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松阪市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
松阪市は、同じ類似団体類型区分の72団体のなかで、平均給料月額が16番目、平均給与月額が21番目です。5つずれています。
ところが、この72団体から地域手当のある20団体を外して52団体で並べ直すと、どちらも8番目になります。
ずれが消えます。同じ市の同じ数字なのに、比べる範囲を変えるだけでこうなります。
松阪市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、松阪市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 松阪市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 97.7(72団体で31番目) |
| 平均年齢 | 42.6歳 |
| 平均給料月額 | 324,200円(72団体で16番目) |
| 諸手当月額 | 59,635円 |
| 平均給与月額 | 383,835円(72団体で21番目) |
| 平均給与月額(国ベース) | 353,552円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
地域手当が0%なので、諸手当59,635円のすべてが人ごとに違う部分です。総額の15.5%になります。
比べる範囲を変えると、ずれが消えます
| 比べる範囲 | 団体数 | 平均給料月額の順位 | 平均給与月額の順位 |
|---|---|---|---|
| 同じ区分の全体 | 72 | 16番目 | 21番目 |
| うち地域手当0%の団体 | 52 | 8番目 | 8番目 |
72団体で並べると、給料月額の順位より総額の順位が5つ下がります。
52団体で並べ直すと、ぴったり一致します。
理由は単純です。72団体のうち20団体は地域手当を受け取っています。その20団体は、給料月額が松阪市より低くても、地域手当が乗ることで総額では上に来ます。松阪市は、その団体たちに総額だけで追い抜かれている。
だから総額の順位だけが下がります。
地域手当を持たない52団体だけを見れば、乗るものがないので給料月額の順位がそのまま総額の順位になります。
「何番目か」は、範囲を決めた時点で決まっています
これは松阪市に特別なことが起きているわけではありません。どの団体でも、どの範囲で並べるかを決めた時点で順位が決まります。
鎌倉市職員の転職では、35団体で見ると総額14番目なのに、地域手当15%の5団体だけで見ると最下位になる例を扱いました。同じ数字から、正反対の印象が出てきます。
松阪市の場合は、その逆です。範囲を絞ると、話がきれいになります。
どちらも同じ調査の、同じ数字です。
県内の数字は三重県職員の転職に、同じ県の市は津市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
松阪市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 商工振興、商店街の支援 | 事業支援、販促企画、法人営業 |
| 地域ブランドの認定・表示の管理 | ブランドマネジメント、品質保証 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 農林業の振興、森林の整備 | 資産管理、生産管理、用地管理 |
| 都市計画、中心市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「嘘ではないのに、選べなくなる」実務
松阪市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
不当景品類及び不当表示防止法第1条は、この法律が、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とすると定めています。
守ろうとしているのは、「正しい情報」ではありません。「自主的かつ合理的な選択」です。
ここが、この法律のいちばん大事なところです。
嘘が書いてあるかどうかではありません。書いてあることが全部本当でも、選べなくなる書き方はあります。
- 都合のいい条件だけを大きく書く
- 例外を、読めない大きさで書く
- 比べようのない単位で書く
- 他と並べたときにだけ意味がある数字を、単独で出す
どれも、一つずつ取り出せば嘘ではありません。
それでも、読んだ人は選べなくなります。
そこを止める。これが、この法律の構造です。
企業でも、同じ問題が起き続けています。
商品の仕様表記、料金プランの説明、営業資料、社内の稟議資料、そして求人票。どれも「書いてあることは事実」のまま、読む人が判断できない形になります。
そして多くの企業で、こうなります。作る側には悪意がありません。良く見せたいのではなく、都合の悪い条件を書くと話が長くなるので省いているだけです。
そして、省いた部分をあとから説明する係が、別にいます。
その係のところで、苦情が起きます。
作る人と、説明する人が分かれている。これが原因です。
求人票では、品質保証、法務、広報、コンプライアンス、カスタマーサポート、商品企画といった名前で書かれています。
書くときのこつは、表現の良し悪しを書かないことです。読み手が何を判断したいのかをどう捉えたか、そのために何を必ず書く項目にしたか、書き手にどう説明して直させたか、そして直したあと苦情が減ったかをどう確かめたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
松阪で、どの経験が値になるか
1. 「必ず書く項目」を決めた経験
何を書いてはいけないかではなく、何を必ず書くか。これを決めた経験は、企業でほとんど誰も持っていません。
2. 書き手に直させた経験
悪意のない書き手に、手間の増える修正を通す。ここが実務のいちばん難しいところです。
3. 苦情から原因をたどった経験
個別の対応ではなく、表示そのものを直した経験が強く読まれます。
4. 事業者と長く付き合った経験
指導する側と支援する側を同じ相手に対して行う。これは企業の品質保証と購買が同じ取引先に向き合う形と同じです。
県内・県外の求人を見るときに
松阪市は三重県のほぼ中央にあり、県内全域や中京圏を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「商工振興を担当」では読み手に何も残りません。何を必ず書く項目にして、書き手にどう直させたか。
直らなかった場面を書く
説明しても直らないことがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象の事業者数、相談の件数、指導の件数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
林業と山地の管理を見てきた技術者は、扱える人が限られる
森林の整備、治山、林道、土砂の災害対策。山を相手にしてきた経験は、建設コンサルタントや木材・住宅関連の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。商工や相談に関わったなら、対象の事業者数、相談の件数、指導の件数、事業の予算規模で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 松阪市の一般行政職はラスパイレス指数97.7、平均給与月額383,835円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 同じ区分の72団体では給料月額16番目・総額21番目と5つずれます
- 地域手当0%の52団体で並べ直すと、どちらも8番目でぴったり一致します
- 理由は、給料月額が松阪市より低くても地域手当が乗って総額で上に来る団体が20あるからです
- 地域手当0%なので、諸手当59,635円のすべてが人ごとに違う部分(総額の15.5%)
- 「何番目か」は、どの範囲で並べるかを決めた時点で決まります
よくある質問
給料月額16番目なのに総額21番目なのはなぜですか
同じ区分の72団体のうち20団体が地域手当を受け取っているからです。その団体は給料月額が松阪市より低くても、地域手当が乗ることで総額では上に来ます。地域手当0%の52団体だけで見れば、どちらも8番目で一致します。
72団体の順位と52団体の順位は、どちらが正しいのですか
どちらも正しく、答えている問いが違います。72団体の順位は「同じ規模と産業構造の団体のなかでどのあたりか」、52団体の順位は「地域手当がない条件を揃えたときにどのあたりか」を答えています。問いを決めないまま順位だけを見ると、読み違えます。
諸手当59,635円のうち、自分に関係するのはどこですか
全部です。地域手当が0%なので、時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。給料月額に連動して自動的に動く部分がないので、去年の源泉徴収票の支払金額が翌年もほぼそのまま使えます。