自治体別 / 市
酒田市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
酒田市の平均給料月額320,200円は、同じ類似団体類型区分の107団体のなかで26番目です。
ところが平均給与月額362,759円は101番目。
75ランク落ちます。
落としているのは、諸手当42,559円です。107団体で106番目。下から数えて2番目になります。
酒田市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、酒田市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 酒田市 | 107団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.1 | 45番目 |
| 平均年齢 | 43.2歳 | 22番目(高い側) |
| 平均給料月額 | 320,200円 | 26番目 |
| 諸手当月額 | 42,559円 | 106番目 |
| 平均給与月額 | 362,759円 | 101番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 335,480円 | 95番目 |
| 地域手当以外 | 42,559円 | 105番目 |
| 落ち幅 | 27,279円 | 87番目(小さい側) |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも0%です。したがって諸手当42,559円は全額が地域手当以外で、これは総額の11.7%にあたります。
75ランク落ちます
1段目。指数45番目から、給料月額26番目へ。19ランク上がります。
押し上げているのは平均年齢43.2歳(107団体で22番目に高い)です。
2段目。給料月額26番目から、総額101番目へ。75ランク落ちます。
落としているのは諸手当42,559円(106番目)です。地域手当が0%なので、この薄さがそのまま総額に効きます。
3段目。総額101番目から、国ベース95番目へ。6ランク戻ります。
この75ランクは、この連載で見てきた「諸手当の薄さによる下降」でいちばん大きい動きです。
ただし、この区分は107団体と大きいので、順位の差も大きく出ます。
59団体の区分で見た39ランクと、そのまま比べることはできません。
0%でも、外側がいちばん薄い側にいます
地域手当以外が総額に占める割合で並べると、この区分の下位はこうなります。
| 市 | 地域手当 | 総額に占める割合 |
|---|---|---|
| 天理市 | 12% | 8.7% |
| 和光市 | 16% | 10.8% |
| 守谷市 | 15% | 11.4% |
| 高石市 | 15% | 11.5% |
| 袖ケ浦市 | 16% | 11.6% |
| 酒田市 | 0% | 11.7% |
下位5つは、すべて地域手当12%以上です。
そこに、0%の酒田市が並びます。
この区分の0%は28団体あり、割合はいちばん高い市で22.4%。
酒田市の11.7%は、そのなかでいちばん低い。
「率が高いほど外側が薄い」は傾向であって、0%の団体でもここまで薄くなることがあります。
県内の数字は山形県職員の転職に、県内の市は鶴岡市職員の転職と山形市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
酒田市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 港湾・物流用地の管理 | 資産管理、施設運営、物流企画 |
| 農業の振興、産地の支援 | 事業開発、調達、ブランド企画 |
| 発電設備の立地に関する調整 | 渉外、事業開発、拠点企画 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 史跡・文化財の保存と活用 | 資産管理、施設運営 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「1つの土台が、違う3つを支える」実務
酒田市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
酒田市は、海と川と田んぼが並ぶ市です。そして、そのどれもが天気に左右されます。
気象業務法第1条は、この法律が、気象業務に関する基本的制度を定めることによつて、気象業務の健全な発達を図り、もつて災害の予防、交通の安全の確保、産業の興隆等公共の福祉の増進に寄与するとともに、気象業務に関する国際的協力を行うことを目的とすると定めています。
3つ並んでいます。
災害の予防。交通の安全の確保。産業の興隆。
この3つは、まったく違う分野です。
それでも、同じ1つの土台に乗っています。
測って、知らせる。
それだけで、3つが同時に前に進みます。
実務は、次のような形になります。
- 土台は、1つの部署のために作られるものではない
- だから、どの部署の予算で作るかが決まらない
- 決まらないので、誰も作らない
- 作られないと、それぞれの部署が自分用に小さく作る
- そして、同じものが3つできて、どれも中途半端になります
企業でも、まったく同じ問題があります。
共通のデータ基盤、社内の記録、計測の仕組み、顧客の情報。どれも「複数の部署が使うのに、誰の予算でもない」という形で起きます。
そして、多くの場合こうなります。
必要性は、全員が認めます。
ところが、費用を持つ話になると止まります。
いちばん困っている部署が、自分の予算で小さく作ります。
小さく作ったので、ほかの部署には合いません。
合わないので、別の部署がまた作ります。
数年後、似たようなものが複数動いています。
土台を作る仕事は、誰の成果にもなりません。
そのぶん、やった人は評価されにくい。
それでも、やった人がいなければ何も動きません。
求人票では、情報企画、事業企画、業務設計、データ基盤、経営企画といった名前で書かれています。
書くときのこつは、基盤を整備したと書かないことです。どの部署が使うものだったか、費用を誰が持つと決めたか、その決め方をどう通したか、そして作ったあと実際に何部署が使ったか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
酒田で、どの経験が値になるか
1. 誰の予算でもないものを作った経験
費用の持ち方を決めて通した経験は、企業にほとんどありません。
2. 何部署が使ったかを数えた経験
作ったあと、実際の利用を追った経験は、そのまま事業企画の話になります。
3. 重複していたものを一本化した経験
すでに複数動いているものをまとめた経験は、めったに書かれません。
4. 天候に左右される仕事を回してきた経験
計画どおりにいかない前提で段取りを組んできた経験は、どの職種でも強く読まれます。
県内・県外の求人を見るときに
酒田市は山形県の庄内地方にあり、羽越本線と日本海東北自動車道が通ります。鶴岡方面はもちろん、秋田県方面も選択肢に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「情報基盤を担当」では読み手に何も残りません。誰が使うもので、費用を誰が持つと決めたか。
使われなかった話を書く
作ったのに使われなかった部署。そこで何を変えたかまで書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、使った部署数、扱った件数、続いた年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
強い季節風が吹く海辺を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
砂の移動、飛んでくる塩、防風林の維持、風を利用する設備。冬に風が吹き続ける海沿いで、施設を設計し維持してきた経験は、建設コンサルタントやエネルギーの各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。港湾や農業に関わったなら、扱った量、事業者数、施設数、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 酒田市の一般行政職はラスパイレス指数99.1、平均給与月額362,759円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 平均給料月額320,200円は107団体で26番目。それでも総額は101番目で、75ランク落ちます
- 落としているのは諸手当42,559円(106番目、下から2番目)
- この75ランクは、この連載で見てきた「諸手当の薄さによる下降」でいちばん大きい。ただし母数が107と大きい点は差し引いて読む必要があります
- 地域手当は0%なのに、外側が総額に占める割合11.7%はこの区分の下から6番目。下位5つはすべて12%以上です
- 諸手当42,559円は全額が地域手当以外。総額の11.7%が、人ごとに違う部分です
よくある質問
給料月額が26番目なのに総額が101番目なのはなぜですか
諸手当42,559円が107団体で106番目と薄いからです。地域手当が0%なので、諸手当の薄さがそのまま総額に効きます。
75ランクというのは、大きいのですか
団体数によります。この区分は107団体と大きいので、同じ差でも順位の開きは大きく出ます。59団体の区分で見た39ランクと、そのまま比べることはできません。
諸手当42,559円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当が0%なので、42,559円が全部です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は11.7%です。