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北見市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
北見市の平均給料月額298,500円は、同じ類似団体類型区分の67団体のなかで55番目です。
下から数えて13番目。
ところが諸手当61,303円は13番目です。
上から数えて13番目。
北見市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、北見市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 北見市 | 67団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 96.3 | 45番目 |
| 平均年齢 | 39.8歳 | 54番目(若い側) |
| 平均給料月額 | 298,500円 | 55番目 |
| 諸手当月額 | 61,303円 | 13番目 |
| 平均給与月額 | 359,803円 | 36番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 338,839円 | 24番目 |
| 地域手当以外 | 61,303円 | 12番目 |
| 落ち幅 | 20,964円 | 47番目 |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも0%です。したがって諸手当61,303円は全額が地域手当以外で、これは総額の17.0%にあたります。
この連載で扱ってきた型の、完全な裏返しです
この連載では、「給料表で稼いで、外側が薄い」市を4つ扱ってきました。国分寺市、大崎市、鶴岡市、会津若松市です。いずれも給料月額の順位が高く、諸手当の順位が低い市でした。
北見市は、その逆です。
給料月額は55番目、諸手当は13番目。
給料表が薄くて、外側が厚い。
この型を見るのは、今回が初めてです。
だから、順位が2段階で上がります
給料月額55番目から、総額36番目へ。19ランク上がります。
総額36番目から、国ベース24番目へ。さらに12ランク上がります。
2段目を作っているのは、落ち幅20,964円の小ささです。
地域手当が0%なので、率で説明はできません。
別の区分に、給料月額がほとんど同じ市があります
| 市 | 区分 | ラスパイレス指数 | 平均年齢 | 平均給料月額 |
|---|---|---|---|---|
| 半田市 | 別の区分 | 98.1 | 39.5歳 | 298,400円 |
| 北見市 | この区分 | 96.3 | 39.8歳 | 298,500円 |
指数は1.8ポイント違います。
平均年齢は0.3歳しか違いません。
それでも給料月額は100円差。しかも指数が低い北見市のほうが上です。
この連載では、同じ区分のなかで年齢を0.5歳幅にそろえると、指数1ポイントあたり約4,100円から4,400円で金額に換算できることを2回確かめてきました。
1.8ポイントなら、7,000円から8,000円ほど開くはずです。
開いていません。
換算が成り立つのは、同じ区分のなかだけです。
道内の数字は北海道職員の転職に、道内の市は江別市職員の転職に、給料月額がほぼ同じ市は半田市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
北見市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 農業の振興、産地の支援 | 事業開発、調達、ブランド企画 |
| 地場産業の振興、販路の支援 | 事業開発、法人営業、ブランド企画 |
| 広い市域の支所・拠点の運営 | 多拠点管理、エリアマネジメント |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 除雪、冬季の道路管理 | 施設運営、危機管理、事業継続 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「多すぎても少なすぎても困る」実務
北見市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
北見市は、畑作の産地として大きくなってきた市です。そして、野菜には工業製品にはない事情があります。
野菜生産出荷安定法第1条は、この法律が、主要な野菜について、一定の生産地域における生産及び出荷の近代化を計画的に推進するための措置を定めるとともに、その価格の著しい低落があつた場合における生産者補給金の交付、あらかじめ締結した契約に基づきその確保を要する場合における交付金の交付等の措置を定めることにより、生産及び出荷の安定等を図り、もって野菜農業の健全な発展と国民消費生活の安定に資することを目的とすると定めています。
補う仕組みが2つ並んでいます。
1つめは、値段が下がりすぎたとき。
2つめは、約束した量を確保しなければならないとき。
下がりすぎるのは、作りすぎたときです。
確保できないのは、足りないときです。
多すぎても少なすぎても困るので、両側に手当てが要ります。
そして、作る量は天気で決まります。
決めた量を作れるわけではありません。
実務は、次のような形になります。
- 豊作だと、値段が下がって手取りが減る
- 不作だと、量がないので売上が立たない
- つまり、どちらに振れても作る側が損をする
- だから、振れ幅そのものを吸収する仕組みが要る
- ところが、吸収する仕組みは平年には何の役にも立ちません
企業でも、まったく同じ問題があります。
需要の予測と生産計画、在庫の持ち方、長期の仕入れ契約、人員の配置。どれも「多すぎても少なすぎても損をする」ものです。
そして、多くの場合こうなります。
平年が続くと、吸収する仕組みが無駄に見えます。
在庫は費用として毎月出てきます。
足りなかったときの損失は、数字に出ません。
出る数字だけを見ると、削るのが正しく見えます。
削ると、しばらくは何も起きません。
そして、振れた年に一度で全部持っていかれます。
振れ幅を吸収する仕組みを、平年のうちに守れる人は、企業にほとんどいません。
求人票では、生産管理、需給計画、サプライチェーン、調達、事業企画といった名前で書かれています。
書くときのこつは、計画を作ったと書かないことです。振れ幅をどれくらいと見積もったか、吸収する仕組みをどこに置いたか、平年に削る話が出たときにどう説明したか、そして実際に振れた年に何が起きたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
北見で、どの経験が値になるか
1. 振れ幅を数字で見積もった経験
平均ではなく、上下にどれだけ振れるかを出した経験は、企業にほとんどありません。
2. 削る話を止めた経験
平年に無駄に見える仕組みを、説明して守った経験は、そのまま事業企画の話になります。
3. 振れた年を経験している
実際に大きく振れた年に現場にいた経験は、それだけで強く読まれます。
4. 広い区域を回してきた経験
拠点が離れている状態で、人と物と情報を切らさずに回した経験は、多拠点の運営で直接使えます。
道内・道外の求人を見るときに
北見市はオホーツク地域の中心にあり、市域が広いのが特徴です。道内全域を担当エリアとする求人では、移動の想定を確認しておく必要があります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「農業振興を担当」では読み手に何も残りません。振れ幅をどれくらいと見積もり、どこに手当てを置いたか。
振れた年の話を書く
豊作だった年、不作だった年に何が起きたか。そこで何をしたかまで書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、事業者数、扱った量、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
凍る土地で施設を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
凍上、融雪のときの水、除雪の動線、冬に止められない設備。地面が凍る場所で施設を設計し、冬のあいだ動かし続けてきた経験は、建設コンサルタントや設備の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。農業や産業に関わったなら、事業者数、扱った量、出荷の規模、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 北見市の一般行政職はラスパイレス指数96.3、平均給与月額359,803円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 平均給料月額298,500円は67団体で55番目。ところが諸手当61,303円は13番目です
- 給料表が薄くて外側が厚い。この連載で4回扱った「給料表で稼いで外側が薄い」型の、完全な裏返しです
- だから順位が2段階で上がります。給料月額55番目 → 総額36番目 → 国ベース24番目
- 別の区分の市とは指数が1.8ポイント違うのに給料月額は100円差。指数の換算は区分をまたぐと成り立ちません
- 諸手当61,303円は全額が地域手当以外。総額の17.0%が、人ごとに違う部分です
よくある質問
給料月額が55番目なのに総額が36番目なのはなぜですか
諸手当61,303円が67団体で13番目と厚いからです。地域手当が0%なので、この61,303円は全額が地域手当以外にあたります。
総額36番目から国ベース24番目へ上がるのはなぜですか
落ち幅20,964円が小さいからです。地域手当が0%なので率では説明できず、国の制度に合わせ直したときに落ちる部分が少ない団体だということになります。
諸手当61,303円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当が0%なので、61,303円が全部です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は17.0%です。