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米子市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
米子市のラスパイレス指数93.8は、同じ類似団体類型区分の59団体のなかで最下位です。
そして平均給与月額も53番目。下から7番目になります。
ところが、地域手当のない16団体だけで並べ直すと、総額は11番目まで上がります。
米子市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、米子市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 米子市 | 59団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 93.8 | 59番目(最下位) |
| 平均年齢 | 43.7歳 | 10番目(高い側) |
| 平均給料月額 | 309,400円 | 43番目 |
| 諸手当月額 | 61,774円 | 51番目 |
| 平均給与月額 | 371,174円 | 53番目 |
| 地域手当以外 | 61,774円 | 35番目 |
平均給与月額(国ベース)は329,683円。地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも0%です。
地域手当が0%なので、諸手当61,774円のすべてが人ごとに違う部分です。総額の16.6%になります。
比べる範囲を変えると、位置が動きます
この59団体は、地域手当が0%から16%まで7段階に散っています。0%の団体は16しかありません。
その16団体だけで並べ直すと、こうなります。
| 見る項目 | 59団体での順位 | 0%の16団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 59番目(最下位) | 16番目(最下位) |
| 平均給料月額 | 43番目 | 11番目 |
| 平均給与月額 | 53番目 | 11番目 |
| 地域手当以外 | 35番目 | 8番目 |
指数は、どちらの範囲でも最下位です。
ところが総額は、53番目から11番目に上がります。
そして地域手当以外は8番目。16団体のちょうど真ん中より上です。
乗るものがない団体どうしで比べれば、米子市は下位ではありません。
指数が最下位でも、総額が最下位にならない理由
2つあります。
1つめは年齢です。平均年齢43.7歳は59団体で10番目に高い。年齢が高い団体は、平均給料月額が高く出ます。指数の低さを、年齢が押し戻しています。
2つめは地域手当です。59団体のうち43団体には地域手当が乗ります。その43団体と混ぜて総額を比べれば、乗るもののない米子市は下に沈みます。
沈んでいるのは、給与水準が低いからだけではありません。比べ方のせいでもあります。
県内の数字は鳥取県職員の転職に、同じ県の市は鳥取市職員の転職に、同じ区分の市は武蔵野市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
米子市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 保健・医療・介護の連携調整 | 事業企画、アライアンス、渉外 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 観光振興、誘客の企画 | 販促企画、ブランドマネジメント |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「その人でなければできない」を扱う実務
米子市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
医師法第1条は、医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとすると定めています。
短い条文です。そして、ここに書かれているのは義務ではなく、役割です。
この法律の要は、資格を持つ人でなければその仕事をしてはいけない、という点にあります。
だから、その人がいなければ、仕事は止まります。
代わりに誰かがやる、ということができません。
忙しいから手伝う、ということもできません。
実務は、次のような形になります。
- 有資格者は、いる場所といない場所に分かれる
- いない場所では、その仕事ごと成り立たない
- 人を増やすには、資格を取るところから始まる
- 資格を取るには何年もかかる
- そして、取った人がどこに行くかは、本人が決めます
企業でも、同じ構造の問題があります。
特定の資格がないとできない業務、一人しか分かっていないシステム、その人しか扱えない取引先、長年の勘で判断している工程。どれも「代わりにやる」ができません。
そして多くの企業で、こうなります。その人がいるあいだは、何も問題が起きません。
だから、問題として認識されません。
引き継ぎの話は出ます。ただし、いちばん忙しい人に引き継ぎ資料を作らせることになるので、後回しになります。
そして、辞めると分かってから慌てます。
このとき初めて「何が属人化していたか」が分かります。
分かったときには、聞ける相手がもういません。
求人票では、人事企画、業務設計、品質保証、生産管理、事業継続といった名前で書かれています。
書くときのこつは、引き継ぎをしたと書かないことです。どこが一人に寄っていると見つけたか、寄っていることの何が危ないと判断したか、どこまでを人から切り離したか、そして切り離したあと回ったかをどう確かめたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
米子で、どの経験が値になるか
1. 何も起きていないうちに属人化を見つけた経験
問題が起きる前に見つける。これができる人は、企業にほとんどいません。
2. 仕事を人から切り離した経験
手順にした、記録にした、複数で回せるようにした。この話は強く読まれます。
3. 切り離せないものを見分けた経験
資格や経験が要るものは、切り離せません。そこを正しく諦めて別の手を打った経験が値になります。
4. 人の配置を広い範囲で考えた経験
一つの施設ではなく、地域全体で足りているかを見た経験は、そのまま事業計画で効きます。
県内・県外の求人を見るときに
米子市は鳥取県の西部にあり、島根県に接しています。山陰全域を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「地域医療の調整を担当」では読み手に何も残りません。どこが一人に寄っていると見つけ、何を切り離したか。
切り離せなかった話を書く
どうしてもその人でなければならない部分が残ります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象の施設数、調整した件数、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
雪と海風を相手にしてきた技術者は、扱える人が限られる
積雪、凍結、塩害、砂の堆積。条件の厳しい土地で構造物を管理してきた経験は、建設コンサルタントや設備関連の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。保健や施設に関わったなら、対象の施設数、調整した件数、予算の規模、対応にかかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 米子市の一般行政職はラスパイレス指数93.8、平均給与月額371,174円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数93.8は59団体で最下位。総額も53番目(下から7番目)です
- ところが地域手当0%の16団体で並べ直すと、総額は11番目、地域手当以外は8番目まで上がります
- 理由は2つ。平均年齢43.7歳が10番目に高いことと、59団体のうち43団体に地域手当が乗ること
- 53番目という数字は、給与水準の低さと、地域手当がないことの合計です
- 地域手当0%なので、諸手当61,774円(総額の16.6%)のすべてが人ごとに違う部分
よくある質問
指数が最下位なのに、総額の順位が範囲で変わるのはなぜですか
59団体のうち43団体には地域手当が乗るからです。その43団体と混ぜれば、乗るものがない米子市は下に沈みます。地域手当0%の16団体だけで比べれば11番目です。
指数が最下位だと、自分の給料も低いのですか
指数は団体の給料表の水準を、職員の構成を揃えて比べた数字です。個人の額を表すものではありません。自分の額を知りたいときは、源泉徴収票の支払金額を3年ぶん並べてください。
諸手当61,774円のうち、自分に関係するのはどこですか
全部です。地域手当が0%なので、時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。この金額は、地域手当0%の16団体のなかでは8番目です。