自治体別 / 施行時特例市
大和市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
大和市のラスパイレス指数95.9は、施行時特例市23市のなかで最も低い数字です。
同じ神奈川県の平塚市は99.8。3.9ポイントの差があります。
ところが平均年齢は42.7歳と42.3歳で、0.4歳しか違いません。それでも給料月額は21,900円離れます。
大和市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、大和市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 大和市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 95.9(施行時特例市23市で最も低い) |
| 平均年齢 | 42.7歳 |
| 平均給料月額 | 312,000円 |
| 諸手当月額 | 98,799円 |
| 平均給与月額 | 410,799円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 367,066円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 10% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 10% |
平塚市と並べる(地域手当は同率10%)
| 項目 | 大和市 | 平塚市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 95.9 | 99.8 | 3.9ポイント |
| 平均年齢 | 42.7歳 | 42.3歳 | 0.4歳 |
| 平均給料月額 | 312,000円 | 333,900円 | 21,900円 |
| 諸手当月額 | 98,799円 | 117,938円 | 19,139円 |
| 平均給与月額 | 410,799円 | 451,838円 | 41,039円 |
| 地域手当 | 10% | 10% | 同率 |
年齢は0.4歳しか違いません。それでも給料月額は21,900円、大和市の給料月額の約7.0%の差があります。
指数の差3.9ポイントに対しても、年齢の差0.4歳に対しても、大きい幅です。
ラスパイレス指数は年齢と学歴の構成を国に合わせて補正した数字なので、年齢が揃っていても、学歴の構成が違えば差が出ます。残りは、外からは読み取れない部分です。
地域手当を引いて比べる
| 項目 | 大和市 | 平塚市 |
|---|---|---|
| 諸手当月額 | 98,799円 | 117,938円 |
| うち地域手当(概算) | 約31,200円 | 約33,390円 |
| 地域手当以外 | 約67,599円 | 約84,548円 |
| 総額に占める割合 | 16.5% | 18.7% |
地域手当を引いても、16,949円の差が残ります。
県内の数字は神奈川県職員の転職に、地域手当が同率の市は平塚市職員の転職と小田原市職員の転職に整理しています。
施行時特例市とは、どういう市か
特例市という制度は、2015年(平成27年)4月1日に廃止されました。
そのときに特例市だった市が、「施行時特例市」として、それまでと同じ事務を引き続き処理しています。大和市もその1つです。
中核市との違いは、はっきりしています。中核市は保健所を設置しますが、施行時特例市は設置しません。食品衛生や感染症対策は、都道府県の仕事として残ります。
一方で、施行時特例市が処理している事務も小さくありません。
- 都市計画法の開発許可
- 建築基準法の特定行政庁としての事務
- 騒音、振動、悪臭の規制
- 屋外広告物の規制
「建てる」「造る」「出す」に関わる許認可が中心です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 図書館・公共施設の運営と利用設計 | 施設運営、CS企画、業務設計 |
| 相談・照会への対応 | カスタマーサポート、CS企画 |
| 指定管理者の選定・監督 | ベンダー管理、調達、委託管理 |
| 開発許可、建築確認の審査 | 規制対応、用地開発、品質保証 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 騒音・振動・悪臭の規制 | 環境管理、規制対応 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「欲しいものを言えない人に、応じる」実務
大和市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
図書館法第1条は、この法律が、社会教育法の精神に基き、図書館の設置及び運営に関して必要な事項を定め、その健全な発達を図り、もって国民の教育と文化の発展に寄与することを目的とすると定めています。
図書館には、他の公共施設にない特徴があります。
来る人が、何を求めているかを言えないことが多い。
本の題名が分かっていれば、探すのは簡単です。ところが実際に持ち込まれるのは、こういう相談です。
- 昔読んだ本だが、題名が思い出せない
- こういうことを調べたいが、何を読めばいいか分からない
- 家族の手続きで困っているが、どこに聞けばいいか分からない
- 子どもに読ませたいが、何が合うか分からない
- そして、聞きに来た理由そのものは言いたくない
「欲しいものを言葉にできない相手から、必要なものを引き出す」という仕事です。
そして何を借りたかを、外に出さない。これも図書館の実務の前提です。
企業でも、まったく同じ場面があります。
問い合わせ窓口、営業の初回訪問、社内の相談窓口。相手は「困っている」としか言えません。そして本当の理由は、最後まで言わないこともあります。
そして多くの企業で、ここが対応の質に任されています。マニュアルは、質問と回答の対応表です。ところが「言葉にできていない要望を、どう引き出すか」を手順にした人がいません。だから、聞き方がうまい人だけが成果を出し、それが共有されません。
求人票では、カスタマーサポート、CS企画、業務設計、インサイドセールス、組織開発といった名前で書かれています。
書くときのこつは、施設や制度の名前を出さないことです。言葉になっていない要望を、どういう順序で聞き出したか、その聞き方をどう手順に落としたか、手順にできなかった部分はどこか、そして共有したあと他の人も同じ結果を出せたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
大和で、どの経験が値になるか
1. 言葉にできていない要望を引き出した経験
「困っている」としか言えない相手から、必要なものを特定する。この手順を作った経験は、企業のサポート部門でほとんど共有されていません。
2. 聞き方を手順に落とした経験
うまい人の勘を、他の人が使える形にする。これができる人は多くありません。
3. 聞かないと決めた部分がある経験
理由を聞かずに応じる。線を引いた経験は、個人情報を扱う職務で直接効きます。
4. 施設の運営と指定管理者の監督
仕様を書き、選び、監督し、更新の可否を決める。これは企業のベンダー管理そのものです。
5. 開発許可と建築確認の実務
審査する側にいた経験は、そのまま職種になります。
県内・県外の求人を見るときに
大和市は東京への通勤圏にあり、都内の求人が日常的な選択肢に入ります。神奈川県央を担当エリアとする求人も多くあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○館の運営を担当」では読み手に何も残りません。言葉になっていない要望を、どういう順序で聞き出したか。
個別の事情は書かない
来た人の事情は、書けません。書くのは、聞き方の手順のほうです。この1点で、十分に実務が伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、利用者数、相談の件数、蔵書や施設の規模。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、司書、建築基準適合判定資格者。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
不特定多数が長時間いる建物の設計は、扱える人が限られる
動線、避難、照明、空調、書架の荷重。滞在時間が長い施設の設計審査と維持管理は、経験者が多くありません。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。施設の運営に関わったなら、利用者数、稼働率、相談の件数、運営にかかる費用で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 大和市の一般行政職はラスパイレス指数95.9、平均給与月額410,799円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数95.9は施行時特例市23市で最も低い数字です
- 平塚市とは年齢が0.4歳差なのに、給料月額が21,900円(約7.0%)離れます
- 指数の差にも年齢の差にも対して大きい幅で、残りは外からは読み取れません
- 地域手当を引いても16,949円の差が残ります
- 言葉にできていない要望を引き出す手順を作った経験は、企業で共有されていません(図書館法1条)
よくある質問
指数が施行時特例市で最も低いことは、転職で不利になりますか
団体の指数は、求人票の想定年収とは関係しません。見られるのは自分の実額です。そしていま受け取っている額が低いということは、求人票の想定年収と比べたときに上がる幅が出やすいということでもあります。団体の平均ではなく、複数年ぶんの源泉徴収票の支払金額で比べてください。
年齢が0.4歳差なのに、給料月額が21,900円違うのはなぜですか
年齢だけでは説明できません。ラスパイレス指数は年齢と学歴の構成を補正した数字なので、年齢が揃っていても学歴の構成が違えば差が出ます。指数の差3.9ポイントに対しても、給料月額の約7.0%という幅は大きく、残りは外からは読み取れない部分です。
窓口や相談の仕事は、誰にでもできると思われます
分解すると、そうではありません。来る人は「困っている」としか言えず、本当の理由は最後まで言わないこともあります。企業でも問い合わせ窓口や営業の初回訪問で同じ場面があり、「言葉にできていない要望をどう引き出すか」を手順にした人がいません。聞き出す順序、手順への落とし方、手順にできなかった部分、共有後に他の人も同じ結果を出せたかを書いてください。