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藤沢市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
藤沢市の平均給料月額319,300円は、類似団体類型区分が同じ町田市・津市のなかで最も低い数字です。
ところが地域手当を引いた残りの手当は、3市で最も厚くなります。
地域手当も、国の指定基準13%に対して実際の支給割合は12%。基準より1ポイント低く支給しています。この回で、その中身を開きます。
藤沢市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、藤沢市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 藤沢市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.8 |
| 平均年齢 | 41.7歳 |
| 平均給料月額 | 319,300円 |
| 諸手当月額 | 125,855円 |
| 平均給与月額 | 445,155円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 409,598円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 13% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 12% |
諸手当は総額の28.3%を占めます。
類似団体類型区分が同じ3市を並べる
総務省の同じ調査には、人口と産業構造をもとにした「類似団体類型区分」が団体ごとに載っています。藤沢市の区分はⅣ-3。この区分が同じ市を、今回あわせて扱います。
| 市 | 都道府県 | ラスパイレス指数 | 平均年齢 | 平均給料月額 | 地域手当(基準/実支給) | 諸手当月額 | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 町田市 | 東京都 | 98.3 | 42.9歳 | 327,300円 | 16%/16% | 120,316円 | 447,616円 |
| 藤沢市 | 神奈川県 | 100.8 | 41.7歳 | 319,300円 | 13%/12% | 125,855円 | 445,155円 |
| 津市 | 三重県 | 98.9 | 42.9歳 | 325,800円 | 6%/6% | 102,647円 | 428,447円 |
藤沢市は、給料月額では3市で最も低く、諸手当では3市で最も厚い。
総額では町田市に2,461円届きません。
地域手当を引くと、並びが変わります
地域手当は給料月額×実際の支給割合で概算できます。
| 市 | 諸手当月額 | 地域手当(概算) | 地域手当以外(概算) |
|---|---|---|---|
| 藤沢市 | 125,855円 | 38,316円 | 87,539円 |
| 津市 | 102,647円 | 19,548円 | 83,099円 |
| 町田市 | 120,316円 | 52,368円 | 67,948円 |
諸手当では町田市が津市を17,669円上回っていますが、地域手当を引くと津市が15,151円上回ります。
藤沢市は、諸手当でも、地域手当を引いた残りでも、3市で最も厚い数字です。総額に占める割合でいうと19.7%。
県内の数字は神奈川県職員の転職に、同じ区分の市は町田市職員の転職と津市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
藤沢市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 海岸・水辺の利用調整 | 施設運営、用地開発、渉外 |
| 観光の誘客と受入環境の整備 | 販促企画、店舗開発 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 環境保全、廃棄物・排水の管理 | 環境管理、規制対応 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「使いたい人」と「守りたい人」が同じ場所を取り合う実務
藤沢市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
海洋基本法第1条は、この法律が、海洋の平和的かつ積極的な開発及び利用と海洋環境の保全との調和を図る新たな海洋立国を実現することが重要であることにかんがみ、海洋に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにし、基本的な計画の策定その他の基本となる事項を定めることなどを目的とすると定めています。
注目してほしいのは「開発及び利用と海洋環境の保全との調和」という書き方です。
どちらか一方を選べ、とは書いていません。
そして第9条は、地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、実施する責務を有すると定めています。
「調和を図る」という言葉は、条文のなかでは一行です。ところが実務では、同じ場所を、まったく違う目的で使いたい人たちが取り合います。
観光で人を呼びたい側。漁業で使っている側。環境を守りたい側。防災の設備を置きたい側。誰も間違ったことは言っていません。
実務は、次のような形になります。
- 誰が、いつ、どの範囲を使っているかを整理する
- 同時には成り立たない要求を、並べて見えるようにする
- 時間で分けるか、場所で分けるか、量で分けるかを決める
- 決めたあと、守られているかを見に行く
- そして、次の年には条件が変わっています
「両立しないものを、両立しているように運用し続ける」仕事です。
企業でも、同じ構造の場面が増えています。
同じ設備を複数のラインが使う、同じ人員を複数の案件が取り合う、同じ顧客データを営業と管理部門が別の目的で使う。「調整します」と言うのは簡単です。ところが同時には成り立たないものを、どういう順番と条件で分けるかを決めた人がいません。
そして多くの企業で、こうなります。会議で「バランスを取る」と決まり、具体的な配分は現場の力関係で毎回決まります。記録が残らないので、翌年また同じ議論が起きます。
求人票では、施設運営、生産管理、渉外、リソース管理、プロジェクト推進といった名前で書かれています。
書くときのこつは、個別の事業者や団体の名前を書かないことです。両立しない要求をどう並べて見せたか、どの軸(時間・場所・量)で分けると決めたか、その理由をどう説明したか、そして条件が変わったとき配分をどう見直したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
藤沢で、どの経験が値になるか
1. 両立しない要求を並べて見せた経験
「どちらも正しい」を、同じ表に載せる。この整理ができる人は、企業にほとんどいません。
2. 分ける軸を決めた経験
時間か、場所か、量か。軸を決めた経験が値になります。
3. 決めたあとに見に行った経験
配分は、決めただけでは守られません。確かめる方法まで作った経験が強く読まれます。
4. 季節で量が変わる現場を回した経験
繁忙期の集中を前提に体制を組む。需給計画の実務と同じ構造です。
県内・県外の求人を見るときに
藤沢市は神奈川県南部にあり、横浜・川崎・都内を担当エリアとする求人が、通勤の範囲に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「利用調整を担当」では読み手に何も残りません。どの軸で分けると決め、その理由をどう説明したか。
守られなかった場面を書く
決めた配分は破られます。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象となる区域や施設の数、関係した団体の数、繁忙期の利用者数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
海に面した条件の設計は、扱える人が限られる
高潮、越波、塩害、砂の移動。海岸線を前提に設計と点検を組んだ経験は、同じ条件の地域を持つ企業から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。調整や許認可に関わったなら、関係した団体の数、対象施設の数、利用者数の変化、予算の執行率で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 藤沢市の一般行政職はラスパイレス指数100.8、平均給与月額445,155円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 地域手当は国の指定基準13%に対し、実際の支給割合が12%。基準より1ポイント低く支給しています
- 類似団体類型区分が同じ町田市・津市と並べると、藤沢市は給料月額で最も低く、諸手当で最も厚い
- 地域手当を引いた残りは87,539円で、3市のなかで最も厚い数字です(総額の19.7%)
- 規模と産業構造を揃えても、3市の総額の幅は19,169円、地域手当を引いた手当の幅は19,591円残ります
- 「両立しないものを、両立しているように運用し続ける」経験は、企業でほとんど誰も整理していません(海洋基本法1条・9条)
よくある質問
類似団体類型区分とは何ですか
総務省の同じ調査に載っている、人口と産業構造をもとにした団体の区分です。藤沢市はⅣ-3で、町田市と津市も同じ区分です。都道府県が違っても、規模と産業の形が近い団体どうしを並べられます。ただし並べてみると、総額の幅は19,169円あります。
地域手当が国の基準より低いのは、不利ですか
団体が条例で支給率を決めるので、基準を下回る団体も上回る団体もあります。藤沢市は基準13%に対して実支給12%。基準どおりなら給料月額319,300円の13%でおよそ41,509円ですが、実際は12%でおよそ38,316円です。それでも総額445,155円は3市で2番目で、地域手当を引いた残りの手当は3市で最も厚くなります。
諸手当28.3%のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当12%ぶんのおよそ38,316円を除いた、87,539円の部分です。総額に占める割合でいうと19.7%。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で人ごとに違います。3市でいちばん大きい数字なので、団体の平均と自分の額はずれやすくなります。