自治体別 / 中核市
川口市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
川口市の地域手当は、国の指定基準が9%、実際の支給割合が6%です。
指定基準より低く支給している中核市は、62市のうち3市しかありません。川口市、岡崎市、一宮市です。
給料月額319,900円に対し、3ポイントの差はおよそ9,597円。基準どおりなら、月額はもう1万円近く高い計算になります。
川口市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、川口市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 川口市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 101.2 |
| 平均年齢 | 40.4歳 |
| 平均給料月額 | 319,900円 |
| 諸手当月額 | 102,142円 |
| 平均給与月額 | 422,042円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 382,468円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 9% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
指定基準を下回っている3市
| 市 | 国の指定基準 | 実際の支給割合 | 差 |
|---|---|---|---|
| 岡崎市 | 10.5% | 6% | 4.5ポイント |
| 川口市 | 9% | 6% | 3ポイント |
| 一宮市 | 6% | 3% | 3ポイント |
中核市62市のうち、この3市だけです。残りの59市は指定基準と実際の支給割合が一致しています。
越谷市と並べる
ここが、この数字のいちばん面白いところです。
| 項目 | 川口市 | 越谷市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 101.2 | 102.7 | 1.5ポイント |
| 平均年齢 | 40.4歳 | 40.0歳 | 0.4歳 |
| 平均給料月額 | 319,900円 | 319,600円 | 300円 |
| 諸手当月額 | 102,142円 | 82,081円 | 20,061円 |
| 平均給与月額 | 422,042円 | 401,681円 | 20,361円 |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% | 6% | 同率 |
年齢が0.4歳差、給料月額が300円差、地域手当が同率。ここまで条件が揃った2市は、155団体で初めてです。
それでも諸手当で20,061円の差が付きます。
つまり地域手当以外の手当だけで、これだけ動くということです。時間外、住居、扶養、管理職手当、寒冷地以外の各種手当。総額の差20,361円のうち、給料表由来は300円しかありません。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は埼玉県職員の転職に、条件がほぼ一致する市は越谷市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 製造業の支援、技術・販路の橋渡し | 技術営業、事業開発、調達 |
| 工場の立地・操業に関する調整 | 用地開発、生産企画、渉外 |
| 事業承継・後継者の支援 | 事業承継支援、金融法人営業 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 企業誘致・産業団地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「技術が人の中にしかない」という前提の実務
川口市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
ものづくり基盤技術振興基本法第1条は、この法律が、ものづくり基盤技術が国民経済において果たすべき重要な役割にかんがみ、近年における経済の多様かつ構造的な変化に適切に対処するため、その振興に関する施策の基本となる事項を定め、ものづくり基盤技術の水準の維持及び向上を図るものだとしています。
注目してほしいのは「維持」が「向上」の前に置かれていることです。
普通、振興法は伸ばすことを書きます。この法律は、まず落とさないことを書いています。
理由は単純です。基盤技術は、設備ではなく人の中にあるからです。図面や機械があっても、材料の癖を読み、工程を組み替え、不良の原因を当てられる人がいなければ、同じものは作れません。そしてその人が辞めれば、技術はその日で消えます。
実務は、次のような形になります。
- 事業所ごとに、何が作れるのかを把握する
- 発注する側と受注する側をつなぐ
- 後継者がいない事業所の、技術の行き先を考える
- 設備の更新と、それを扱える人の確保を同時に見る
- 取引先が一社に偏っている事業所のリスクを見る
この見方は、企業の調達部門やサプライヤー管理と完全に同じです。
そして多くの企業で、ここが空いています。
調達の担当者は価格と納期を見ます。品質の担当者は不良率を見ます。ところが「この工程を作れる人が、あと何年いるのか」を見ている人がいません。取引先の代表者が高齢で後継者がいない、その工程を扱える職人が一人しかいない。気付くのは、供給が止まった日です。
求人票では、調達、購買、サプライチェーン、生産企画、技術営業といった名前で書かれています。
書くときのこつは、支援制度の名前を出さないことです。何社を、どういう基準で見て、どこに供給が途切れる危険があると判断したか。そして止まりかけた案件で何をしたか、あるいは間に合わなかった案件では何が足りなかったか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
川口で、どの経験が値になるか
1. 事業所の実力を、外から判断した経験
決算書だけでは、何が作れるかはわかりません。設備、人、取引先の構成から判断した経験は、調達でもファイナンスでも直接必要とされます。
2. 発注側と受注側をつないだ経験
両方の言い分を聞いたうえで成立させる。片側の立場でしかやったことがない人には、できない仕事です。
3. 事業承継の現場を見た経験
後継者、技術、取引先、借入。金融機関とコンサルティング会社が最も人を探している分野です。
4. 工場の立地と操業に関する調整
近隣、環境、交通、用地。先に住んでいる人と、後から来る工場のあいだを整えた経験は、用地開発でそのまま効きます。
5. 医療・保健の許認可と監視
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
川口市は東京に接しており、都内の求人が日常的な通勤圏に入ります。同時に、埼玉県内や県南部を担当エリアとする求人も多くあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○支援事業を担当」では読み手に何も残りません。事業名は庁内でしか意味を持たない固有名詞です。何社を、どういう基準で見て、どこに危険があると判断したか。
間に合わなかった案件を書く
止まった事業所、承継できなかった技術。それを書けることが、基準を持っている証明になります。成功事例だけを並べると、選別の目があることが伝わりません。
規模を必ず書く
市の人口、事業所の数、扱った案件数、事業費。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
工場が稼働したままの環境対策は、扱える人が限られる
騒音、振動、排水、粉じん。止められない操業のなかで測り、原因を切り分け、対策を入れる。この条件での実務は、環境コンサルティングと製造業の環境管理部門の両方から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。事業所の支援に関わったなら、扱った件数、金額、成立した割合、成立しなかった理由で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 川口市の一般行政職はラスパイレス指数101.2、平均給与月額422,042円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 地域手当は国の指定基準9%に対し、実際の支給割合が6%。基準を下回る中核市は62市中3市だけです
- 越谷市とは年齢0.4歳差、給料月額300円差、地域手当同率。155団体で最も条件が揃った組み合わせです
- それでも諸手当で20,061円、総額で20,361円離れます。条件を揃えても残る差は、外からは読み取れません
- 諸手当102,142円は中核市62市で15番目に厚く、総額の24.2%。年による振れ幅は3年ぶん確認してください
- 「この技術を持つ人があと何年いるか」を見る役割は、企業の調達・品質・財務のどこにも割り当てられていません(ものづくり基盤技術振興基本法1条)
よくある質問
地域手当が国の指定基準より低いのはなぜですか
この記事では理由に踏み込みません。確認できる事実は、国の指定基準9%に対し実際の支給割合が6%であること、そして基準を下回る中核市が62市のうち川口市・岡崎市・一宮市の3市だけであることです。給料月額319,900円に対し3ポイントの差はおよそ9,597円にあたります。求人票の想定年収と比べるときは、いま受け取っている実額を基準にしてください。
越谷市と条件がほぼ同じなのに、総額が2万円違うのはなぜですか
地域手当以外の手当の差です。年齢0.4歳差、給料月額300円差、地域手当は同率6%。総額の差20,361円のうち、給料表由来は300円しかありません。残りは時間外、住居、扶養、管理職手当などの積み上がりです。ここは団体ごとの設計なので、外からは読み取れません。だから団体の比較ではなく、自分の源泉徴収票で確かめるほうが確実です。
事業所を回っていただけで、実績として書けるものがありません
外から事業所の実力を判断した経験は、企業の中にほとんどない能力です。決算書を読める人は大勢いますが、設備と人と取引先の構成から「この工程があと何年続くか」を判断できる人はいません。調達は価格と納期、品質は不良率しか見ていないからです。何社をどういう基準で見て、どこに危険があると判断したかを書いてください。