活用でほとんど誰も決められません。
2. 持ち主に説明した経験
自分のものだが、実際には使っていない。この説明を納得してもらった経験は、渉外で直接効きます。
3. 地上への影響がないことを示し続けた経験
やったあとも見続ける。この継続は、品質保証と同じ構造です。
4. 治水と排水の実務
降った水をどこに逃がすか。流域全体を見た経験は、リスク管理で効きます。
5. 開発許可と建築確認の実務
審査する側にいた経験は、そのまま職種になります。
県内・県外の求人を見るときに
春日部市は東京への通勤圏にあり、都内の求人が現実的な選択肢に入ります。埼玉県内や県東部を担当エリアとする求人も多くあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○事業を担当」では読み手に何も残りません。何が使われていないと判断し、その線をどこで引いたか。
説明が通らなかった話を書く
全部の同意が得られることはありません。そこをどう扱ったかを書くと、交渉の実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象となる区域や延長、地権者の数、事業費。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
地下構造物の設計と維持は、扱える人が限られる
土圧、地下水、沈下、換気、点検の経路。掘ったあと直せないという条件での設計は、経験者が多くありません。トンネルや地下施設を扱う企業から直接求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。事業や許認可に関わったなら、対象の規模、事業費、処理した件数、処理にかかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 春日部市の一般行政職はラスパイレス指数98.6、平均給与月額395,030円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 草加市とは地域手当が同率6%。残る変数は年齢と諸手当だけです
- 年齢が3.2歳高く給料月額で11,800円上回りながら、総額では4,284円下回ります
- 効いているのは諸手当16,084円の差。地域手当の金額はほぼ同じなので、他の手当の差です
- 諸手当は総額の19.7%。地域手当を除いた14.9%が条件で動く部分です
- 「使っていない部分を、どういう条件なら他が使ってよいか」を決めた経験は、企業で手つかずです(大深度地下使用特措法1条)
よくある質問
年齢が3.2歳高いのに、総額が草加市より低いのはなぜですか
諸手当です。春日部市77,930円に対し、草加市94,014円。16,084円の差があります。地域手当は両市とも6%で金額もほぼ同じ(約19,026円と約18,318円)なので、この差はほぼそのまま地域手当以外の手当の差です。年齢3.2歳ぶんの給料月額11,800円を、諸手当の差が上回る形になっています。
地域手当が同率だと、比較はしやすくなりますか
単純にはなります。春日部市と草加市はどちらも6%で、給料月額に対する地域手当の金額もほぼ同じ。だから諸手当の差は、ほぼそのまま他の手当の差として読めます。ただし比べた結果から自分の実額が出るわけではないので、源泉徴収票の支払金額で確かめてください。
地下の事業は、民間の仕事につながりますか
「使っていない資産を、条件を決めて使えるようにする」仕事としてつながります。企業でも、使われていない社内のデータ、稼働率の低い設備、活用されていない特許は「誰かのもの」になっていて勝手には使えません。各部署が持ち分を守るので、線を引く人がいません。何が使われていないと判断したか、線の引き方、持ち主への説明、使えるようにしたあとの経過を書いてください。