自治体別 / 市
彦根市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
彦根市の平均給料月額307,600円は、同じ類似団体類型区分の101団体のなかで73番目です。
ところが平均給与月額394,136円は20番目。
53ランク上がります。
上げているのは、諸手当86,536円(7番目)です。
彦根市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、彦根市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 彦根市 | 101団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.0 | 40番目 |
| 平均年齢 | 40.8歳 | 73番目(若い側) |
| 平均給料月額 | 307,600円 | 73番目 |
| 諸手当月額 | 86,536円 | 7番目 |
| 平均給与月額 | 394,136円 | 20番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 356,774円 | 24番目 |
| 地域手当以外 | 68,080円 | 22番目 |
| 落ち幅 | 37,362円 | 26番目 |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも6%です。給料月額にかけると、概算で18,456円。諸手当86,536円からこれを引くと、残りは68,080円。総額の17.3%になります。
下がって、上がる
1段目。指数40番目から、給料月額73番目へ。33ランク落ちます。
落としているのは平均年齢40.8歳(101団体で73番目)です。指数は国と同じ年齢構成にそろえて計算するので年齢の違いが消えますが、平均給料月額は実際の在職者で計算するので残ります。
2段目。給料月額73番目から、総額20番目へ。53ランク上がります。
押し上げているのは諸手当86,536円(7番目)です。地域手当6%の概算18,456円を除いた68,080円(22番目)が、その中心にあります。
3段目。総額20番目から、国ベース24番目へ。4ランク下がります。
東海市と並べると、外側の差だけが残ります
同じ区分に、同じ地域手当6%で、給料月額がほとんど同じ市があります。
| 項目 | 彦根市 | 東海市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.0 | 99.7 | 1.7 |
| 平均年齢 | 40.8歳 | 38.9歳 | 1.9歳 |
| 平均給料月額 | 307,600円 | 308,100円 | 500円 |
| 地域手当(概算) | 18,456円 | 18,486円 | 30円 |
| 地域手当以外 | 68,080円 | 93,600円 | 25,520円 |
| 平均給与月額 | 394,136円 | 420,186円 | 26,050円 |
給料月額は500円差。
地域手当は30円差。
それでも総額は26,050円違います。
差の内訳は、給料月額500円、地域手当30円、地域手当以外25,520円。
地域手当以外だけで、差の98.0%を占めています。
同じことが、地域手当15%の団体でも起きています
この回では、地域手当15%の昭島市も扱っています。昭島市と成田市は、同じ区分・同じ15%で、平均給料月額が1円も違いません。それでも総額は34,555円違い、その100%が地域手当以外から出ていました。
率をそろえ、給料表をそろえるほど、残るのは外側の差だけになります。
県内の数字は滋賀県職員の転職に、県内の市は草津市職員の転職に、比べた市は東海市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
彦根市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 契約、入札、業者の選定 | 購買、調達、ベンダー管理 |
| 史跡・文化財の保存と活用 | 資産管理、施設運営、事業企画 |
| 地場産業の振興、販路の支援 | 事業開発、法人営業、ブランド企画 |
| 観光の誘客、受け入れの整備 | 販促、事業企画、施設運営 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「作れる人が将来もいるか」を目的に書く実務
彦根市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
公共工事の品質確保の促進に関する法律第1条は、公共工事の品質確保が、良質な社会資本の整備を通じて豊かな国民生活の実現や安全の確保、環境の保全、地域社会の形成等に寄与するものであるとともに、現在及び将来の世代にわたる国民の利益であることに鑑み、基本理念、国等の責務、基本方針の策定等その担い手の中長期的な育成及び確保の促進その他の基本的事項を定めることにより、現在及び将来の公共工事の品質確保の促進を図り、もって国民の福祉の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とすると定めています。
「現在及び将来」が、2回出てきます。
そして「担い手の中長期的な育成及び確保の促進」。
品質の話をしているのに、目的に「作る人が将来もいるか」が入っています。
理由ははっきりしています。
いま良いものができても、10年後に作れる人がいなければ、同じものは建ちません。
建物は残りますが、直せる人が残るとはかぎらない。
実務は、次のような形になります。
- 安く仕上げると、その年の数字は良くなる
- ところが、受ける側の利益が薄くなる
- 薄いと、人を採らなくなる
- 採らないと、10年後に人がいない
- そして、そのころには安くした判断をした人はもういません
企業でも、まったく同じ問題があります。
技術の承継、ベテランの退職、育成への投資、設備の更新計画。どれも「いま削ると、数年後に効いてくる」ものです。
そして、多くの場合こうなります。
育成の費用は、今年の費用として出てきます。
育成しなかったことによる損失は、数年後に別の名前で出てきます。
「人が採れない」「品質が落ちた」「外注に頼るしかない」。
そのときには、削った判断との結びつきが見えなくなっています。
結びつきが見えないので、また削られます。
いま削ると数年後に効いてくる、という説明を通せる人は、企業にほとんどいません。
求人票では、経営企画、人材開発、調達、品質保証、サプライヤー開発といった名前で書かれています。
書くときのこつは、育成に取り組んだと書かないことです。いま削ったら数年後に何が起きると見積もったか、その見積もりをどう説明したか、説明が通ったか通らなかったか、そして数年後に実際どうなったか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
彦根で、どの経験が値になるか
1. 数年後の損失を見積もった経験
いま削ると何年後に何が起きるかを、数字で出した経験は、企業にほとんどありません。
2. その説明を通した経験
今年の費用を守る説明をして、実際に通した経験は、そのまま経営企画の実績です。
3. 数年後に確かめた経験
見積もりどおりになったかを、あとから確かめた経験は、めったに書かれません。
4. 何百年も残るものを扱ってきた経験
自分の在任中には結果が出ない仕事を、引き継げる形で進めた経験は、強く読まれます。
県内・県外の求人を見るときに
彦根市は滋賀県の東部にあり、東海道本線と名神高速道路が通ります。京都方面も名古屋方面も通勤の選択肢に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「契約事務を担当」では読み手に何も残りません。いま削ると数年後に何が起きると見積もったか。
通らなかった話を書く
説明したのに削られた場面。そのあと何が起きたかまで書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、契約件数、発注規模、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
古い木造の建物を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
現代の図面がない構造、傷みの見極め、当時と同じ材料の調達、直せる職人の手配。何百年も前に建てられたものを、現役で使いながら維持してきた経験は、建設コンサルタントや文化財の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。契約や文化財に関わったなら、契約件数、発注規模、来訪の規模、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 彦根市の一般行政職はラスパイレス指数98.0、平均給与月額394,136円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 平均給料月額307,600円は101団体で73番目。それでも総額は20番目で、53ランク上がります
- 上げているのは諸手当86,536円(7番目)。地域手当6%の概算18,456円を除いた68,080円がその中心です
- 東海市とは給料月額500円差・地域手当30円差なのに、総額は26,050円違い、その98.0%が地域手当以外です
- 同じ回の昭島市と成田市は給料月額が1円も違わず、差の100%が地域手当以外でした
- 地域手当6%の概算18,456円を引くと、残る68,080円(総額の17.3%)が人ごとに違う部分
よくある質問
給料月額が73番目なのに総額が20番目なのはなぜですか
諸手当86,536円が101団体で7番目と厚いからです。地域手当6%の概算18,456円を除いた68,080円が、その中心にあります。
東海市との26,050円の差は、どこから来ていますか
98.0%が地域手当以外です。内訳は給料月額500円、地域手当30円、地域手当以外25,520円になります。
諸手当86,536円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当6%の概算18,456円を除いた、68,080円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は17.3%です。