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小金井市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
小金井市の平均給与月額462,776円は、同じ類似団体類型区分の59団体のなかで1番目です。
そして国ベースも4番目。
前回とりあげた国分寺市は、落ち幅が小さいから国ベースが上位という形でした。
小金井市は逆です。落ち幅は3番目に大きい。それでも国ベースが上位に来ます。
小金井市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、小金井市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 小金井市 | 59団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 97.6 | 45番目 |
| 平均年齢 | 43.0歳 | 18番目 |
| 平均給料月額 | 327,200円 | 11番目 |
| 諸手当月額 | 135,576円 | 2番目 |
| 平均給与月額 | 462,776円 | 1番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 400,030円 | 4番目 |
| 地域手当以外 | 86,496円 | 8番目 |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも15%です。給料月額にかけると、概算で49,080円。諸手当135,576円からこれを引くと、残りは86,496円。総額の18.7%になります。
国ベース上位に来る、もうひとつの道です
国ベースは、総額から「国の制度に合わせ直したときに落ちる分」を引いた数字です。
上位に来る道は2つ。総額が飛び抜けて高いか、落ち幅が小さいか。
| 市 | 総額 | 落ち幅 | 国ベース |
|---|---|---|---|
| 小金井市 | 462,776円(1番目) | 62,746円(3番目に大きい) | 400,030円(4番目) |
| 三田市 | 455,722円(2番目) | 55,514円 | 400,208円(3番目) |
| 守口市 | 439,470円(7番目) | 29,855円(小さい) | 409,615円(1番目) |
| 国分寺市 | 439,818円(6番目) | 32,855円(小さい) | 406,963円(2番目) |
小金井市と三田市は、落ち幅が大きくても総額でそれを上回る組です。
守口市と国分寺市は、総額は中位でも落ち幅が小さい組です。
同じ「国ベース上位」でも、作りがまったく違います。
総額1番目を作っているのは、給料表ではありません
指数97.6は45番目。給料表の水準は下のほうです。
給料月額327,200円も11番目で、1番ではありません。
押し上げているのは諸手当135,576円。地域手当15%の49,080円と、地域手当以外86,496円(8番目)の合計です。
給料表の水準が45番目の団体が、総額1番目に来ています。
都内の数字は東京都職員の転職に、対になる型の市は国分寺市職員の転職に、同じ都内の市は武蔵野市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
小金井市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 人事、休業制度の設計と運用 | 人事企画、労務、組織開発 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 公園・文化施設の整備と運営 | 施設運営、資産管理 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「休ませることではなく、続けてもらうこと」の実務
小金井市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
地方公務員の育児休業等に関する法律第1条は、この法律が、育児休業等に関する制度を設けて子を養育する職員の継続的な勤務を促進し、もって職員の福祉を増進するとともに、地方公共団体の行政の円滑な運営に資することを目的とすると定めています。
「継続的な勤務を促進し」。
休ませることが目的ではありません。
辞めずに続けてもらうことが目的です。
休業は、そのための手段として置かれています。
そして、もうひとつ書いてあります。
「地方公共団体の行政の円滑な運営に資する」。
本人の福祉だけでなく、組織が回ることも目的に入っています。
この2つは、現場では対立します。
実務は、次のような形になります。
- 制度を使う人が増えるほど、残る人の負担が増える
- 負担が増えると、使いにくい空気ができる
- 空気ができると、制度があっても使われない
- 使われないと、辞める人が出る
- そして、辞められると、残る人の負担がもっと増えます
企業でも、まったく同じことが起きています。
育児休業、介護休業、時短勤務、病気からの復帰。どれも制度としては用意されています。
そして多くの企業で、こうなります。取得率が目標になります。
取得率は上がります。
ところが、その間の仕事をどうするかが決まっていません。
残った人で分けます。
分けた人には、何も足されません。
そして「制度は充実しているのに、なぜか人が辞める」という状態になります。
休む人を支えるだけでは足りません。残る人の側を設計しないと、制度は続きません。
求人票では、人事企画、労務、組織開発、業務設計といった名前で書かれています。
書くときのこつは、取得率を書かないことです。休んだ人の仕事を誰がどう引き受けたか、引き受けた人に何を返したか、戻ってきたときにどう受け入れたか、そして次に使う人が出たかをどう確かめたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
小金井で、どの経験が値になるか
1. 残る人の側を設計した経験
休む人ではなく、残る人に手を打つ。これができる人は、企業にほとんどいません。
2. 引き受けた人に何かを返した経験
分けただけで終わらせなかった経験は、強く読まれます。
3. 戻ってきたときの受け入れを作った経験
復帰の設計まで作った経験は、そのまま人事企画で効きます。
4. 制度が使われない理由を特定した経験
「制度はあるのに使われない」の中身を言えた経験が値になります。
都内・近県の求人を見るときに
小金井市は東京都の多摩東部にあり、都心へのアクセスがよい位置です。都内全域を担当エリアとする求人でも、通勤の選択肢が広く残ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「人事を担当」では読み手に何も残りません。休んだ人の仕事を誰がどう引き受け、その人に何を返したか。
うまくいかなかった話を書く
引き受けた人が疲弊することがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、職員数、取得した人数、代替の配置数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
密集した住宅地の工事を見てきた技術者は、扱える人が限られる
狭い道路、地下埋設、騒音と振動、通行の確保。住んでいる人の隣で工事を通してきた経験は、建設コンサルタントや設備の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。人事や施設に関わったなら、職員数、取得した人数、代替の配置数、予算の規模で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 小金井市の一般行政職はラスパイレス指数97.6、平均給与月額462,776円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 総額462,776円は59団体で1番目。国ベースも4番目です
- 落ち幅62,746円は3番目に大きい。それでも総額が1番目なので、国ベースでも上位に残ります
- 国分寺市は落ち幅が小さいから国ベース上位という形。同じ「国ベース上位」でも作りが違います
- 指数97.6は45番目。給料表の水準は下のほうです
- 地域手当15%の概算49,080円を引くと、残る86,496円(総額の18.7%)が人ごとに違う部分
よくある質問
落ち幅が3番目に大きいのに、国ベースが4番目なのはなぜですか
総額462,776円が59団体で1番目だからです。国ベースは総額から落ち幅を引いた数字なので、総額が飛び抜けていれば、落ち幅が大きくても上位に残ります。
指数45番目なのに総額1番目なのはなぜですか
諸手当135,576円が2番目に厚いからです。内訳は地域手当15%の49,080円と、地域手当以外86,496円(8番目)。給料表の水準では決まりません。
諸手当135,576円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当15%の概算49,080円を除いた、86,496円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は18.7%です。