自治体別 / 市
大牟田市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
大牟田市の平均給料月額337,900円は、同じ類似団体類型区分の59団体のなかで1番目です。
ところが平均給与月額は28番目。
そして国ベースでは38番目まで下がります。
上がって、落ちて、さらに落ちます。
大牟田市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、大牟田市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 大牟田市 | 59団体での順位 | 0%の16団体での順位 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.9 | 35番目 | 5番目 |
| 平均年齢 | 45.3歳 | 3番目(高い側) | 1番目 |
| 平均給料月額 | 337,900円 | 1番目 | 1番目 |
| 諸手当月額 | 73,207円 | 41番目 | 1番目 |
| 平均給与月額 | 411,107円 | 28番目 | 1番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 363,716円 | 38番目 | 1番目 |
| 地域手当以外 | 73,207円 | 19番目 | 1番目 |
| 落ち幅 | 47,391円 | 13番目 | 1番目(最大) |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも0%です。したがって諸手当73,207円は全額が地域手当以外で、これは総額の17.8%にあたります。
上がって、落ちて、さらに落ちる
1段目。指数35番目から、給料月額1番目へ。34ランク上がります。
押し上げているのは平均年齢45.3歳(59団体で3番目に高い)です。指数は国と同じ年齢構成にそろえて計算するので年齢の違いが消えますが、平均給料月額は実際の在職者で計算するので残ります。
2段目。給料月額1番目から、総額28番目へ。27ランク落ちます。
落としているのは諸手当73,207円(41番目)です。地域手当が0%なので、諸手当の薄さがそのまま総額に効きます。
3段目。総額28番目から、国ベース38番目へ。さらに10ランク落ちます。
落としているのは落ち幅47,391円(13番目に大きい)です。
0%の16団体だけで並べると、7項目が1番目です
59団体では、給料月額1番目のほかは、総額28番目、国ベース38番目。
地域手当0%の16団体だけで並べ直すと、指数以外の7項目がすべて1番目になります。
同じ市の同じ数字です。
混ざっている相手を変えると、これだけ見え方が変わります。
同じ0%の小樽市とは、落ち幅が1.9倍違います
この回では、同じ区分で地域手当0%の小樽市も扱っています。
| 市 | 地域手当 | 総額 | 国ベース | 落ち幅 |
|---|---|---|---|---|
| 大牟田市 | 0% | 411,107円 | 363,716円 | 47,391円 |
| 小樽市 | 0% | 367,168円 | 342,363円 | 24,805円 |
率は、どちらも0%です。
それでも落ち幅は22,586円違います。割合にすると1.9倍。
この連載では、地域手当0%で落ち幅が区分の1番になる市を何度か扱ってきました。
同じ0%で最大と最小が並ぶのは、今回が初めてです。
国ベースは「地域手当を抜いた額」ではありません。
県内の数字は福岡県職員の転職に、県内の市は久留米市職員の転職と飯塚市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
大牟田市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 高齢者福祉、介護保険の運営 | ケース管理、サービス企画、事業運営 |
| 地域の見守り・支え合いの仕組みづくり | コミュニティ運営、業務設計、渉外 |
| 工場との操業・環境に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 産業遺産の保存と活用 | 資産管理、施設運営、事業企画 |
| 生活保護、児童・障害の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「支える側と支えられる側を、分けない」実務
大牟田市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
共生社会の実現を推進するための認知症基本法第1条は、この法律が、急速な高齢化の進展に伴い認知症の人が増加している現状等に鑑み、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにし、計画の策定について定めることなどにより、認知症施策を総合的かつ計画的に推進し、もって認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会の実現を推進することを目的とすると定めています。
最後のところに注目したいです。
「認知症の人を含めた国民一人一人が」
「その個性と能力を十分に発揮し」
「相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら」
支える側と支えられる側が、分かれていません。
一方が他方を助ける、という書き方ではない。
全員が、両方の側にいます。
実務は、次のような形になります。
- 「配慮する側」と「される側」に分けると、線が引かれる
- される側は、借りを作っている感覚になる
- する側は、負担を数えはじめる
- 数えはじめると、配慮が続かなくなる
- そして、線を引いたこと自体が原因だったと分かります
企業でも、まったく同じことが起きます。
体調に波がある人、介護を抱えている人、短い時間で働いている人、経験の浅い人。どの職場にもいます。
そして、多くの場合こうなります。
「配慮が必要な人」という枠ができます。
枠に入った人には、仕事が回りにくくなります。
回らないので、経験が積めません。
積めないので、できることが増えません。
増えないので、ずっと枠のなかにいます。
枠の外にいる人は、そのぶんの仕事を引き受けます。
引き受けた側も、いつか枠に入ります。
誰でも入るものだと分かっていれば、線は引かれません。
分けないで回す設計をした経験は、企業にほとんどありません。
求人票では、人事企画、組織開発、業務設計、ダイバーシティ推進といった名前で書かれています。
書くときのこつは、配慮したと書かないことです。線を引かずに仕事を配るために、何を変えたか、引き受けた側の負担をどう扱ったか、枠に入った人が経験を積める道をどう残したか、そしてその設計が何年続いたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
大牟田で、どの経験が値になるか
1. 線を引かずに仕事を配った経験
「配慮が必要な人」という枠を作らずに回した経験は、企業にほとんどありません。
2. 引き受けた側の負担を扱った経験
支える側の負担を数え、配り直した経験は、そのまま組織設計の話になります。
3. 経験を積める道を残した経験
事情がある人にも仕事が回るようにした経験は、めったに書かれません。
4. 高齢化が進んだ地域で仕組みを回してきた経験
先に起きていることを見てきた経験は、これから同じ状況になる会社や地域で直接使えます。
県内・県外の求人を見るときに
大牟田市は福岡県の南端にあり、熊本県に接しています。福岡市方面も熊本市方面も、勤務地の置き方によって通勤の選択肢に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「高齢者福祉を担当」では読み手に何も残りません。線を引かずに回すために、何を変えたか。
続いた年数を書く
その設計が何年続いたか。始めた話より、続いた話のほうが強く読まれます。
規模を必ず書く
市の人口、対象になった人数、関わった団体数、続いた年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
掘ったあとの土地を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
地下に残る空洞、地盤の沈下、湧いてくる水の処理、記録の残っていない坑道。採り終わったあとも管理が続く土地で、施設を設計し維持してきた経験は、建設コンサルタントやプラントの各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。福祉や産業に関わったなら、対象人数、扱った件数、事業者数、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 大牟田市の一般行政職はラスパイレス指数98.9、平均給与月額411,107円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 平均給料月額337,900円は59団体で1番目。押し上げているのは平均年齢45.3歳(3番目に高い)です
- 総額は28番目、国ベースは38番目。上がって、落ちて、さらに落ちます
- 地域手当0%の16団体だけで並べ直すと、指数以外の7項目がすべて1番目になります
- 同じ0%の小樽市とは落ち幅が24,805円と47,391円で1.9倍の開き。率が同じでも落ち幅は決まりません
- 諸手当73,207円は全額が地域手当以外。総額の17.8%が、人ごとに違う部分です
よくある質問
給料月額が1番目なのに総額が28番目なのはなぜですか
諸手当73,207円が59団体で41番目と薄いからです。地域手当が0%なので、諸手当の順位がそのまま総額の順位に効きます。
0%の市だけで比べるとどうなりますか
16団体のなかでは、指数以外の7項目がすべて1番目です。59団体では総額28番目なので、混ざっている相手が変わると位置が大きく変わります。
諸手当73,207円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当が0%なので、73,207円が全部です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は17.8%です。