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自治体別 / 中核市

松江市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方

松江市の平均給与月額393,659円は、鳥取市387,945円を5,714円上回ります。

ところが国ベースでは342,087円と350,042円。鳥取市に7,955円下回ります。

地域手当はどちらも0%、平均年齢は0.1歳差。それでも、見る数字を変えると順序が入れ替わります。

松江市の給与水準を、数字で確認する

総務省の調査によると、松江市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。

項目松江市
ラスパイレス指数98.1
平均年齢43.1歳
平均給料月額318,100円
諸手当月額75,559円
平均給与月額393,659円
平均給与月額(国ベース)342,087円
地域手当(国の指定基準)0%
地域手当(実際の支給割合)0%

鳥取市と並べる(地域手当は同率0%)

項目松江市鳥取市差
ラスパイレス指数98.196.81.3ポイント
平均年齢43.1歳43.2歳0.1歳
平均給料月額318,100円319,800円1,700円
諸手当月額75,559円68,145円7,414円
平均給与月額393,659円387,945円5,714円
平均給与月額(国ベース)342,087円350,042円7,955円
地域手当0%0%同率

指数では松江市が1.3ポイント上回ります。

ところが補正前の給料月額では、鳥取市が1,700円上回ります。平均年齢は0.1歳差なので、年齢では説明できません。指数は年齢と学歴の構成を補正した数字なので、補正の前と後で順序が変わります。

総額では松江市が5,714円上回ります。諸手当が7,414円厚いためです。

そして国ベースでは、鳥取市が7,955円上回ります。

同じ2市が、3通りに並ぶ

地域手当は同率、年齢は0.1歳差。条件はほとんど揃っています。それでも、どの数字で見るかで並びが変わります。

中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は島根県職員の転職に、条件がほぼ一致する市は鳥取市職員の転職に整理しています。

中核市の職員は、保健所を持つ立場にある

地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。

とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。

「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。

市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか

市役所での仕事求人票での言い方
予算の要求・査定、財政計画予実管理、投資判断、経営企画
情報システムの調達と運用管理情報システム、ベンダー管理
業務の手順を見直して仕組みに落とす業務設計、業務改革
ソフトウェア産業の振興と人材育成採用企画、産学連携、事業開発
都市計画、区画整理、駅周辺の整備用地開発、開発企画、都市開発
食品衛生・医療の許認可と監視品質保証、薬事管理、規制対応
企業誘致・産業用地の整備事業開発、用地開発、アライアンス
上下水道など公営企業インフラ運営、事業運営
市有施設の設計・積算・監督発注者支援、施工管理
窓口・住民対応の業務設計カスタマーサポート、業務設計
内部管理(人事・財政・総務・会計)コーポレート、管理部門
議会対応、条例・規則の改正渉外、法務、規程整備

部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。

「作る」より「良好な状態を維持する」ほうが長い実務

松江市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。

情報処理の促進に関する法律第1条は、この法律が、プログラムの開発を促進し、プログラムの流通を円滑にし、情報処理システムの良好な状態を維持するとともにその性能の向上を図ることでその高度利用を促進し、及び情報処理サービス業等の育成のための措置を講ずること等によって、情報処理システムが戦略的に利用され、及び多様なデータが活用される高度な情報化社会の実現を図るものだとしています。

注目してほしいのは「良好な状態を維持する」という言葉です。

開発を促進することと並んで、維持することが目的に書かれています。

そして実務では、維持のほうが、はるかに長い。

「作った人がいなくなったあと、動かし続けられるか」という問題です。

そして行政のシステムは、やめられません。住民記録も、税も、福祉も、止まれば業務が止まります。作り替えるにも、動かしたまま移す必要があります。

企業でも、まったく同じ状況になっています。

基幹システム、社内の業務システム、長年使っている管理台帳。作った当時の担当者はいません。仕様書は古く、実際の動きとずれています。「触ると何が起きるか分からない」まま、毎年使われ続けています。

そして多くの企業で、ここを引き受ける人がいません。情報システム部門は日々の運用に追われます。事業部門は新しい機能を求めます。ところが「いまこれがどう動いていて、なぜそうなっているか」を調べ直して記録に残す役割が、誰にも割り当てられていません。だから更新のたびに、一から調べ直すことになります。

求人票では、情報システム、業務設計、ベンダー管理、業務改革、PMOといった名前で書かれています。

書くときのこつは、システムの名前を出さないことです。仕様のどこが分からなくなっていたか、どうやって調べ直したか、記録に何を残すと決めたか、そして動かしたまま切り替えるために何を用意したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。

行政が相手の求人を見てみる

松江で、どの経験が値になるか

1. 作った人がいないシステムを引き継いだ経験

仕様書と実際の動きがずれている。そこを調べ直して記録に残した経験は、企業の情報システム部門でそのまま必要とされます。

2. 止められない業務を、動かしたまま切り替えた経験

行政のシステムは、やめられません。この条件での移行は、企業の基幹システム更新とまったく同じです。

3. 発注者としてベンダーを管理した経験

仕様を書き、選び、受け入れ、運用を監督する。発注者側の経験は、そのまま職種になります。

4. ソフトウェア産業の振興に関わった経験

人材の育成と企業の誘致を同時に扱った経験は、採用と産学連携の職務で効きます。

5. 医療・保健の許認可と監視

食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。

県内・県外の求人を見るときに

松江市は山陰の中心にあり、島根県内や山陰地域を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。

判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。とくに情報システムの職種は、リモート可の求人が多い分野です。

まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。

自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。

職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか

制度名ではなく、判断したことを書く

「○○システムの担当」では読み手に何も残りません。仕様のどこが分からなくなっていて、どうやって調べ直し、何を記録に残したか。

うまくいかなかった移行を書く

止められない業務の切り替えで、何も起きなかったことはまずありません。何が起きて、どう戻したかを書けると、実際に動かしたことが伝わります。

規模を必ず書く

市の人口、対象となる業務の件数、システムの規模、契約額、期間。数字を添えないと規模が伝わりません。

技術職の場合は、探し方が変わる

発注者側の経験そのものが職種になる

「発注者支援」という職種は、建設だけでなく情報システムの分野にも広がっています。要件の整理、仕様の作成、提案の評価、受け入れの検査。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人があります。

資格が入口で効く

技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、情報処理技術者の各試験、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。

制度が変わる前提のシステムを扱った経験は、希少になる

税率が変わる、区分が増える、様式が変わる。仕様が外から強制的に変えられるという条件での設計と改修は、経験者が多くありません。同じ条件を持つ業界から直接求められます。

面接で必ず詰められる2つのこと

「意思決定のスピードに耐えられるか」

行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。

「数字への意識があるか」

「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。システムの調達に関わったなら、契約額、運用にかかる年間の費用、更新にかかった額、削減できた工数で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。

在職中に進めるときの注意点

顔が知られている前提で動く

市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。

服務上の扱いを先に確かめる

在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。

面接の日程は、議会日程から逆算する

地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。

在職中に決める

公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

よくある質問

鳥取市と条件がほぼ同じなのに、順序が入れ替わるのはなぜですか

見ている範囲が違うからです。指数では松江市が1.3ポイント上、総額でも松江市が5,714円上、国ベースでは鳥取市が7,955円上。さらに補正前の給料月額では鳥取市が1,700円上回ります。地域手当は同率0%、平均年齢は0.1歳差なので、条件では説明できません。条件を揃えるほど、どの数字で見るかだけが結果を決めるようになります。

諸手当が薄いことは、不利になりますか

比較の基準としては、むしろ使いやすいほうです。松江市の諸手当は総額の19.2%で、中核市のなかでは薄いほう。去年の源泉徴収票の支払金額が翌年もほぼそのままという読み方がしやすく、求人票の想定年収と並べて比べられます。2年ぶんでも並べれば、ぶれ幅は自分で確認できます。

システムを自分で作ったわけではないので、技術者としては書けません

求人側が探しているのは、作れる人だけではありません。「いまこれがどう動いていて、なぜそうなっているか」を調べ直して記録に残せる人が、企業でいちばん足りていません。作った当時の担当者はもういないのに、仕様書は古く、実際の動きとずれたまま毎年使われ続けています。仕様のどこが分からなくなっていたか、どう調べ直したか、何を記録に残したか、動かしたまま切り替えるために何を用意したかを書いてください。

出典

  1. 令和6年 給与・定員等の調査結果等(ラスパイレス指数及び平均年齢・平均給与月額等・市区町村)|総務省
  2. 情報処理の促進に関する法律 第1条(目的)|e-Gov法令検索
  3. 地方自治法 第252条の22(中核市の権能)/第211条(予算の調製及び議決)/第233条(決算)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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