自治体別 / 中核市
松山市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
松山市の地域手当は0%です。同じ四国の高松市は6%。
それでも総額では、松山市が5,247円上回ります。411,051円と405,804円。
そして国ベースに直すと、351,784円。総額との差は59,267円で、3市のなかで最も大きくなります。
松山市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、松山市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 松山市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.5 |
| 平均年齢 | 43.8歳 |
| 平均給料月額 | 326,700円 |
| 諸手当月額 | 84,351円 |
| 平均給与月額 | 411,051円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 351,784円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
高松市と並べる
| 項目 | 松山市 | 高松市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.5 | 100.2 | 1.7ポイント |
| 平均年齢 | 43.8歳 | 41.9歳 | 1.9歳 |
| 平均給料月額 | 326,700円 | 319,900円 | 6,800円 |
| 諸手当月額 | 84,351円 | 85,904円 | 1,553円 |
| 平均給与月額 | 411,051円 | 405,804円 | 5,247円 |
| 地域手当 | 0% | 6% | 6ポイント |
高松市の諸手当85,904円には、地域手当およそ19,194円が含まれています。松山市の84,351円には、0円しか含まれていません。
それでも差は1,553円。つまり地域手当を除いた部分では、松山市がおよそ17,600円厚いことになります。
総額と国ベースの差
| 市 | 平均給与月額 | 国ベース | 差 |
|---|---|---|---|
| 松山市 | 411,051円 | 351,784円 | 59,267円 |
| 高松市 | 405,804円 | 365,039円 | 40,765円 |
| 下関市 | 402,809円 | 366,566円 | 36,243円 |
松山市だけ、差が突出しています。
国ベースの数字は、国の基準に合わせて算定し直したものです。総額では3市で最も高い松山市が、国ベースでは最も低くなります。
同じ3市が、見る数字で逆に並ぶ。ここまで何度も出てきた形です。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は愛媛県職員の転職に、比較した市は高松市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 文化・芸術の団体や活動の支援 | コミュニティ運営、パートナー管理 |
| 発表の場と機会の設計 | イベント企画、コンテンツ企画 |
| 観光の受入と回遊の設計 | 観光事業企画、集客企画 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 企業誘致・産業用地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「やっている人がいなければ、何も起きない」実務
松山市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
文化芸術基本法第1条は、この法律が、文化芸術に関する施策の基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、文化芸術活動を行う者(団体を含む)の自主的な活動の促進を旨として、施策の総合的かつ計画的な推進を図るものだとしています。
注目してほしいのは「自主的な活動の促進を旨として」という一文です。
行政が文化を作るのではありません。やっている人がいて、その人たちの活動を支える。それが法律の立て付けです。
だから実務は、他の分野とはっきり違います。
- 予算を付けても、やる人がいなければ何も起きない
- 施設を建てても、使う人がいなければ埋まらない
- 支援を手厚くすると、支援がないと続かなくなる
- 手を引くと、そこで止まってしまうものがある
- そして担い手は、たいてい高齢化しています
「相手の自主性に頼りながら、自主性が消えないように支える」という仕事です。
支えすぎても、支えなさすぎても、続きません。
企業でも、同じ構造の場面があります。
社内の勉強会、改善活動、コミュニティ、利用者の集まり。上から制度にすると、やらされ仕事になって続きません。放っておくと、熱心な人が抜けた時点で消えます。
そして多くの企業で、ここを設計できる人がいません。人事は制度を作ります。現場は日々の業務を優先します。ところが「どこまで支え、どこから手を引くか」を決めた人がいません。だから、立ち上げては消えるのを繰り返します。
求人票では、コミュニティ運営、カスタマーサクセス、組織開発、パートナー管理、イベント企画といった名前で書かれています。
書くときのこつは、団体や事業の名前を出さないことです。どこまで支え、どこから手を引くと決めたか、その線をどう説明したか、手を引いたあと続いたものと続かなかったものは何か、そして続かなかったほうの理由は何か。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
松山で、どの経験が値になるか
1. 「どこまで支え、どこから手を引くか」を決めた経験
支えすぎても、支えなさすぎても続きません。この線を引いた経験は、企業のコミュニティ運営でそのまま必要とされます。
2. 手を引いたあとを見た経験
続いたものと、続かなかったもの。その違いを説明できる人は多くありません。
3. 担い手の高齢化を前提に設計した経験
いまの人がいなくなったあと、誰がやるのか。この問いを先に立てた経験は、承継の実務で直接効きます。
4. 観光と生活を両立させた経験
来る人と住んでいる人。両方の負担を見た経験は、施設運営と地域事業で効きます。
5. 医療・保健の許認可と監視
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
松山市は四国最大の都市で、愛媛県内や四国西部を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。移動に時間がかかる地域ほど、リモート可の求人は選択肢として大きくなります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○支援事業を担当」では読み手に何も残りません。どこまで支え、どこから手を引くと決め、その線をどう説明したか。
続かなかったものを書く
手を引けば、止まるものがあります。続かなかったほうの理由を書けると、見る目があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、支援した団体の数、参加者数、事業費。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
古い建物を使いながら直す工事は、扱える人が限られる
営業を止めない、外観を変えない、既存の構造を残す。使われている状態のまま直すという条件の工程管理は、経験者が多くありません。改修を専門にする企業から直接求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。支援の事業に関わったなら、支援した団体の数、参加者数、継続した割合、費用と効果の関係で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 松山市の一般行政職はラスパイレス指数98.5、平均給与月額411,051円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 地域手当0%でありながら、6%の高松市を総額で5,247円上回ります
- 諸手当の差は1,553円。地域手当を除いた部分では、およそ17,600円厚い計算です
- 総額と国ベースの差59,267円は、高松市40,765円・下関市36,243円より大きい
- 総額の順序と国ベースの順序は、3市で完全に逆になります
- 「どこまで支え、どこから手を引くか」を決めた経験は、企業のコミュニティ運営で必要とされます(文化芸術基本法1条)
よくある質問
地域手当が0%なのに、6%の高松市を総額で上回るのはなぜですか
地域手当以外の手当の差です。高松市の諸手当85,904円には地域手当およそ19,194円が含まれ、松山市の84,351円には0円しか含まれていません。それでも差は1,553円なので、地域手当を除いた部分では松山市がおよそ17,600円厚いことになります。地域手当は、総額を決める要素の1つでしかありません。
総額と国ベースの差が大きいのは、どういう意味ですか
見ている範囲が違うということです。松山市は総額411,051円に対し国ベース351,784円で59,267円の差。高松市40,765円、下関市36,243円と比べて大きくなっています。総額では3市で最も高い松山市が、国ベースでは最も低くなります。どの数字で並べるかで順序が変わるので、自分の実額は源泉徴収票で確かめてください。
支援の仕事で、自分が何かを作ったわけではありません
この分野では、作らないことが仕事です。文化芸術基本法は「自主的な活動の促進を旨として」と書いていて、やっている人がいなければ何も起きない前提に立っています。支えすぎると支援なしでは続かなくなり、手を引くと止まるものがある。その線を引いた経験、線の説明のしかた、手を引いたあと続いたものと続かなかったものを書いてください。