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東村山市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
東村山市は、同じ類似団体類型区分の35団体のなかで、ラスパイレス指数が10番目、平均給料月額が9番目、平均給与月額が10番目です。
3つとも、ほぼ同じ場所にあります。
ところが地域手当以外だけが29番目です。
東村山市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、東村山市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 東村山市 | 35団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.7 | 10番目 |
| 平均年齢 | 41.8歳 | 18番目 |
| 平均給料月額 | 326,900円 | 9番目 |
| 諸手当月額 | 111,155円 | 14番目 |
| 平均給与月額 | 438,055円 | 10番目 |
| 地域手当以外 | 62,120円 | 29番目 |
平均給与月額(国ベース)は397,930円。地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも15%です。
地域手当15%を給料月額にかけると、概算で49,035円。諸手当111,155円からこれを引くと、残りは62,120円。総額の14.2%になります。
上位を作っているのは、給料表と地域手当です
給料月額が9番目。そこに15%の地域手当49,035円が乗ります。
この2つで、総額10番目まで来ています。
地域手当以外は29番目。つまり、外側はほとんど貢献していません。
この連載では、総額上位の市の多くで「給料表の外側も厚い」ことを見てきました。東村山市はそうなっていません。
給料表の中と、その率で乗る部分。この2つだけで上位に来ています。
川西市と並べると、外側だけが揃います
同じ35団体のなかに、地域手当以外がほとんど同じ額の市があります。川西市です。
| 項目 | 東村山市 | 川西市 | 差 |
|---|---|---|---|
| 地域手当 | 15% | 10% | — |
| 平均給料月額 | 326,900円 | 311,200円 | 東村山が15,700円上 |
| 地域手当の概算 | 49,035円 | 31,120円 | 東村山が17,915円上 |
| 地域手当以外 | 62,120円 | 62,263円 | 川西が143円上 |
| 平均給与月額 | 438,055円 | 404,583円 | 東村山が33,472円上 |
地域手当以外が143円しか違いません。
だから総額の差33,472円は、給料月額の差15,700円(46.9%)と地域手当の差17,915円(53.5%)で、ほぼぴったり埋まります。
外側が揃うと、差が2つの要素だけになります。
この連載では「総額の差の96.2%が地域手当以外だった」という例も扱いました。今回はその正反対です。
都内の数字は東京都職員の転職に、同じ15%の市は鎌倉市職員の転職に、外側がほぼ同じ市は川西市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
東村山市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 他団体との協議、広域での事務 | 渉外、アライアンス、事業企画 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 緑地・公園の保全、管理 | 資産管理、施設管理 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「自分の区域の外に、施設を置く」実務
東村山市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
地方自治法第244条の3第1項は、普通地方公共団体は、その区域外においても、また、関係普通地方公共団体との協議により、公の施設を設けることができると定めています。
第2項では、他の普通地方公共団体との協議により、当該他の普通地方公共団体の公の施設を自己の住民の利用に供させることができるとされ、第3項では、前二項の協議については、関係普通地方公共団体の議会の議決を経なければならないと定められています。
自分の区域の外に、施設を置ける。
そのかわり、両方の議会の議決が要ります。
これは、かなり重い手続きです。
理由を考えると、はっきりします。
置かれる側の住民は、その施設を使う人ではないかもしれません。それでも、土地を使われ、車が通り、景色が変わります。そして、置いた側の団体には投票できません。
決めた人に、意見を言う手段がない。
だから、置かれる側の議会も議決に入る。これが、この条文の構造です。
実務は、次のような形になります。
- 必要なのは、自分の側の理屈
- 負担するのは、相手の側の人
- 相手には、断る権利がある
- そして、断られると自分の側の計画が崩れます
- だから、相手の議会に説明する材料を作るところまでが仕事になります
企業でも、同じ形の場面があります。
他部門の会議室を長期で押さえる。別のチームのサーバーに自分たちの処理を載せる。取引先の倉庫に自社の在庫を置く。グループ会社の人員を借りる。どれも「使う側」と「負担する側」が違います。
そして多くの企業で、こうなります。話は、使う側の都合で始まります。そして負担する側には、断る理由がありません。同じ会社だから、協力するのが当然だと言われます。
断れないので、受けます。
そして、受けたことは記録に残りません。貸したほうの負担は数字にならず、次の年も同じ前提で計画が組まれます。
負担が見えないまま、既成事実になります。
求人票では、事業企画、渉外、アライアンス、総務、購買といった名前で書かれています。
書くときのこつは、調整したと書かないことです。相手にどんな負担が生じると見たか、その負担をどう見える形にしたか、断られる可能性をどう扱ったか、そして受けてもらったあと負担が積み上がらない形にできたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
東村山で、どの経験が値になるか
1. 相手の負担を数字にした経験
貸す側の負担は、放っておくと数字になりません。そこを出した経験は、企業にほとんどありません。
2. 断られる前提で準備した経験
相手に断る権利があると考えて動いた経験は、そのまま社外交渉で効きます。
3. 相手の決裁を通す材料を作った経験
自分の組織ではなく、相手の組織が説明できる形にする。ここまでやった経験は強く読まれます。
4. 既成事実になりかけた負担を戻した経験
何年も前提になっていたものを見直した経験は、そのまま実務能力です。
都内・近県の求人を見るときに
東村山市は東京都の多摩北部にあり、埼玉県に接しています。都心と埼玉の両方に出やすい位置なので、担当エリアの広い求人でも通勤の選択肢が残ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「広域連携を担当」では読み手に何も残りません。相手にどんな負担が生じると見て、それをどう見える形にしたか。
断られた話を書く
協議がまとまらないことがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、関係した団体の数、施設の規模、かかった期間。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
古い施設の更新を見てきた技術者は、扱える人が限られる
耐用年数を超えた建物、配管の更新、使いながらの改修。止められない施設を直してきた経験は、建設コンサルタントや設備・不動産の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。施設や連携に関わったなら、施設の規模、関係した団体の数、維持にかかる費用、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 東村山市の一般行政職はラスパイレス指数100.7、平均給与月額438,055円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数10番目・給料月額9番目・総額10番目がほぼ揃うのに、地域手当以外だけが29番目です
- 上位を作っているのは給料表の水準と、15%として乗る地域手当の2つ。外側はほとんど貢献していません
- どちらも、あなたが何をしても変わりません
- 川西市とは地域手当以外が143円差。だから総額差33,472円は給料月額と地域手当だけで埋まります
- 変わるのは残る62,120円(総額の14.2%)だけ。ただし平均が薄くても、あなたの額が薄いとは限りません
よくある質問
総額が10番目なのに地域手当以外が29番目なのはなぜですか
給料表の水準と、15%として乗る地域手当の2つで上位に来ているからです。給料月額9番目に49,035円が乗れば、外側が薄くても総額は上位になります。
地域手当15%は、自分の働き方で増やせますか
増やせません。率は住んでいる団体で決まっていて、時間外を増やしても役職が上がっても15%のままです。増えるのは、率をかける元の給料月額が上がったときだけです。
諸手当111,155円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当15%の概算49,035円を除いた、62,120円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は14.2%です。