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小平市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
小平市の平均給与月額455,077円は、類似団体類型区分が同じ35団体のなかで2番目に高い数字です。
1番目は三鷹市の462,355円。差は7,278円です。
ところが地域手当は、小平市16%に対して三鷹市10%。6ポイント高いほうが、総額で負けています。この回で、その中身を開きます。
小平市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、小平市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 小平市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.6 |
| 平均年齢 | 40.8歳 |
| 平均給料月額 | 329,300円(35団体で7番目) |
| 諸手当月額 | 125,777円(35団体で2番目に厚い) |
| 平均給与月額 | 455,077円(35団体で2番目に高い) |
| 平均給与月額(国ベース) | 408,008円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 16% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 16% |
諸手当は総額の27.6%を占めます。
三鷹市と並べる
給料月額も指数も、ほとんど同じです。
| 項目 | 小平市 | 三鷹市 | 差 |
|---|---|---|---|
| 平均給料月額 | 329,300円 | 329,900円 | 600円 |
| ラスパイレス指数 | 99.6 | 99.2 | 0.4ポイント |
| 平均年齢 | 40.8歳 | 42.1歳 | 1.3歳 |
| 地域手当(実支給) | 16% | 10% | 6ポイント |
| 諸手当月額 | 125,777円 | 132,455円 | 6,678円 |
| 平均給与月額 | 455,077円 | 462,355円 | 7,278円 |
7,278円の中身を分解する
| 内訳 | 金額 | 向き |
|---|---|---|
| 給料月額の差 | 600円 | 三鷹市が多い |
| 地域手当の差(概算) | 19,698円 | 小平市が多い |
| 地域手当以外の手当の差(概算) | 26,376円 | 三鷹市が多い |
| 差し引き | 7,278円 | 三鷹市が多い |
小平市は地域手当で19,698円多く取っています。それでも総額では7,278円届きません。
地域手当以外の手当で、三鷹市が26,376円上回るからです。
三鷹市の地域手当以外はおよそ99,465円。これは35団体で最も厚い数字です。小平市は73,089円で、35団体のなかでは中位にあたります。
都内の数字は東京都職員の転職に、同じ区分の市は調布市職員の転職と町田市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
小平市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 窓口や施設での個別対応の設計 | カスタマーサポート設計、業務設計 |
| 障害者施策、相談支援の調整 | サービス企画、ケース管理 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 大学・研究機関との連携事業 | 産学連携、事業開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「一律ではだめ、全部でもだめ」の線を引く実務
小平市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律第1条は、この法律が、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置等を定めることにより、障害を理由とする差別の解消を推進し、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とすると定めています。
核心は第7条第2項です。
行政機関等は、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない、と書かれています。
この一文には、条件が3つ重なっています。
- 意思の表明があった場合において
- 負担が過重でないときは
- その人の性別、年齢及び障害の状態に応じて
一律のルールでは足りません。そして全部を引き受けるとも書いていません。
「過重な負担」がどこからかは、条文には書かれていません。
実務は、次のような形になります。
- 言われたことを、まず具体的に聞き取る
- 同じ求めでも、場面によって対応が変わる
- できることとできないことを、理由とともに伝える
- 「過重かどうか」を、その場の担当が判断する
- 断るときも、代わりの方法を一緒に探す
「一律でもなく、無制限でもない」線を、毎回その場で引く仕事です。
企業でも、同じ構造の場面が増えています。
顧客からの個別の要望、従業員の働き方の配慮、取引先からの特別対応の依頼。「個別対応はしません」と決めれば、対応は早くなります。ところがそれで済まない場面が、必ず出てきます。
そして多くの企業で、二択になります。現場は「ルールですので」と断り、断りきれない案件は上に上がって、そこで例外として通ります。どの条件なら受けるのかが決まっていないので、通った案件と通らなかった案件の違いを、誰も説明できません。そして担当者ごとに答えが変わります。
求人票では、カスタマーサポート設計、業務設計、ダイバーシティ推進、コンプライアンス、品質保証といった名前で書かれています。
書くときのこつは、個人の情報にあたることを一切書かないことです。どこまでを受けると判断したか、その判断をどういう材料でしたか、断るときに何を代わりに出したか、そして同じ求めが繰り返されたとき仕組みのほうを変えたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
小平で、どの経験が値になるか
1. その場で個別の線を引いた経験
一律でもなく、無制限でもない。この判断を日常的にしてきたことは、それ自体が職務能力です。
2. 断るときに代わりを出した経験
断って終わりにしなかった経験が値になります。
3. 繰り返される求めを仕組みに変えた経験
個別対応を、次から個別でなくする。ここがいちばん強く読まれます。
4. 判断の材料を残した経験
なぜ受けたか、なぜ受けなかったか。説明できる形にした経験は、内部統制で使われます。
都内・都外の求人を見るときに
小平市は東京都の多摩地域にあり、都心と多摩地域の両方を担当エリアとする求人が、通勤の範囲に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「窓口対応を担当」では読み手に何も残りません。どこまでを受けると判断し、その材料は何だったか。
断った場面を書く
全部は受けられません。そのとき何を代わりに出したかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、年間の相談件数、対応した施設や窓口の数、仕組みを変えた件数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者、建築士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
誰もが使える設備の設計は、扱える人が限られる
段差、経路、案内、トイレ。使う人の幅を前提に設計と改修を組んだ経験は、施設を持つ企業から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。窓口や許認可に関わったなら、年間の件数、対応した施設の数、改善の件数、予算の執行率で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 小平市の一般行政職はラスパイレス指数99.6、平均給与月額455,077円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 総額は同じ区分の35団体で2番目。1位の三鷹市とは7,278円差です
- 地域手当は小平市16%、三鷹市10%。6ポイント高いほうが、総額では届いていません
- 地域手当で小平市が19,698円多く取り、地域手当以外で三鷹市が26,376円上回る、という形です
- 小平市の地域手当以外は73,089円(総額の16.1%)。三鷹市の99,465円は35団体で最も厚い数字です
- 「一律でもなく、無制限でもない線を、毎回その場で引く」経験は、企業でほとんど誰も設計していません(障害者差別解消法1条・7条)
よくある質問
地域手当が6ポイント高いのに、総額で負けるのはなぜですか
地域手当以外の手当です。小平市は地域手当でおよそ19,698円多く取っていますが、地域手当以外で三鷹市が26,376円上回ります。差し引きで三鷹市が7,278円多い、という形です。「地域手当が高い団体は総額も高い」とは言えません。
総額が2番目に高いことは、転職で有利ですか
団体の平均は、あなたの実額ではありません。小平市の総額の高さは、多くが地域手当16%から来ています。地域手当は給料月額に割合を掛けるだけなので、役職にも時間外の量にもよりません。引いた残りの73,089円(総額の16.1%)が、人によって違う部分です。
諸手当27.6%のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当16%ぶんのおよそ52,688円を除いた、73,089円の部分です。総額に占める割合でいうと16.1%。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で人ごとに違います。まず複数年ぶんの源泉徴収票の支払金額を並べてください。