自治体別 / 市
沖縄市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
沖縄市が属する類似団体類型区分には、地域手当0%の団体が16あります。
そして、その下位4つを沖縄県の4市が占めています。
沖縄市、うるま市、宜野湾市、浦添市。指数も、地域手当以外も、ほとんど同じ値で並びます。
沖縄市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、沖縄市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 沖縄市 | 59団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 95.8 | 55番目 |
| 平均年齢 | 41.9歳 | 33番目 |
| 平均給料月額 | 308,900円 | 46番目 |
| 諸手当月額 | 53,771円 | 59番目(最下位) |
| 平均給与月額 | 362,671円 | 56番目 |
| 地域手当以外 | 53,771円 | 51番目 |
平均給与月額(国ベース)は337,864円。地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも0%です。
地域手当が0%なので、諸手当53,771円のすべてが人ごとに違う部分です。総額の14.8%になります。
県内の4市が、ほとんど同じ値で並びます
この59団体のうち、地域手当0%の16団体に沖縄県の市は4つ入っています。
| 市 | 指数 | 年齢 | 平均給料月額 | 地域手当以外 | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 沖縄市 | 95.8 | 41.9歳 | 308,900円 | 53,771円 | 362,671円 |
| うるま市 | 95.9 | 41.5歳 | 304,200円 | 57,632円 | 361,832円 |
| 宜野湾市 | 95.3 | 41.1歳 | 303,800円 | 54,762円 | 358,562円 |
| 浦添市 | 95.3 | 40.5歳 | 298,400円 | 54,808円 | 353,208円 |
指数は95.3から95.9。幅は0.6ポイントしかありません。
地域手当以外は53,771円から57,632円。幅は3,861円です。
総額の幅も9,463円。
同じ県の4市が、ここまで近い値で並ぶのは珍しいことです。
これは何を意味するのか
この連載では、同じ区分でも団体によって数字が大きくばらつくことを何度も見てきました。指数が最下位でも総額が真ん中に来る市、給料月額が下から3番目でも総額が上位の市。
ところが県でくくると、揃うことがあります。
給料表の水準(指数)も、給料表の外側(地域手当以外)も、県内で近い値に落ち着いている。
団体ごとに条例で決めているはずのものが、結果として横並びになっています。
「同じ区分のなかで何番目か」よりも、「同じ県のなかでどうか」のほうが、実感に近いことがあります。
県内の数字は沖縄県職員の転職に、同じ県の市は那覇市職員の転職に、同じ区分の市は武蔵野市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
沖縄市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 就労支援、労働相談 | キャリア支援、人材紹介、人事企画 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 文化・音楽・スポーツの振興 | イベント企画、施設運営、販促 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「最低の基準であって、目標ではない」実務
沖縄市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
労働基準法第1条は、労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならないと定めています。
そして続けて、この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならないと書いています。
「最低のものである」と、法律が自分で言っています。
そして「この基準を理由として労働条件を低下させてはならない」。
わざわざ書いてあるということは、そうする人がいたということです。
「法律ではここまででいいことになっている」と言って、いまの条件を下げる。
その言い方を、あらかじめ封じてあります。
実務は、次のような形になります。
- 基準は、下限を示している
- 下限は、目標ではない
- ところが、下限は測りやすい
- 測りやすいものは、いつのまにか目標になる
- そして「基準は満たしています」で話が終わります
企業でも、まったく同じことが起きています。
法定の休憩時間、有給の取得率、安全衛生の基準、情報の取扱いのルール、下請けとの取引条件。どれも「守っているか」で管理されます。
そして多くの企業で、こうなります。守っているかどうかだけが確認されます。
守っていれば、それ以上は誰も見ません。
基準ぎりぎりで運用している部署と、余裕をもって運用している部署が、同じ「適合」として並びます。
そして、基準ぎりぎりの部署で何か起きたとき、「基準は守っていた」という説明が出てきます。
嘘ではありません。ただ、それは何も説明していません。
下限を満たしているかではなく、どこを目指しているかを言える人が、組織にほとんどいません。
求人票では、人事企画、労務、コンプライアンス、安全衛生、内部統制といった名前で書かれています。
書くときのこつは、基準を守ったと書かないことです。下限と実態のあいだにどれだけ幅があると見たか、その幅をどう測ったか、どこを目指すと決めたか、そして基準ぎりぎりの運用をどう引き上げたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
沖縄で、どの経験が値になるか
1. 下限と実態の幅を測った経験
「守っている」の内側を見た。これができる人は、企業にほとんどいません。
2. 目指す水準を決めた経験
下限ではなく、目標のほうを言葉にした経験は強く読まれます。
3. ぎりぎりの運用を引き上げた経験
問題が起きていない状態から改善した話は、めったにありません。
4. 現場の言い分を聞いたうえで決めた経験
基準を上げると、現場の負担が増えます。そこを詰めた経験が値になります。
県内・県外の求人を見るときに
沖縄市は沖縄本島の中部にあり、那覇市とは距離があります。県内全域を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。県外の企業でも、リモート中心の職種なら選択肢に入ります。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「就労支援を担当」では読み手に何も残りません。下限と実態の幅をどう測り、どこを目指すと決めたか。
上げられなかった話を書く
基準を上げようとして通らないことがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、相談の件数、対象の事業者数、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
塩害と台風を相手にしてきた技術者は、扱える人が限られる
鉄筋の腐食、外壁の劣化、強風時の設計、断水への備え。傷みの早い環境で構造物を管理してきた経験は、建設コンサルタントや設備関連の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。就労支援や産業に関わったなら、相談の件数、対象の事業者数、就労につながった件数、予算の規模で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 沖縄市の一般行政職はラスパイレス指数95.8、平均給与月額362,671円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 同じ区分の地域手当0%の16団体のうち、下位4つを沖縄県の4市が占めます
- 4市の指数の幅は0.6ポイント、地域手当以外の幅は3,861円、総額の幅は9,463円
- 条例で個別に決まっているはずのものが、県のなかでは横並びになっています
- 4市のなかで沖縄市は給料月額も総額も最も高く、地域手当以外は最も薄い
- 地域手当0%なので、諸手当53,771円(総額の14.8%)のすべてが人ごとに違う部分
よくある質問
県内の4市がここまで近い値なのはなぜですか
調査の表からは理由までは読めません。読めるのは、指数の幅が0.6ポイント、地域手当以外の幅が3,861円という事実だけです。同じ区分の内側では総額が10万円以上開くことも珍しくないので、これは近いほうです。
59団体で56番目という数字は、どう受け取ればいいですか
地域手当のある団体と混ざった順位です。地域も条件も違う団体が並んでいるので、あまり役に立ちません。条件の近い県内の4市で比べたほうが、差の意味がはっきりします。
諸手当53,771円のうち、自分に関係するのはどこですか
全部です。地域手当が0%なので、時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。この部分は人によっていちばん大きく開くので、団体の平均が薄くてもあなたの額が薄いとは限りません。