自治体別 / 市
鴻巣市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
鴻巣市の平均給料月額324,600円は、同じ類似団体類型区分の59団体のなかで17番目です。
ところが平均給与月額403,405円は34番目。
17ランク下がります。
そして、国ベースでは27番目まで戻ります。
鴻巣市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、鴻巣市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 鴻巣市 | 59団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.0 | 18番目 |
| 平均年齢 | 41.9歳 | 34番目 |
| 平均給料月額 | 324,600円 | 17番目 |
| 諸手当月額 | 78,805円 | 40番目 |
| 平均給与月額 | 403,405円 | 34番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 375,762円 | 27番目 |
| 地域手当以外 | 59,329円 | 38番目 |
| 落ち幅 | 27,643円 | 50番目(小さい側) |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも6%です。給料月額にかけると、概算で19,476円。諸手当78,805円からこれを引くと、残りは59,329円。総額の14.7%になります。
同じ理由が、下げる方向と戻す方向の両方に効いています
諸手当78,805円は59団体で40番目。薄い側です。
だから、給料月額17番目が総額34番目まで落ちます。
ところが、落ち幅27,643円は59団体で50番目。つまり小さいほうから数えて10番目です。
外側が薄い団体は、国の制度に合わせ直しても落ちる部分が少ない。
だから国ベースでは27番目まで戻ります。
外側が薄いことが、総額では順位を下げ、国ベースでは順位を戻します。
同じひとつの性質が、逆向きに2回効いています。
落ち幅が小さい側には、0%の市が並びます
落ち幅を小さい順に並べると、鴻巣市は10番目です。
| 順位 | 市 | 地域手当 | 落ち幅 |
|---|---|---|---|
| 5番目 | 小樽市 | 0% | 24,805円 |
| 6番目 | 沖縄市 | 0% | 24,807円 |
| 7番目 | 浦添市 | 0% | 26,541円 |
| 8番目 | 宜野湾市 | 0% | 26,597円 |
| 9番目 | 三島市 | 3% | 27,398円 |
| 10番目 | 鴻巣市 | 6% | 27,643円 |
6%があるのに、0%の4市とほとんど変わりません。
落ち幅は地域手当の率だけでは決まらない、という話をこの連載で続けてきました。
今回は、その逆側から見た例になります。
同じ6%の生駒市と、19,604円違います
同じ区分に、地域手当6%の市は10あります。そのなかから、条件がよく揃っている1市を並べます。
| 項目 | 鴻巣市 | 生駒市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.0 | 100.1 | 0.1 |
| 平均年齢 | 41.9歳 | 42.5歳 | 0.6歳 |
| 平均給料月額 | 324,600円 | 326,100円 | 1,500円 |
| 地域手当(概算) | 19,476円 | 19,566円 | 90円 |
| 地域手当以外 | 59,329円 | 77,343円 | 18,014円 |
| 平均給与月額 | 403,405円 | 423,009円 | 19,604円 |
指数も率も給料月額もほとんど同じです。
それでも総額は19,604円違います。
そして、差の18,014円分が地域手当以外から来ています。
割合にすると、差の91.9%です。
県内の数字は埼玉県職員の転職に、比べた市は生駒市職員の転職に、同じ6%の県内の市は入間市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
鴻巣市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 農業の振興、産地の支援 | 事業開発、調達、ブランド企画 |
| 地場産業の振興、販路の支援 | 事業開発、法人営業、ブランド企画 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 河川・排水の管理 | インフラ運営、施設管理 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「作る側だけでなく、買う場面まで作りにいく」実務
鴻巣市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
鴻巣市は、花きの産地として知られてきた市です。そして、花を作る産業には、ほかの農産物にはない事情があります。
花きの振興に関する法律第1条は、花き産業が農地や農業の担い手の確保を図る上で重要な地位を占めていること、花きに関する伝統と文化が国民の生活に深く浸透していることなどに鑑み、花き産業及び花きの文化の振興を図るため、基本方針の策定について定めるとともに、花きの生産者の経営の安定、花きの加工及び流通の高度化、花きの輸出の促進、公共施設及びまちづくりにおける花きの活用等の措置を講じ、もって花き産業の健全な発展及び心豊かな国民生活の実現に寄与することを目的とすると定めています。
措置が4つ並んでいます。
生産者の経営の安定。加工と流通。輸出。
そして4つめが、公共施設及びまちづくりにおける花きの活用です。
ここだけ、作る側の話ではありません。
買う場面そのものを作りにいっています。
花は、なくても困りません。
困らないものは、作る人を支援しても売れる量が増えません。
だから、使われる場面のほうを増やす。
実務は、次のような形になります。
- 作る側を支援すると、供給が増える
- 供給が増えても、買う人が増えなければ値段が下がる
- 値段が下がると、作る人の手取りは減る
- つまり、供給だけを支援すると逆の結果になることがある
- そこで需要のほうに手を入れるが、こちらは成果が見えにくい
企業でも、まったく同じ問題があります。
新製品の販路開拓、社内で作った新しい仕組みの利用促進、新しいサービスの立ち上げ。どれも「作るところまでは進むが、使われるところで止まる」という形で起きます。
そして、多くの場合こうなります。
作る側には担当が付きます。
使ってもらう側には、担当が付きません。
「良いものを作れば使われるはず」という前提で進みます。
使われないと、作りが悪かったという話になります。
本当は、使う場面を誰も設計していなかっただけです。
求人票では、事業企画、販路開拓、マーケティング、業務改革といった名前で書かれています。
書くときのこつは、支援したと書かないことです。作る側と使う側のどちらに手を入れたか、使う場面をどう作ったか、作った場面が何回くらい使われたか、そして使われなかったときに何を変えたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
鴻巣で、どの経験が値になるか
1. 需要のほうに手を入れた経験
作る側ではなく、使う場面を増やした経験は、企業にほとんどありません。
2. 供給を増やしたら値段が下がった経験
支援が逆に働いた場面を見た経験は、そのまま事業設計の話になります。
3. 使われた回数を数えた経験
作ったあと、実際に何回使われたかを追った経験は、めったに書かれません。
4. 見えにくい成果を説明した経験
数字になりにくい取り組みを、説明できる形にした経験は、強く読まれます。
県内・県外の求人を見るときに
鴻巣市は埼玉県の中央部にあり、高崎線が通ります。都内はもちろん、さいたま市方面や熊谷方面の求人も通勤圏に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「産業振興を担当」では読み手に何も残りません。作る側と使う側のどちらに手を入れ、なぜそちらにしたか。
うまくいかなかった話を書く
支援したのに結果が出なかった場面。そこで何を変えたかまで書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、事業者数、扱った量、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
大きな川に沿った土地を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
堤防の高さ、増水時の水位、排水機場の運転、農地と市街地の水の分け方。水位が上がる前提で施設を設計し、運転してきた経験は、建設コンサルタントや設備の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。産業振興や農業に関わったなら、事業者数、扱った量、出荷の規模、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 鴻巣市の一般行政職はラスパイレス指数100.0、平均給与月額403,405円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 平均給料月額324,600円は59団体で17番目。それでも総額は34番目で、17ランク下がります
- 下げているのは諸手当78,805円(40番目)。ところが同じ理由で落ち幅27,643円が小さく、国ベースでは27番目まで戻ります
- 落ち幅は小さいほうから10番目。地域手当6%があるのに、0%の4市とほとんど変わりません
- 同じ6%の生駒市とは指数0.1ポイント差・給料月額1,500円差なのに、総額は19,604円違い、その91.9%が地域手当以外の差です
- 地域手当6%の概算19,476円を引くと、残る59,329円(総額の14.7%)が人ごとに違う部分
よくある質問
給料月額が17番目なのに総額が34番目なのはなぜですか
諸手当78,805円が59団体で40番目と薄いからです。地域手当6%の概算19,476円を除くと、残りは59,329円で38番目になります。
総額で落ちたのに国ベースで戻るのはなぜですか
外側が薄い団体は、国の制度に合わせ直しても落ちる部分が少ないからです。鴻巣市の落ち幅27,643円は59団体で小さいほうから10番目で、そのぶん国ベースの順位が27番目まで戻ります。
諸手当78,805円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当6%の概算19,476円を除いた、59,329円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は14.7%です。