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桐生市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
桐生市の平均給与月額381,740円は、同じ類似団体類型区分の101団体のなかで32番目です。
ところが国ベースでは13番目。
19ランク上がります。
この連載で見てきた同じ型のなかで、いちばん大きい動きでした。
桐生市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、桐生市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 桐生市 | 101団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.5 | 21番目 |
| 平均年齢 | 42.8歳 | 36番目 |
| 平均給料月額 | 329,200円 | 12番目 |
| 諸手当月額 | 52,540円 | 53番目 |
| 平均給与月額 | 381,740円 | 32番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 361,632円 | 13番目 |
| 地域手当以外 | 52,540円 | 49番目 |
| 落ち幅 | 20,108円 | 68番目(小さい側) |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも0%です。したがって諸手当52,540円は全額が地域手当以外で、これは総額の13.8%にあたります。
給料表で稼いで、外側が薄い
1段目。指数21番目から、給料月額12番目へ。9ランク上がります。
2段目。給料月額12番目から、総額32番目へ。20ランク落ちます。
落としているのは諸手当52,540円(53番目)です。地域手当が0%なので、この薄さがそのまま総額に効きます。
3段目。総額32番目から、国ベース13番目へ。19ランク戻ります。
落ち幅20,108円が小さいからです。
外側が薄い団体は、国の制度に合わせ直しても落ちる部分が少なくなります。
この形は、この連載で8例目になります。国分寺市、大崎市、鶴岡市、会津若松市、加須市、白山市、三島市。いずれも給料表の水準で稼いで、外側が薄い団体でした。
2段目で下げた「外側の薄さ」が、3段目では上げる側にまわります。
同じ0%の小松市とは、落ち幅が1.7倍違います
この回では、同じ区分で地域手当0%の小松市も扱っています。
| 市 | ラスパイレス指数 | 平均年齢 | 平均給料月額 | 落ち幅 |
|---|---|---|---|---|
| 桐生市 | 99.5(21番目) | 42.8歳 | 329,200円(12番目) | 20,108円 |
| 小松市 | 96.6(60番目) | 43.5歳 | 330,900円(7番目) | 34,683円 |
指数の順位は、21番目と60番目。39ランク離れています。
ところが給料月額は329,200円と330,900円で、1,700円差。
しかも指数が低い小松市のほうが高い。
平均年齢が42.8歳と43.5歳で0.7歳違うので、指数の差を打ち消しています。
そして落ち幅は20,108円と34,683円で1.7倍。
率は2市とも0%です。
県内の数字は群馬県職員の転職に、県内の市は前橋市職員の転職と足利市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
桐生市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 消費生活の相談、事業者への対応 | カスタマーサポート、品質保証、法務 |
| 地場産業の振興、販路の支援 | 事業開発、法人営業、ブランド企画 |
| 産業遺産・古い建物の活用 | 資産管理、施設運営、事業企画 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 空き家・空き店舗の対応 | 資産管理、施設運営 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「原則ではなく、場面を数え上げる」実務
桐生市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
特定商取引に関する法律第1条は、この法律が、特定商取引を公正にし、及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護し、あわせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とすると定めています。
そして、その「特定商取引」が何を指すかが、条文のなかで列挙されています。
訪問販売。通信販売。電話勧誘販売。連鎖販売取引。特定継続的役務提供。業務提供誘引販売取引。訪問購入。
7つです。
「不公正な取引を禁止する」という一般的な書き方ではありません。
どの場面かを、先に数え上げています。
理由ははっきりしています。
場面によって、どこで無理が起きるかが違うからです。
訪問販売は、断りにくい場所で話が進みます。
通信販売は、現物を見ずに決めます。
同じ「守る」でも、当てる手当てが変わります。
実務は、次のような形になります。
- 一般的な原則を1つ置くと、書くのは楽になる
- ところが、当てはめる段になると解釈が分かれる
- 分かれると、現場ごとに違う結論が出る
- だから、場面を数え上げて、それぞれに手当てを書く
- ところが、数え上げると、そこに入らない新しい場面が必ず出ます
企業でも、まったく同じ問題があります。
社内規程、承認のルール、取引先との契約条項、クレームの対応基準。どれも「原則で書くか、場面を並べるか」という形で起きます。
そして、多くの場合こうなります。
最初は、原則で書きます。
短くて、きれいだからです。
運用が始まると、解釈が分かれます。
分かれるので、例示を足します。
例示が増えると、例示に入らないものは対象外だと読まれます。
だから、また原則に戻そうとします。
原則と列挙を行き来するうちに、誰も全体を読めなくなります。
どちらで書くかを決め、決めた理由を残した経験は、企業にほとんどありません。
求人票では、法務、業務設計、内部統制、コンプライアンス、規程管理といった名前で書かれています。
書くときのこつは、規程を整備したと書かないことです。原則で書くか場面を並べるかをどう決めたか、決めた理由をどこに残したか、そこに入らない場面が出たときにどう扱ったか、そして何年後も読める形になっていたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
桐生で、どの経験が値になるか
1. 書き方を選んだ理由を残した経験
原則で書くか場面を並べるかを、意識して決めた経験は、企業にほとんどありません。
2. 想定外の場面を扱った経験
列挙に入らないものが出たときの判断を記録した経験は、そのまま法務の実務です。
3. 何年後も読める形にした経験
書いた人がいなくなっても通じる形にした経験は、めったに書かれません。
4. 古いものを使い続けてきた経験
建物でも仕組みでも、作り直さずに手を入れて使ってきた経験は、資産管理や施設運営で直接使えます。
県内・県外の求人を見るときに
桐生市は群馬県の東部にあり、両毛線が通ります。前橋・高崎方面はもちろん、栃木県の足利・佐野方面も通勤圏に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「相談業務を担当」では読み手に何も残りません。どういう場面を想定し、それぞれに何を当てたか。
想定外の話を書く
用意した枠に入らなかった案件。そこでどう判断したかまで書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、相談件数、扱った金額、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
古い工場建築を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
図面が残っていない構造、木造の大スパン、耐震の補強、使いながらの改修。現役の建物として使われている古い産業建築を、診断し直してきた経験は、建設コンサルタントや不動産の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。相談や産業振興に関わったなら、相談件数、事業者数、扱った金額、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 桐生市の一般行政職はラスパイレス指数99.5、平均給与月額381,740円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 総額32番目から国ベース13番目へ、19ランク上がります
- 落としているのは諸手当52,540円(53番目)、戻しているのは落ち幅20,108円の小ささ
- 2段目で下げた「外側の薄さ」が、3段目では上げる側にまわります
- 同じ0%の小松市とは指数の順位が39ランク離れているのに、給料月額は1,700円差です
- 諸手当52,540円は全額が地域手当以外。総額の13.8%が、人ごとに違う部分です
よくある質問
総額で落ちたのに国ベースで戻るのはなぜですか
外側が薄い団体は、国の制度に合わせ直しても落ちる部分が少ないからです。桐生市の落ち幅20,108円は101団体で68番目と小さく、そのぶん国ベースの順位が13番目まで戻ります。
指数が高ければ、給料月額も高いのですか
そうとはかぎりません。同じ0%の小松市は指数が39ランク下なのに、給料月額は1,700円高くなっています。
諸手当52,540円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当が0%なので、52,540円が全部です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は13.8%です。