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草津市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
草津市の平均年齢38.3歳は、同じ類似団体類型区分の59団体のなかで最も若い数字です。
平均給料月額304,800円は52番目。下から8番目です。
それでも平均給与月額448,215円は4番目。
この連載では「平均年齢が高い団体ほど実額が高く出る」と何度も書いてきました。草津市は、その完全な反例です。
草津市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、草津市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 草津市 | 59団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.2 | 15番目 |
| 平均年齢 | 38.3歳 | 59番目(最も若い) |
| 平均給料月額 | 304,800円 | 52番目 |
| 諸手当月額 | 143,415円 | 1番目 |
| 平均給与月額 | 448,215円 | 4番目 |
| 地域手当以外 | 112,935円 | 1番目 |
平均給与月額(国ベース)は376,435円。地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも10%です。
地域手当10%を給料月額にかけると、概算で30,480円。諸手当143,415円からこれを引くと、残りは112,935円。総額の25.2%になります。
地域手当以外が、総額の4分の1を占めます
この連載では、地域手当以外が総額の14%から19%あたりに収まる団体を多く見てきました。
草津市は25.2%です。
金額でも、59団体で1番目。2番目の大野城市92,533円とは20,402円離れています。
地域手当10%は、この区分では真ん中あたりの率です。総額4番目を作っているのは、地域手当ではありません。
給料月額は下から8番目。だから、給料表でもありません。
押し上げているのは、地域手当以外の112,935円ひとつです。
同じ10%の6団体で並べる
| 市 | 指数 | 年齢 | 平均給料月額 | 地域手当以外 | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 三田市 | 97.6 | 45.7歳 | 333,400円 | 88,982円 | 455,722円 |
| 草津市 | 100.2 | 38.3歳 | 304,800円 | 112,935円 | 448,215円 |
| 伊勢原市 | 101.1 | 40.4歳 | 316,100円 | 81,664円 | 429,374円 |
| 春日市 | 99.8 | 42.0歳 | 321,800円 | 66,425円 | 420,405円 |
| 富士見市 | 99.0 | 40.8歳 | 308,900円 | 63,032円 | 402,822円 |
| 土浦市 | 96.0 | 41.7歳 | 306,800円 | 64,731円 | 402,211円 |
6団体のなかで、草津市の給料月額は最下位です。
それでも総額は2番目。
1番目の三田市は平均年齢45.7歳で、給料月額も6団体で最高。年齢と給料月額が素直に対応している団体です。
草津市は、まったく別の作りで、そこに7,507円差まで迫っています。
県内の数字は滋賀県職員の転職に、同じ県の市は大津市職員の転職に、同じ区分の市は武蔵野市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
草津市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 選挙の管理・執行 | 業務設計、運用管理、内部統制 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 大学・研究機関との連携 | 事業開発、技術企画、アライアンス |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「結果ではなく、過程を守る」実務
草津市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
公職選挙法第1条は、この法律が、日本国憲法の精神に則り、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長を公選する選挙制度を確立し、その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全な発達を期することを目的とすると定めています。
「公明且つ適正に行われることを確保し」。
確保するのは、結果ではありません。行われ方です。
誰が当選するのが正しいか、という話は一言も出てきません。
手続きが正しく行われることだけを守る。
そして、それが守られているあいだ、誰も気づきません。
投票所が開く時刻、用紙の枚数、立会人の位置、開票の手順。どれも、決められたとおりに進めば話題になりません。
話題になるのは、ずれたときだけです。
実務は、次のような形になります。
- やることは、何年も前から決まっている
- 決まっているのに、毎回ゼロから確認する
- 確認を省いたところで、たいてい何も起きない
- 省いても何も起きないので、だんだん省かれていく
- そして、省いた箇所で起きます
企業でも、同じ構造の仕事があります。
月次の締め、在庫の棚卸、権限の棚卸、バックアップの復旧試験、入札や選考の手続き。どれも、決められたとおりにやるだけの仕事です。
そして多くの企業で、こうなります。やっても何も起きないので、価値が見えません。
「毎回同じことをしているだけ」と言われます。
だから、人が減らされます。
減らされても、しばらくは何も起きません。
手順を守る仕事は、守れているあいだは成果がゼロに見えます。
そして、一度ずれると、それまで何年分の信用もまとめて失われます。
求人票では、内部統制、業務設計、品質保証、運用管理、監査といった名前で書かれています。
書くときのこつは、ミスなく実施したと書かないことです。どこがずれやすいと見ていたか、ずれを防ぐために何を仕組みにしたか、人が替わっても同じにできる形にどう落としたか、そして省かれそうになったときにどう守ったか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
草津で、どの経験が値になるか
1. ずれやすい箇所を特定した経験
手順のなかで、どこが危ないかを言える。これができる人は、企業にほとんどいません。
2. 人が替わっても同じにできる形にした経験
担当者の力量に頼らない形にした話は、強く読まれます。
3. 省かれそうになったものを守った経験
「やっても何も起きない」ものに予算と人を残した経験は、めったにありません。
4. 一度きりの大きな行事を回した経験
やり直しがきかず、日付が動かない。この条件で回した経験は、そのままプロジェクト管理です。
県内・県外の求人を見るときに
草津市は滋賀県の南部にあり、京都・大阪方面へのアクセスがよい位置です。関西全域を担当エリアとする求人でも、通勤の選択肢が残ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「選挙事務を担当」では読み手に何も残りません。どこがずれやすいと見て、何を仕組みにしたか。
ひやりとした話を書く
あと一歩でずれるところだった場面があるはずです。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、有権者数、投票所の数、動員した人数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
人口が増える地域の整備を見てきた技術者は、扱える人が限られる
学校や保育所の新設、道路の拡幅、上下水道の増設。足りなくなるものを先回りして作ってきた経験は、建設コンサルタントや不動産・設備の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。行事や施設に関わったなら、動員した人数、対象の件数、かかった費用、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 草津市の一般行政職はラスパイレス指数100.2、平均給与月額448,215円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 平均年齢38.3歳は59団体で最も若く、平均給料月額304,800円は52番目。それでも総額は4番目です
- 押し上げているのは地域手当以外の112,935円ひとつ。59団体で1番目で、2番目とは20,402円離れています
- 総額に占める割合は25.2%。この連載で見てきた団体の多くは14%から19%でした
- 同じ10%の6団体では給料月額が最下位なのに総額は2番目
- 地域手当以外が厚い団体ほど、団体の平均とあなたの額のずれが大きくなります
よくある質問
平均年齢が最も若いのに総額が4番目なのはなぜですか
地域手当以外が59団体で1番目だからです。112,935円で、総額の25.2%を占めます。給料月額は52番目、地域手当10%も真ん中あたりの率です。押し上げているのはこの部分だけです。
地域手当以外が厚いのは、いいことですか
人によって差が大きいということでもあります。地域手当は全員が同じ率、給料表は号給で決まりますが、時間外の量や役職は人によってまったく違います。団体の平均が厚くても、あなたの額が厚いとは限りません。
諸手当143,415円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当10%の概算30,480円を除いた、112,935円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は25.2%で、59団体で1番目です。