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河内長野市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
河内長野市のラスパイレス指数95.2は、同じ類似団体類型区分の107団体のなかで97番目です。
下から数えて11番目。
ところが平均給料月額319,400円は35番目。
62ランク上がります。この連載で見てきたなかで、いちばん大きい動きです。
河内長野市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、河内長野市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 河内長野市 | 107団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 95.2 | 97番目 |
| 平均年齢 | 44.1歳 | 6番目(高い側) |
| 平均給料月額 | 319,400円 | 35番目 |
| 諸手当月額 | 81,593円 | 55番目 |
| 平均給与月額 | 400,993円 | 44番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 371,961円 | 29番目 |
| 地域手当以外 | 62,429円 | 50番目 |
| 落ち幅 | 29,032円 | 81番目(小さい側) |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも6%です。給料月額にかけると、概算で19,164円。諸手当81,593円からこれを引くと、残りは62,429円。総額の15.6%になります。
62ランクを作っているのは、年齢です
平均年齢44.1歳は、107団体で6番目に高い。
指数は国と同じ年齢構成にそろえて計算するので、年齢の違いが消えます。
平均給料月額は実際の在職者で計算するので、残ります。
指数97番目と給料月額35番目。
その差が、62ランクです。
この区分は107団体と大きいので、順位の差も大きく出ます。
そのあとは、小さく動きます
2段目。給料月額35番目から、総額44番目へ。9ランク落ちます。
落としているのは地域手当以外62,429円(50番目)です。
3段目。総額44番目から、国ベース29番目へ。15ランク戻ります。
落ち幅29,032円が81番目と小さいからです。
外側が薄めなので、国の制度に合わせ直しても落ちる部分が少なくなります。
この区分は、地域手当の率が7段階に分かれます
河内長野市が属する区分の107団体は、地域手当0%が28、3%が10、6%が35、10%が13、12%が5、15%が10、16%が6です。
7段階に分かれています。
そして、地域手当以外が総額に占める割合で並べると、上位3つは6%・3%・0%、下位3つは15%・16%・12%。
率が高い団体は外側が薄いほうに寄ります。
この連載で何度も確かめてきた関係が、107団体という大きな母数でも出ています。
府内の数字は大阪府職員の転職に、府内の市は羽曳野市職員の転職と富田林市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
河内長野市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 国民健康保険、医療費の適正化 | 保険、ヘルスケア、データ分析 |
| 高齢者福祉、介護保険の運営 | ケース管理、サービス企画、事業運営 |
| 林業の振興、森林の管理 | 調達、資産管理、事業開発 |
| 生活保護、児童・障害の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 史跡・文化財の保存と活用 | 資産管理、施設運営 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「どちらが引き受けるかを、先に決めておく」実務
河内長野市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
健康保険法第1条は、この法律が、労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とすると定めています。
「業務災害以外の」と書いてあります。
仕事が原因で起きたものは、この法律では扱いません。
そちらは、別の制度が引き受けます。
条文のなかに、境目が書き込まれています。
そして、境目が書いてあるということは、
書いておかないと、どちらも引き受けないか、どちらも引き受けようとするからです。
実務は、次のような形になります。
- 似た制度が2つあると、境目に落ちる案件が出る
- どちらの担当かはっきりしないと、たらい回しになる
- たらい回しにされる側は、その間ずっと待つことになる
- だから、境目を先に決めておく
- ところが、決めた境目にも当てはまらない案件が必ず出ます
企業でも、まったく同じ問題があります。
部署の分担、責任範囲の切り分け、保証と保険、契約書の責任条項。どれも「境目に落ちたものを誰が拾うか」という形で起きます。
そして、多くの場合こうなります。
分担は、はっきり決められます。
組織図にも書かれます。
ところが、どちらにも当てはまらないものは、書かれません。
書かれていないので、誰の仕事でもありません。
誰の仕事でもないものは、放置されます。
放置されたものが問題になると、両方の部署が「うちではない」と言います。
分担を決める仕事と、境目に落ちたものを拾う決まりを作る仕事は、別のものです。
そして、後者を決めている組織は多くありません。
求人票では、業務設計、内部統制、法務、人事企画、カスタマーサポートといった名前で書かれています。
書くときのこつは、分担を明確にしたと書かないことです。どこに境目を引いたか、境目に落ちたものを誰が拾うと決めたか、実際に落ちた案件が何件あったか、そしてそれをどう処理したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
河内長野で、どの経験が値になるか
1. 境目に落ちたものを拾う決まりを作った経験
分担ではなく、分担の外側を決めた経験は、企業にほとんどありません。
2. 落ちた案件を数えた経験
どちらの担当でもないものが何件出たかを数えた経験は、そのまま業務設計の話になります。
3. たらい回しを止めた経験
待たされていた人を、先に動かした経験は、めったに書かれません。
4. 複数の制度を組み合わせて使った経験
1つでは足りず、別の制度と併せて解決した経験は、複雑な設計を扱える証拠になります。
府内・府外の求人を見るときに
河内長野市は大阪府の南東部にあり、南海高野線と近鉄長野線が通ります。大阪市内はもちろん、堺方面や和歌山県方面も選択肢に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「保険を担当」では読み手に何も残りません。どこに境目を引き、落ちたものを誰が拾うと決めたか。
落ちた話を書く
どちらの担当でもなかった案件。そこでどう処理したかまで書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、扱った件数、対象人数、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
山あいに住宅地が広がる土地を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
斜面に造られた宅地、擁壁の点検、狭い道での工事、山からの水。平らでない土地に住宅が並んだ状態で、道路と管を維持してきた経験は、建設コンサルタントや不動産の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。保険や福祉に関わったなら、対象人数、扱った件数、給付の規模、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 河内長野市の一般行政職はラスパイレス指数95.2、平均給与月額400,993円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数は107団体で97番目(下から11番目)。それでも給料月額は35番目で、62ランク上がります
- 押し上げているのは平均年齢44.1歳(6番目に高い)。指数には出ない数字です
- この区分は107団体と大きいので、順位の差も大きく出ます
- 地域手当は7段階に分かれ、外側の厚みで並べると上位3つが6%・3%・0%、下位3つが15%・16%・12%です
- 地域手当6%の概算19,164円を引くと、残る62,429円(総額の15.6%)が人ごとに違う部分
よくある質問
指数が97番目なのに給料月額が35番目なのはなぜですか
平均年齢44.1歳が107団体で6番目に高いからです。指数は国と同じ年齢構成にそろえて計算するので年齢の違いが消えますが、平均給料月額は実際の在職者で計算するので残ります。
62ランクというのは、大きいのですか
団体数によります。河内長野市が属する区分は107団体と大きいので、同じ差でも順位の開きは大きく出ます。
諸手当81,593円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当6%の概算19,164円を除いた、62,429円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は15.6%です。