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廿日市市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
廿日市市のラスパイレス指数97.9は、同じ類似団体類型区分の59団体のなかで41番目です。
平均給料月額は19番目まで上がります。
22ランクの上昇です。
そして平均給与月額では、38番目まで落ちます。
廿日市市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、廿日市市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 廿日市市 | 59団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 97.9 | 41番目 |
| 平均年齢 | 43.9歳 | 9番目(高い側) |
| 平均給料月額 | 322,200円 | 19番目 |
| 諸手当月額 | 79,469円 | 38番目 |
| 平均給与月額 | 401,669円 | 38番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 358,590円 | 39番目 |
| 地域手当以外 | 69,803円 | 25番目 |
| 落ち幅 | 43,079円 | 21番目 |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも3%です。給料月額にかけると、概算で9,666円。諸手当79,469円からこれを引くと、残りは69,803円。総額の17.4%になります。
上がって、落ちて、戻らない
1段目。指数41番目から、給料月額19番目へ。22ランク上がります。
押し上げているのは平均年齢43.9歳(59団体で9番目に高い)です。指数は国と同じ年齢構成にそろえて計算するので年齢の違いが消えますが、平均給料月額は実際の在職者で計算するので残ります。
2段目。給料月額19番目から、総額38番目へ。19ランク落ちます。
落としているのは諸手当79,469円(38番目)です。
3段目。総額38番目から、国ベース39番目へ。1ランク下がります。
戻りません。
落ち幅43,079円が21番目と、上から数えたほうが近いからです。
直前に見た別府市も、同じ「上がって落ちて戻らない」形でした。
別府市とは、平均年齢がぴったり同じです
| 市 | ラスパイレス指数 | 平均年齢 | 地域手当 | 平均給料月額 |
|---|---|---|---|---|
| 別府市 | 99.1 | 43.9歳 | 0% | 324,600円 |
| 廿日市市 | 97.9 | 43.9歳 | 3% | 322,200円 |
同じ区分で、平均年齢が1桁目まで同じです。
指数の差は1.2ポイント。
給料月額の差は2,400円。
割ると、1ポイントあたり2,000円になります。
この連載では、年齢を0.5歳幅にそろえた7団体で、1ポイントあたり約4,100円から4,400円という数字を2回出してきました。
今回は、その半分以下です。
2団体だけでは、換算の数字は決まりません。
年齢をそろえたうえで、団体の数をそろえる必要があります。
落ち幅は、率で決まっていません
この回では、地域手当0%の市と3%の市を3つ並べています。
| 市 | 地域手当 | 総額 | 落ち幅 |
|---|---|---|---|
| 防府市 | 0% | 378,677円 | 44,323円 |
| 掛川市 | 3% | 411,188円 | 44,120円 |
| 廿日市市 | 3% | 401,669円 | 43,079円 |
率は0%と3%に分かれています。
それでも落ち幅は、1,244円の幅に収まっています。
県内の数字は広島県職員の転職に、県内の市は尾道市職員の転職に、平均年齢が同じ市は別府市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
廿日市市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 林業の振興、木材産業の支援 | 調達、事業開発、サプライチェーン |
| 観光の誘客、受け入れの整備 | 販促、事業企画、施設運営 |
| 中山間地域の拠点・支所の運営 | 多拠点管理、エリアマネジメント |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 史跡・文化財の保存と活用 | 資産管理、施設運営 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「使う側を増やすと、供給が追いつくかが問題になる」実務
廿日市市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
廿日市市は、木材の加工が続いてきた市です。そして木を扱う産業には、育つまでに何十年もかかるという事情があります。
脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律第1条は、木材の利用を促進することが地球温暖化の防止や森林の多面的機能の発揮、地域の経済の活性化に貢献すること等に鑑み、建築物等における木材の利用を促進するため、基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにし、建築物における木材の利用の促進及び建築用木材の適切かつ安定的な供給の確保に関する措置等について定めるとともに、木材利用促進本部を設置することにより、木材の適切かつ安定的な供給及び利用の確保を通じた林業及び木材産業の持続的かつ健全な発展を図ることなどを目的とすると定めています。
2つが同時に書かれています。
使うことを増やす。
そして、増えた分を供給できるようにする。
片方だけでは成り立ちません。
使う量が増えても、出せる量が増えなければ、値段が上がるだけです。
値段が上がると、使う側が離れます。
実務は、次のような形になります。
- 使う場面を増やすと、注文が増える
- ところが、木は注文が来てから育てられない
- だから、短期には出せる量が決まっている
- 量が足りないと、値段で調整されることになる
- そして、値段で離れた相手は、次も戻ってきません
企業でも、まったく同じ問題があります。
新しい販路を開いたとき、広告を打ったとき、大口の受注を取ったとき。どれも「取ってきたあとに、出せるか」が問われます。
そして、多くの場合こうなります。
売る側は、取ってくることで評価されます。
作る側は、間に合わせることを求められます。
取ってきた量が出せる量を超えると、納期が延びます。
延びると、いちばん先に離れるのは、新しく来てくれた相手です。
もとからの相手を優先するからです。
結果として、広げるために使った費用が残り、広がった分は残りません。
取ってくる前に、出せる量を確かめる。
この当たり前のことができている会社は、多くありません。
求人票では、サプライチェーン、生産管理、調達、事業企画、販路開拓といった名前で書かれています。
書くときのこつは、販路を広げたと書かないことです。広げる前に出せる量をどう見積もったか、足りなくなったときに誰を優先したか、優先しなかった相手にどう説明したか、そして次の年に量をどう増やしたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
廿日市で、どの経験が値になるか
1. 広げる前に出せる量を確かめた経験
注文を取る前に供給側を確認した経験は、企業にほとんどありません。
2. 足りないときの優先順位を決めた経験
誰を先にするかを、事前に決めていた経験は、そのまま調達の実務です。
3. 優先しなかった相手に説明した経験
断る側の説明をした経験は、めったに書かれません。
4. 何十年かかる資源を扱ってきた経験
自分の在任中には結果が出ない仕事を、引き継げる形で進めた経験は、強く読まれます。
県内・県外の求人を見るときに
廿日市市は広島市に隣接し、山陽本線と広島電鉄が通ります。広島市内の求人の多くが通勤圏に入り、山口県東部も選択肢に残ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「林業振興を担当」では読み手に何も残りません。使う側と出す側のどちらに手を入れ、量をどう見積もったか。
足りなかった話を書く
注文に対して量が足りなかった場面。誰を優先し、どう説明したかまで書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、事業者数、扱った量、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
山と海が近い土地を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
急な斜面からの土砂、短い川の増水、海沿いの狭い平地、来訪者が多いなかでの工事。山がすぐ背後にある海辺で、施設を設計し維持してきた経験は、建設コンサルタントや防災の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。林業や観光に関わったなら、事業者数、扱った量、来訪の規模、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 廿日市市の一般行政職はラスパイレス指数97.9、平均給与月額401,669円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数41番目 → 給料月額19番目(22ランク上昇)→ 総額38番目 → 国ベース39番目。上がって落ちて、戻りません
- 上げているのは平均年齢43.9歳(9番目に高い)、落としているのは諸手当79,469円(38番目)
- 別府市とは平均年齢が1桁目まで同じ43.9歳。指数1.2ポイント差に対し給料月額は2,400円差で、1ポイントあたり2,000円です
- 7団体でそろえたときの約4,100円から4,400円の半分以下。2団体だけでは換算の数字は決まりません
- 地域手当3%の概算9,666円を引くと、残る69,803円(総額の17.4%)が人ごとに違う部分
よくある質問
指数より給料月額の順位が高いのはなぜですか
平均年齢43.9歳が59団体で9番目に高いからです。指数は国と同じ年齢構成にそろえて計算するので年齢の違いが消えますが、平均給料月額は実際の在職者で計算するので残ります。
外側が薄いのに国ベースで戻らないのはなぜですか
落ち幅43,079円が59団体で21番目と、上から数えたほうが近いからです。外側の薄さと落ち幅の小ささは、別々に決まります。
諸手当79,469円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当3%の概算9,666円を除いた、69,803円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は17.4%です。