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立川市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
立川市の平均給料月額321,600円は、市原市・八千代市とまったく同じ数字です。1円も違いません。
この3団体で、ラスパイレス指数は立川市が最も低く、平均給与月額は立川市が最も高い。
指数の順と総額の順が、完全に逆になります。この回で、その仕組みを開きます。
立川市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、立川市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 立川市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.4 |
| 平均年齢 | 43.6歳 |
| 平均給料月額 | 321,600円 |
| 諸手当月額 | 105,535円 |
| 平均給与月額 | 427,135円(同じ類型の35団体で17番目) |
| 平均給与月額(国ベース) | 379,595円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 12% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 12% |
諸手当は総額の24.7%を占めます。
給料月額が完全に一致する3団体
立川市の類似団体類型区分(人口と産業構造による区分)はⅣ-3。全国に35団体あり、そのうち平均給料月額が321,600円の団体が3つあります。
| 市 | ラスパイレス指数 | 平均年齢 | 平均給料月額 | 地域手当 | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 八千代市 | 102.8 | 40.5歳 | 321,600円 | 10% | 418,882円 |
| 市原市 | 99.8 | 42.0歳 | 321,600円 | 10% | 425,751円 |
| 立川市 | 98.4 | 43.6歳 | 321,600円 | 12% | 427,135円 |
指数の順は、八千代市>市原市>立川市。
総額の順は、立川市>市原市>八千代市。
上から下まで、完全に逆です。
なぜ逆になるのか
指数が逆になるのは、年齢です。平均給料月額が同じなのに年齢が高い団体は、学歴と経験年数を揃えると国より低く出ます。立川市は43.6歳で3団体のなかで最も高く、指数が最も低くなります。
総額が逆になるのは、地域手当です。立川市は12%、市原市と八千代市は10%。
| 市 | 平均給料月額 | 地域手当(概算) | 地域手当以外(概算) | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|---|
| 立川市 | 321,600円 | 38,592円 | 66,943円 | 427,135円 |
| 市原市 | 321,600円 | 32,160円 | 71,991円 | 425,751円 |
| 八千代市 | 321,600円 | 32,160円 | 65,122円 | 418,882円 |
地域手当を引いた残りでは、市原市が3団体で最も厚くなります。立川市は2番目です。
都内の数字は東京都職員の転職に、給料月額が同額の市は市原市職員の転職と八千代市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
立川市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 災害時の避難所運営、物資の手配 | 危機管理、事業継続計画、調達 |
| 地域防災計画、訓練の設計 | 危機管理、運用設計 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 大規模な跡地の再開発 | 用地開発、開発企画 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「平時の手続きでは間に合わない」ときの実務
立川市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
災害救助法第1条は、この法律が、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害により被害を受け又は被害を受けるおそれのある者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とすると定めています。
注目してほしいのは「応急的に」という言葉です。
十分に、でも、適正に、でもありません。応急的に。
そして主語は「国」です。平時なら市が行う仕事の多くが、この場面では別の枠組みで動きます。
なぜ、わざわざ別の法律があるのか。
平時の手続きは、間違えないように作られています。見積もりを取り、比較し、決裁を経て、契約する。その段取りは、壊れていない状態を前提にしています。
災害のときは、その前提が消えます。そして待てば、助かる人が助からなくなります。
だから「応急的に」と書いた別の法律を、あらかじめ用意してある。
実務は、次のような形になります。
- 平時とは違う手続きが、その場で立ち上がる
- 記録を取りながら、先に動く
- あとから、なぜそうしたかを説明する
- 落ち着いてから、通常の手続きに戻す
- 戻すタイミングを決めるのも、仕事のうち
「平時のルールを止めて、別のルールで動かし、また戻す」仕事です。
企業でも、同じ構造の場面が増えています。
システム障害、事故、リコール、情報漏えい、急な供給の途絶。どれも、平時の承認フローを通していたら間に合いません。
そして多くの企業で、二択になります。平時のルールを無理に回して対応が遅れるか、現場が独断で動いて記録も承認もないまま処理が進むか。「非常時にはこのルールに切り替える」と決めてある会社は、多くありません。そして切り替えたあと、いつ戻すかを決めてある会社は、さらに少ない。
求人票では、危機管理、事業継続計画、内部統制、品質保証、オペレーション設計といった名前で書かれています。
書くときのこつは、個別の被災状況を書かないことです。平時と違う手続きに、どの判断で切り替えたか、動きながら何を記録したか、あとからどう説明したか、そしていつ通常に戻すと決めたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
立川で、どの経験が値になるか
1. ルールを切り替える判断をした経験
平時のルールを止める。この判断ができる人は、企業にほとんどいません。
2. 動きながら記録した経験
あとから説明できる形を残す。この両立が値になります。
3. 通常に戻す判断をした経験
切り替えたままにしない。戻すタイミングを決めた経験が強く読まれます。
4. 訓練を設計した経験
使われないことを前提に、使える形を保つ。事業継続計画の実務と同じ構造です。
都内・都外の求人を見るときに
立川市は東京都の多摩地域の中心にあり、都心と多摩地域の両方を担当エリアとする求人が、通勤の範囲に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「防災を担当」では読み手に何も残りません。どの判断で平時と違う手続きに切り替えたか。
戻した場面を書く
切り替えっぱなしにはできません。戻す判断を書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、避難所の数、対応した人数、物資の量、訓練の回数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者、防災士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。災害対応のように、平時の段取りを止めて動いた経験があるなら、それは強い材料です。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。防災や許認可に関わったなら、避難所の数、対応した人数、物資の量、予算の執行率で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 立川市の一般行政職はラスパイレス指数98.4、平均給与月額427,135円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 平均給料月額321,600円は、市原市・八千代市とまったく同じ数字です
- この3団体で、指数の順(八千代>市原>立川)と総額の順(立川>市原>八千代)が完全に逆になります
- 指数の順は年齢で決まり、総額の順は地域手当で決まります(立川市12%、他2市10%)
- 人によって違う部分は66,943円(総額の15.7%)。割合が小さいほうなので、団体の平均と自分の額は近くなりやすい団体です
- 「平時のルールを止めて、別のルールで動かし、また戻す」経験は、企業でほとんど誰も持っていません(災害救助法1条)
よくある質問
給料月額が同じなのに、指数と総額が逆の順序になるのはなぜですか
決まる理由が別だからです。指数は年齢構成を揃えた数字なので、同じ給料月額なら年齢が高い団体ほど低く出ます。立川市は43.6歳で3団体のなかで最も高く、指数が最も低くなります。一方、総額は地域手当で決まり、立川市は12%、他の2市は10%です。
ラスパイレス指数98.4は、水準が低いということですか
年齢構成を揃えて国と比べた数字が、国よりやや低いということです。給料月額そのものは、市原市・八千代市とまったく同じです。あなたの給料表の位置を示すものではありません。
諸手当24.7%のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当12%ぶんのおよそ38,592円を除いた、66,943円の部分です。総額に占める割合でいうと15.7%。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で人ごとに違います。割合が小さいほうなので、団体の平均と自分の額は近くなりやすい側です。