自治体別 / 中核市
久留米市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
久留米市の諸手当は72,258円。長崎市は72,257円。1円しか違いません。
それでも総額は401,958円と385,757円。16,201円離れます。
諸手当がほぼ同じなら、総額の差は給料月額の差そのものです。実際、給料月額の差は16,200円でした。
久留米市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、久留米市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 久留米市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.7 |
| 平均年齢 | 43.2歳 |
| 平均給料月額 | 329,700円 |
| 諸手当月額 | 72,258円 |
| 平均給与月額 | 401,958円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 359,826円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
長崎市と並べる(諸手当が1円差)
| 項目 | 久留米市 | 長崎市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.7 | 97.6 | 2.1ポイント |
| 平均年齢 | 43.2歳 | 41.9歳 | 1.3歳 |
| 平均給料月額 | 329,700円 | 313,500円 | 16,200円 |
| 諸手当月額 | 72,258円 | 72,257円 | 1円 |
| 平均給与月額 | 401,958円 | 385,757円 | 16,201円 |
| 地域手当 | 0% | 3% | 3ポイント |
諸手当が1円差なので、総額の差16,201円は、そのまま給料月額の差16,200円です。
ここまで見てきたなかで、いちばん単純な内訳になりました。
ところが、諸手当の中身は違います
長崎市の諸手当72,257円には、地域手当が含まれています。給料月額313,500円の3%は、およそ9,405円。
久留米市の72,258円には、0円しか入っていません。
| 項目 | 久留米市 | 長崎市 |
|---|---|---|
| 諸手当月額 | 72,258円 | 72,257円 |
| うち地域手当(概算) | 0円 | 約9,405円 |
| 地域手当以外 | 72,258円 | 約62,852円 |
表面では1円差。中身では、久留米市がおよそ9,406円厚い。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は福岡県職員の転職に、諸手当が一致する市は長崎市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 製造業の技術・販路の支援 | 技術営業、事業開発、調達 |
| 規格や認証の取得に関する支援 | 品質保証、規制対応 |
| 医療・福祉施設の集積を支える実務 | 施設企画、事業運営 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 企業誘致・産業団地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 農業の生産・出荷・担い手の支援 | 調達、産地開発、商品企画 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「いちいち確かめなくても済むようにする」実務
久留米市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
産業標準化法第1条は、この法律が、適正かつ合理的な産業標準の制定及び普及により産業標準化を促進すること並びに国際標準の制定への協力により国際標準化を促進することによって、鉱工業品等の品質の改善、生産能率の増進その他生産等の合理化、取引の単純公正化及び使用又は消費の合理化を図るものだとしています。
注目してほしいのは「取引の単純公正化」です。
規格があると、取引が単純になります。
同じ呼び名のものが、どこで買っても同じ。だから、いちいち確かめなくて済む。
規格がなければ、こうなります。
- 同じ名前で呼んでいるのに、中身が違う
- 発注のたびに、仕様を確認しなければならない
- 確認が漏れると、合わないものが届く
- 合わないと分かるのは、使う段階になってから
- そして誰も悪くないのに、損失だけが出ます
「呼び方を揃えることで、確認の手間をなくす」というのが、標準の役割です。
企業のなかでも、まったく同じ問題が起きています。
同じ部品を部署ごとに違う型番で管理している。同じ顧客を、営業と経理で違う名前で登録している。同じ作業を、拠点ごとに違う手順でやっている。どれも、そのときは理由があって別々になりました。
そして多くの企業で、これを揃える人がいません。各部署は自分のやり方で回せています。情報システムは依頼されたものを作ります。ところが「全社で同じものを、同じ呼び方にする」役割が、誰にも割り当てられていません。だから部署をまたぐたびに、変換と確認の作業が発生します。
求人票では、業務設計、業務改革、品質保証、調達、情報システムといった名前で書かれています。
書くときのこつは、制度や事業の名前を出さないことです。何がバラバラだったか、揃えると誰の手間が増えるか、それでも揃えると決めた根拠は何か、そして揃えたあとに減った確認作業はどれくらいか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
久留米で、どの経験が値になるか
1. バラバラだったものを揃えた経験
揃えると、誰かの手間が増えます。それでも揃えた根拠を説明できる人は、企業の中にほとんどいません。
2. 規格や認証の取得を支援した経験
満たすべき基準を、事業者の現場に翻訳する。これは品質保証と規制対応でそのまま必要とされます。
3. 製造業の実力を外から判断した経験
決算書だけではわかりません。設備、人、取引先の構成から判断した経験は、調達やファイナンスで直接必要とされます。
4. 医療と福祉の集積を支えた実務
施設が多い地域の事情を知っていることは、医療・介護の事業を展開する企業で効きます。
5. 医療・保健の許認可と監視
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
久留米市は福岡市への通勤圏にあり、福岡県内の求人が現実的な選択肢に入ります。筑後地域や県南を担当エリアとする求人も多くあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○支援事業を担当」では読み手に何も残りません。何がバラバラで、揃えると決めた根拠は何だったか。
揃えられなかったものを書く
全部は揃いません。どこが残り、なぜ残ったかを書けると、構造を見ていたことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象となる事業所の数、扱った件数、事業費。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
仕様書を書ける技術者は、そのまま不足しています
何を、どの基準で、どこまで求めるか。発注のために仕様を言葉にするという仕事は、設計もできて調達も分かる人でないと務まりません。建設コンサルタントと製造業の購買部門の双方から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。事業者の支援に関わったなら、扱った件数、金額、成立した割合、成立しなかった理由で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 久留米市の一般行政職はラスパイレス指数99.7、平均給与月額401,958円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 長崎市とは諸手当が1円差(72,258円と72,257円)です
- 総額の差16,201円は、給料月額の差16,200円とほぼ完全に一致します
- ところが長崎市の諸手当には地域手当およそ9,405円が入っています
- 引き算すると、地域手当以外では久留米市がおよそ9,406円厚い
- バラバラだったものを揃えた経験は、企業でいちばん足りていません(産業標準化法1条)
よくある質問
諸手当が1円差なのに、総額が16,201円違うのはなぜですか
給料月額の差です。久留米市329,700円、長崎市313,500円で16,200円の差があります。諸手当が1円差なので、総額の差16,201円はそのまま給料月額の差になります。諸手当が揃っているときだけ、総額の差は給料表の差そのものになります。
諸手当が同じなら、中身も同じですか
違います。長崎市の諸手当72,257円には、給料月額313,500円の3%=およそ9,405円の地域手当が含まれています。久留米市の72,258円には0円しか入っていません。引き算すると、地域手当以外では久留米市がおよそ9,406円厚くなります。諸手当を比べるときは、給料月額×地域手当の割合で概算を出して、引いてから比べてください。
「揃える」仕事は、実績として書きにくいです
揃えているあいだは誰にも感謝されず、揃えたあとは誰も気付かないからです。それでも企業では、同じ部品が部署ごとに違う型番で管理され、部署をまたぐたびに変換と確認が発生しています。「全社で同じものを、同じ呼び方にする」役割が誰にも割り当てられていません。何がバラバラだったか、揃えると誰の手間が増えるか、それでも揃えた根拠、減った確認作業を書いてください。