自治体別 / 市
津市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
津市の地域手当は6%。類似団体類型区分が同じ町田市は16%です。
総額では、町田市が19,169円上回ります。
ところが地域手当を引いた残りの手当では、津市が15,151円上回ります。この回で、その中身を開きます。
津市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、津市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 津市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.9 |
| 平均年齢 | 42.9歳 |
| 平均給料月額 | 325,800円 |
| 諸手当月額 | 102,647円 |
| 平均給与月額 | 428,447円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 387,391円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 6% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
諸手当は総額の24.0%を占めます。
類似団体類型区分が同じ3市を並べる
総務省の同じ調査には、人口と産業構造をもとにした「類似団体類型区分」が団体ごとに載っています。津市の区分はⅣ-3で、町田市(東京都)と藤沢市(神奈川県)も同じ区分です。
| 市 | ラスパイレス指数 | 平均年齢 | 平均給料月額 | 地域手当(実支給) | 諸手当月額 | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 町田市 | 98.3 | 42.9歳 | 327,300円 | 16% | 120,316円 | 447,616円 |
| 藤沢市 | 100.8 | 41.7歳 | 319,300円 | 12% | 125,855円 | 445,155円 |
| 津市 | 98.9 | 42.9歳 | 325,800円 | 6% | 102,647円 | 428,447円 |
津市の総額は3市で最も低く、地域手当も3市で最も低い数字です。
地域手当を引くと、順位が上がります
| 市 | 諸手当月額 | 地域手当(概算) | 地域手当以外(概算) | 総額に占める割合 |
|---|---|---|---|---|
| 藤沢市 | 125,855円 | 38,316円 | 87,539円 | 19.7% |
| 津市 | 102,647円 | 19,548円 | 83,099円 | 19.4% |
| 町田市 | 120,316円 | 52,368円 | 67,948円 | 15.2% |
諸手当では町田市が津市を17,669円上回っていますが、地域手当を引くと津市が15,151円上回ります。
3市のなかで津市は、諸手当では最も薄く、地域手当以外では2番目に厚い。
町田市との19,169円を分解する
町田市とは平均年齢が42.9歳で完全に一致し、類似団体類型区分も同じです。
| 内訳 | 金額 | 向き |
|---|---|---|
| 給料月額の差 | 1,500円 | 町田市が多い |
| 地域手当の差(概算) | 32,820円 | 町田市が多い |
| 地域手当以外の手当の差(概算) | 15,151円 | 津市が多い |
| 差し引き | 19,169円 | 町田市が多い |
地域手当の差32,820円は、総額の差19,169円の1.71倍です。
県内の数字は三重県職員の転職に、同じ区分の市は町田市職員の転職と藤沢市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
津市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 計画の作成、国への申請と認定対応 | 事業計画、補助金申請、渉外 |
| 合併後の制度統一、例規の整理 | 制度統合、規程整備 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 産業の振興、企業の誘致 | 事業開発、法人営業、拠点開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「自分で決めろ、ただし認めてもらえ」という実務
津市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
地域再生法第1条は、この法律が、社会経済情勢の変化に対応して、地方公共団体が行う自主的かつ自立的な取組による地域経済の活性化、雇用機会の創出その他の地域の活力の再生を総合的かつ効果的に推進するため、基本理念、政府による地域再生基本方針の策定、地方公共団体による地域再生計画の作成及びその内閣総理大臣による認定、当該認定を受けた地域再生計画に基づく事業に対する特別の措置などについて定めることを目的とすると定めています。
注目してほしいのは、「自主的かつ自立的な取組」と「内閣総理大臣による認定」が、同じ一文のなかに並んでいることです。
自分で決めろ、と書いてある。そして、認めてもらえ、とも書いてある。
特別の措置が使えるのは、認定を受けた計画に基づく事業だけです。
実務は、次のような形になります。
- その地域で実際に起きていることを、数字で確かめる
- やりたいことを、認定の要件の言葉に翻訳する
- 要件に足りない部分を、別の事業で埋める
- 要件に合わせすぎると、地域の事情から離れる
- 認定を取ったあと、実際に効果が出たかを報告する
「自分たちの事情を、相手の枠に入れて通す」仕事です。
企業でも、同じ構造の場面が増えています。
現場発の改善提案、子会社の独自施策、部門の裁量予算、新規事業の社内提案。「自由にやっていい」と言われます。ところが実際には本社や上位部門の承認が要り、しかも承認の基準は書かれていません。
そして多くの企業で、こうなります。通った提案と通らなかった提案の違いが、提案する側に伝わりません。だから「前に通ったやり方」をなぞる提案ばかりになり、本当にやりたいことは出てこなくなります。
行政の側には、少なくとも公開された要件があります。要件を読み解き、自分の地域の事情をその言葉に翻訳し、足りない部分を別の手で埋める。この作業を日常的にやってきた人は、企業の社内提案でそのまま強い。
求人票では、事業計画、補助金申請、経営企画、渉外、プロジェクト推進といった名前で書かれています。
書くときのこつは、事業名や制度名をそのまま書かないことです。相手の要件をどう読み解いたか、自分たちの事情をどの言葉に翻訳したか、足りない部分をどう埋めたか、そして通ったあと効果が出たかをどう確かめたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
津で、どの経験が値になるか
1. 相手の要件に翻訳した経験
やりたいことを、相手の言葉に置き換える。これは社内提案と資金調達の中身そのものです。
2. 要件に足りない部分を埋めた経験
足りないから諦める、をしなかった経験が値になります。
3. 通したあとの効果を確かめた経験
取って終わりにしなかった経験が、いちばん強く読まれます。
4. 合併後の制度を1つに揃えた経験
条件がまったく違う区域を、同じ制度で扱えるようにする。企業の統合後の作業と、構造が同じです。
県内・県外の求人を見るときに
津市は三重県の県庁所在地で、県内や東海地方を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「地域再生計画を担当」では読み手に何も残りません。相手の要件をどう読み解き、自分たちの事情をどう翻訳したか。
通らなかった場面を書く
すべてが認定されるわけではありません。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、事業費、関係した課や団体の数、効果として出た数字。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
広い市域を1つの計画で扱った経験は、扱える人が限られる
市街地と山間部と海沿いを、同じ基準で扱う。条件の違う区域をまとめて設計した経験は、広域を担当する職務で効きます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。計画や許認可に関わったなら、事業費、関係した団体の数、効果として出た数字、予算の執行率で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 津市の一般行政職はラスパイレス指数98.9、平均給与月額428,447円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 類似団体類型区分が同じ町田市とは、平均年齢が42.9歳で完全に一致します
- 総額では町田市が19,169円上回りますが、地域手当を引いた残りでは津市が15,151円上回ります
- 総額の差19,169円に対し、地域手当の差だけで32,820円。1.71倍です
- 人によって違う部分は83,099円(総額の19.4%)。町田市の15.2%より大きく、団体の平均と個人の額はずれやすくなります
- 「自分たちの事情を、相手の枠に入れて通す」経験は、企業の社内提案でそのまま強く効きます(地域再生法1条)
よくある質問
地域手当6%は、手当が薄いということですか
諸手当の総額では3市でいちばん薄い数字です。ただし地域手当を引くと、16%の町田市を15,151円上回ります。地域手当は給料月額に割合を掛けるだけなので、役職にも時間外の量にもよりません。給料表の外側で人によって違う部分は、津市のほうが厚いという結果です。
総額が3市で最も低いことは、転職で不利ですか
団体の平均は、求人票の想定年収とは関係しません。見られるのは自分の実額です。そしていま受け取っている額が低いということは、求人票の想定年収と比べたときに上がる幅が出やすいということでもあります。まず複数年ぶんの源泉徴収票の支払金額を並べてください。
諸手当24.0%のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当6%ぶんのおよそ19,548円を除いた、83,099円の部分です。総額に占める割合でいうと19.4%。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で人ごとに違います。同じ津市の職員でも、ここで大きく分かれます。