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ひたちなか市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
ひたちなか市のラスパイレス指数97.6は、同じ類似団体類型区分の35団体のなかで34番目です。下から2番目になります。
ところが平均給与月額は29番目、そして地域手当6%の9団体だけで並べると6番目です。
指数の順位が、どこにも出てきません。その理由を、1組の比較から見ていきます。
ひたちなか市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、ひたちなか市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | ひたちなか市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 97.6(35団体で34番目) |
| 平均年齢 | 41.8歳(35団体で17番目) |
| 平均給料月額 | 314,100円(35団体で26番目) |
| 諸手当月額 | 86,193円 |
| 平均給与月額 | 400,293円(35団体で29番目) |
| 平均給与月額(国ベース) | 360,827円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 6% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
地域手当6%を給料月額にかけると、概算で18,846円です。諸手当86,193円からこれを引くと、残りは67,347円。総額の16.8%になります。
指数が下から2番目でも、総額はそこまで下がりません
| 並べる範囲 | 指数の順位 | 平均給料月額の順位 | 平均給与月額の順位 |
|---|---|---|---|
| 同じ区分の35団体 | 34番目 | 26番目 | 29番目 |
| うち地域手当6%の9団体 | 9番目(最下位) | 7番目 | 6番目 |
どちらの範囲でも、指数の順位がいちばん下にあります。
そして、総額の順位はそれより上にあります。
指数は職員の学歴と経験年数の構成を国と同じに揃えたうえで計算する比較です。秦野市職員の転職では、指数が高くて実額が低い例を扱いました。ひたちなか市はその逆で、指数が低くても実額がそこまで下がりません。
439円差の2市を、分解する
同じ6%の9団体のなかに、総額がほとんど同じ市があります。野田市です。
| 市 | 平均給料月額 | 地域手当の概算 | 地域手当以外 | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|---|
| 野田市 | 324,700円 | 19,482円 | 56,550円 | 400,732円 |
| ひたちなか市 | 314,100円 | 18,846円 | 67,347円 | 400,293円 |
| 差 | 野田が10,600円上 | 野田が636円上 | ひたちなかが10,797円上 | 野田が439円上 |
給料月額では野田市が10,600円上。地域手当以外ではひたちなか市が10,797円上。
この2つが197円しか違いません。だから総額は439円しか離れません。
打ち消し合いが起きるとこうなります。この連載では、浦安市と藤沢市(総額差399円)、豊川市と安城市(差の中身が89円違い)で同じ形を見てきました。今回が3組目です。
給料月額で負けていることは、総額で負けることを意味しません。
県内の数字は茨城県職員の転職に、同じ県の市は日立市職員の転職に、同じ6%の市は秦野市職員の転職と津市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
ひたちなか市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 中小企業の支援、相談・融資の斡旋 | 事業支援、与信、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 港湾・工業用地の管理 | 資産管理、用地管理 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「立場が強い側に、先に線を引く」実務
ひたちなか市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第1条は、この法律が、製造委託等に関し、中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等を防止することによつて、委託事業者の中小受託事業者に対する取引を公正にするとともに、中小受託事業者の利益を保護し、もつて国民経済の健全な発達に寄与することを目的とすると定めています。
契約は、当事者が合意して結ぶものです。
それなのに、法律が先に線を引いています。
理由は単純です。合意できる立場にないからです。
支払いが遅れる。あとから値引きを求められる。追加の作業を無償で頼まれる。どれも「断れば次の発注が来ない」と思えば、受ける側は合意します。
合意しているように見えて、選んでいません。
だから、合意の中身のほうに先に線を引く。これが、この法律の構造です。
実務は、次のような形になります。
- 当事者どうしの話し合いでは直らない
- 不満を言った側が、そのあと不利になる
- だから、外から基準を当てる
- そして、基準を当てても相手は「合意のうえだ」と言います
- 合意の有無ではなく、条件そのものを見る
企業でも、同じ問題が起きています。
取引先への発注条件、グループ会社間の取引、社内の部門間の依頼、業務委託先の稼働。どれも、依頼する側とされる側の立場が対等ではありません。
そして多くの企業で、こうなります。条件を決めるのは、依頼する側の担当者です。その担当者に悪意はなく、自分の予算と納期のなかで組み立てているだけです。
受ける側は、断れないので受けます。そして受けたことが「できる」という前例になり、次からその条件が標準になります。
誰も無理だと言わないまま、条件だけが積み上がります。
求人票では、購買、調達、コンプライアンス、法務、パートナーマネジメント、サプライチェーン管理といった名前で書かれています。
書くときのこつは、相手の善悪を書かないことです。どこが対等でないと見たか、何を基準にしたか、依頼する側にどう説明したか、そして条件を直したあと取引が続いたかをどう確かめたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
ひたちなかで、どの経験が値になるか
1. 立場の差を見抜いた経験
合意しているように見えて選べていない場面を見つけられる人は、企業にほとんどいません。
2. 依頼する側に条件を直させた経験
自分の部署が有利な立場にあるときに、そこを削る。これができた経験は強く読まれます。
3. 直したあとも関係が続いた経験
規制して終わりではなく、そのあとも取引が続いたという話がいちばん重く読まれます。
4. 製造の現場を知って話した経験
工程、納期、歩留まり。相手の手元の事情を知ったうえで条件を決めた経験は、購買や生産管理と同じ形です。
県内・県外の求人を見るときに
ひたちなか市は茨城県の中央部、太平洋に面した位置にあります。県北から水戸周辺までを担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「中小企業支援を担当」では読み手に何も残りません。どこが対等でないと見て、何を基準にしたか。
直らなかった場面を書く
基準を当てても「合意のうえだ」と返されることがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象の事業者数、相談の件数、扱った金額。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
工場と港を見てきた技術者は、扱える人が限られる
工業用地、港湾施設、排水、荷役。大きな設備を相手にしてきた経験は、建設コンサルタントや製造・物流の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。企業支援や立地に関わったなら、対象の事業者数、相談の件数、扱った金額、誘致した件数で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- ひたちなか市の一般行政職はラスパイレス指数97.6、平均給与月額400,293円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数97.6は35団体で34番目(下から2番目)なのに、総額は29番目です
- 地域手当6%の9団体で並べると、指数は最下位なのに総額は6番目になります
- 野田市とは総額439円差。給料月額では10,600円下なのに、地域手当以外で10,797円上で、この197円差が正体です
- 給料月額で負けていることは、総額で負けることを意味しません
- 地域手当6%の概算18,846円を引くと、残る67,347円(総額の16.8%)が人ごとに違う部分
よくある質問
ラスパイレス指数が下から2番目なのに、総額がそこまで低くないのはなぜですか
指数は給料表の高さを、職員の構成を揃えて比べた数字だからです。給料表の外側に何が乗るかは指数に入っていません。ひたちなか市は地域手当以外が厚く、そのぶん総額の順位が指数の順位より上に来ます。
野田市との差が439円しかないのはなぜですか
給料月額の差10,600円と、地域手当以外の差10,797円が逆を向いて打ち消し合うからです。この2つが197円しか違わないため、総額はほとんど並びます。
諸手当86,193円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当6%の概算18,846円を除いた、67,347円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は16.8%です。