自治体別 / 市
入間市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
入間市のラスパイレス指数101.6は、同じ類似団体類型区分の59団体のなかで3番目です。
平均給料月額は24番目。平均給与月額は40番目。
見る項目を移すたびに、順位が下がっていきます。そして、前回とりあげた狭山市と並べると、指数がほとんど同じなのに、下がり方がまったく違います。
入間市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、入間市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 入間市 | 59団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 101.6 | 3番目 |
| 平均年齢 | 41.9歳 | 32番目 |
| 平均給料月額 | 320,700円 | 24番目 |
| 諸手当月額 | 80,113円 | 37番目 |
| 平均給与月額 | 400,813円 | 40番目 |
| 地域手当以外 | 60,871円 | 37番目 |
平均給与月額(国ベース)は364,562円。地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも6%です。
地域手当6%を給料月額にかけると、概算で19,242円。諸手当80,113円からこれを引くと、残りは60,871円。総額の15.2%になります。
狭山市と並べると、途中から道が分かれます
| 見る項目 | 入間市 | 狭山市 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 3番目(101.6) | 4番目(101.5) |
| 平均給料月額 | 24番目 | 40番目 |
| 平均給与月額 | 40番目 | 23番目 |
| 地域手当 | 6% | 12% |
指数はほぼ並んでいます。101.6と101.5、順位は3番目と4番目です。
そこから先が、逆を向きます。
入間市は給料月額で24番目まで下がり、総額でさらに40番目まで下がります。
狭山市は給料月額で40番目まで落ちたあと、総額で23番目まで戻ります。
戻しているのは地域手当12%です。入間市は6%なので、戻る幅が半分になります。
同じ県の、同じ区分の、指数がほぼ同じ2市。それでも総額の順位は40番目と23番目に分かれます。
同じ6%の10団体で並べると
この59団体のうち、地域手当が6%の団体は10あります。
| 団体 | 指数 | 年齢 | 平均給料月額 | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|---|
| 大野城市 | 100.9 | 40.3歳 | 321,300円 | 433,111円 |
| 東久留米市 | 98.8 | 41.6歳 | 315,900円 | 426,771円 |
| 橿原市 | 100.2 | 44.8歳 | 333,400円 | 425,423円 |
| 戸田市 | 99.0 | 40.6歳 | 313,100円 | 424,388円 |
| 生駒市 | 100.1 | 42.5歳 | 326,100円 | 423,009円 |
| 鴻巣市 | 100.0 | 41.9歳 | 324,600円 | 403,405円 |
| 入間市 | 101.6 | 41.9歳 | 320,700円 | 400,813円 |
| 富田林市 | 99.7 | 42.5歳 | 319,000円 | 399,263円 |
| 鎌ケ谷市 | 99.6 | 41.4歳 | 300,200円 | 392,407円 |
| 三郷市 | 99.4 | 40.2歳 | 306,000円 | 371,938円 |
入間市の指数101.6は、この10団体で最も高い数字です。それでも総額は7番目です。
給料月額の幅は33,200円、総額の幅は61,173円。給料月額が総額の差の54.3%を説明します。
59団体をすべて混ぜると36.1%、12%の8団体で58.3%、0%の16団体で68.2%でした。6%で揃えると54.3%。同じ率で揃えても、率が低いほど0%の値に近づくわけではありません。
県内の数字は埼玉県職員の転職に、同じ県の市は狭山市職員の転職と久喜市職員の転職に、同じ区分の市は武蔵野市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
入間市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 建築確認、耐震化の促進 | 品質保証、規制対応、施設管理 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 農地・茶園など農業の振興 | 資産管理、生産管理 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「建てたときは合っていたのに、いまは合わない」実務
入間市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
建築物の耐震改修の促進に関する法律第1条は、この法律が、地震による建築物の倒壊等の被害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、建築物の耐震改修の促進のための措置を講ずることにより建築物の地震に対する安全性の向上を図り、もって公共の福祉の確保に資することを目的とすると定めています。
この法律が必要になる理由は、ひとつです。
基準が変わったからです。
建てたときは、その時点の基準を満たしていました。違法ではありません。
そのあと基準が変わり、いまの基準には合わなくなった。
それでも建物はそこに建っていて、使われ続けます。
壊して建て直すには、お金も時間もかかります。持ち主は、いま困っていません。
だから「促進」という言葉が法律の名前に入っています。禁止でも取り締まりでもなく、促進です。
実務は、次のような形になります。
- 違反していないものを、変えてもらう
- 相手は困っていないので、動く理由がない
- 危ないのは分かっていても、順番は最後になる
- そして、実際に地震が来るまでは何も起きません
- 起きたあとでは、間に合いません
企業でも、まったく同じ問題があります。
古いシステム、何年も前に結んだ契約、以前の運用ルールのまま動いている業務、昔の基準で設計された設備。どれも、作ったときは正しかったものです。
そして多くの企業で、こうなります。いま動いているので、誰も困っていません。
直すには止める必要があり、止めると業務が回りません。
だから、予算の順番がつねに後ろになります。
そして「動いているのになぜ直すのか」と聞かれます。
答えは「いまは大丈夫だから」ではなく「壊れたときに直せないから」なのですが、これは数字にしにくい。
だから、動かせる人は「起きたときに何が失われるか」を金額で出せる人だけです。
求人票では、品質保証、リスク管理、情報企画、設備保全、事業継続といった名前で書かれています。
書くときのこつは、危険性を訴えたと書かないことです。どこが基準に合っていないと見つけたか、合っていないことで何が起きると見積もったか、その見積もりをどう金額にしたか、そして相手が動く順番をどう上げたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
入間で、どの経験が値になるか
1. 違反していないものを動かした経験
相手に非がない状態で変えてもらう。これができる人は、企業にほとんどいません。
2. 起きていない損失を金額にした経験
「壊れたときに何が失われるか」を数字にした経験は、そのまま予算獲得に使えます。
3. 順番を上げた経験
後回しにされ続けていたものを前に出した。この話は強く読まれます。
4. 動かせなかったものを記録に残した経験
説得できなかったこと自体を、次の人に渡せる形にした経験は、めったにありません。
県内・県外の求人を見るときに
入間市は埼玉県の南西部にあり、都心方面と県西部の両方に出やすい位置です。埼玉県内から東京西部までを担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「耐震化を担当」では読み手に何も残りません。どこが基準に合っていないと見つけ、何が起きると見積もったか。
動かせなかった話を書く
説得しても動かない相手がいます。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象の建築物の数、補助の件数、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
既存の建物を診てきた技術者は、扱える人が限られる
耐震診断、改修の設計、使いながらの工事、費用の見積もり。すでに建っているものを扱ってきた経験は、建設コンサルタントや不動産・設備の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。建築や施設に関わったなら、対象の建築物の数、補助の件数、事業費、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 入間市の一般行政職はラスパイレス指数101.6、平均給与月額400,813円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数3番目、給料月額24番目、総額40番目と、見る項目を移すたびに順位が下がります
- 狭山市は指数4番目で総額23番目。指数がほぼ同じなのに、総額は17ランク離れます
- 分けているのは地域手当の率(入間市6%、狭山市12%)。どちらもあなたの働き方では変わりません
- 同じ6%の10団体では、入間市の指数101.6が最も高いのに総額は7番目
- 地域手当6%の概算19,242円を引くと、残る60,871円(総額の15.2%)が人ごとに違う部分
よくある質問
指数が3番目なのに総額が40番目なのはなぜですか
地域手当が6%と、この区分では低いほうだからです。59団体のうち16団体は0%ですが、16%まで乗る団体もあります。給料表の水準が高くても、乗る部分が薄ければ総額の順位は下がります。
狭山市と17ランク違うのは、給与水準の差ですか
主に地域手当の率の差です。入間市6%、狭山市12%。指数はほぼ同じ(101.6と101.5)で、給料月額では入間市のほうが上位です。
諸手当80,113円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当6%の概算19,242円を除いた、60,871円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は15.2%です。