自治体別 / 市
座間市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
座間市のラスパイレス指数102.3は、同じ類似団体類型区分の59団体のなかで1番目です。
ところが平均給料月額308,900円は45番目です。
44ランク落ちます。この連載で扱ってきたなかで、いちばん大きな落差になります。
座間市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、座間市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 座間市 | 59団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 102.3 | 1番目 |
| 平均年齢 | 38.8歳 | 58番目(下から2番目) |
| 平均給料月額 | 308,900円 | 45番目 |
| 諸手当月額 | 117,050円 | 9番目 |
| 平均給与月額 | 425,950円 | 15番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 374,855円 | 28番目 |
| 地域手当以外 | 79,982円 | 12番目 |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも12%です。給料月額にかけると、概算で37,068円。諸手当117,050円からこれを引くと、残りは79,982円。総額の18.8%になります。
44ランクの落差は、年齢で説明がつきます
平均年齢38.8歳は、59団体で58番目。下から2番目です。
指数は、職員の学歴と経験年数の構成を国と同じに揃えて計算します。揃えるので、年齢構成の違いが消えます。
平均給料月額は、いま在職している人をそのまま平均した実額です。年齢構成の違いは消えません。
指数1番目は「給料表の水準が59団体でいちばん高い」ことを意味します。
給料月額45番目は「その給料表を、若い職員が多く使っている」ことを意味します。
尾道市と並べると、年齢の効き方が見えます
別の区分になりますが、平均年齢が101団体で1番目に高い尾道市と並べてみます。
| 項目 | 座間市 | 尾道市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 102.3 | 100.5 | 座間が1.8ポイント上 |
| 平均年齢 | 38.8歳 | 46.4歳 | 尾道が7.6歳上 |
| 平均給料月額 | 308,900円 | 350,700円 | 尾道が41,800円上 |
指数では座間市が上です。実額では尾道市が41,800円上です。
この連載では、1歳あたり約5,288円という目安を使ってきました。7.6歳ぶんで計算すると40,189円。実際の差41,800円と、1,611円しか違いません。
区分が違っても、年齢の効き方はほぼ同じです。
県内の数字は神奈川県職員の転職に、同じ県の市は海老名市職員の転職に、比較した市は尾道市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
座間市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 生涯学習・公民館の企画運営 | 研修企画、人材開発、施設運営 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 工場跡地・産業用地の活用 | 用地開発、事業開発、資産管理 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「教えるのではなく、環境を作る」実務
座間市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
社会教育法第3条第1項は、国及び地方公共団体は、この法律及び他の法令の定めるところにより、社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作製、頒布その他の方法により、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならないと定めています。
最後が「環境を醸成する」です。
教える、とは書いていません。
カリキュラムを組んで受けさせるのではなく、
「自ら」高められる環境を用意する。
主語は、学ぶ側にあります。
行政がやるのは、施設を置き、集会を開き、資料を作って配ること。そこまでです。
そのあと、誰が何を学ぶかは決められません。
実務は、次のような形になります。
- 用意しても、来る人と来ない人がいる
- 来ない人に来させることはできない
- だから、来やすさのほうを設計する
- 時間帯、場所、費用、申込みの手間
- そして、成果が数字になりません
企業でも、同じ形の問題があります。
社内の勉強会、資格支援、ナレッジの共有基盤、相談できる場。どれも「用意する」ところまでは誰でもできます。
そして多くの企業で、こうなります。参加者数で評価されます。
参加者数を上げるには、必須にするのがいちばん早い。
必須にすると、参加者数は上がります。
ただし、自分から学ぶ人は増えません。
そして、必須のものが増えるほど、自分から何かを学ぶ時間がなくなります。
「自ら」の部分は、数字にならないので守られません。
求人票では、人材開発、組織開発、人事企画、研修企画といった名前で書かれています。
書くときのこつは、参加者数を書かないことです。来ない理由をどこにあると見たか、来やすさの何を変えたか、必須にしないと決めた場面で何を根拠にしたか、そして自分から来る人が増えたかをどう確かめたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
座間で、どの経験が値になるか
1. 来ない理由を特定した経験
中身ではなく、その手前を見る。これができる人は、企業にほとんどいません。
2. 必須にしないと決めた経験
数字が上がる方法を、あえて取らなかった経験は強く読まれます。
3. 来やすさを設計した経験
時間帯、場所、費用、申込みの手間。条件のほうを変えた経験は、そのまま人材開発で効きます。
4. 数字にならない成果を説明した経験
参加者数以外で価値を示した経験は、めったにありません。
県内・県外の求人を見るときに
座間市は神奈川県の中央部にあり、複数の路線が使える位置です。都心にも県央にも出やすいので、担当エリアの広い求人でも通勤の選択肢が残ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「生涯学習を担当」では読み手に何も残りません。来ない理由をどこにあると見て、来やすさの何を変えたか。
変わらなかった話を書く
条件を変えても来ないことがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象の施設数、開催の回数、参加した人数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
台地と谷が入り組む区域を見てきた技術者は、扱える人が限られる
斜面の宅地、湧水、雨水の排除、古い擁壁。高低差のある市街地を管理してきた経験は、建設コンサルタントや不動産の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。施設や事業に関わったなら、対象の施設数、開催の回数、参加した人数、予算の規模で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 座間市の一般行政職はラスパイレス指数102.3、平均給与月額425,950円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数102.3は59団体で1番目。ところが平均給料月額308,900円は45番目です
- 44ランクの落差は、この連載で扱ったなかでいちばん大きい数字になります
- 理由は平均年齢38.8歳が下から2番目。指数は年齢構成を揃えて計算するので、その違いが消えます
- 尾道市(46.4歳)とは7.6歳差で給料月額41,800円差。1歳あたり約5,288円の目安との違いは1,611円だけです
- 地域手当12%の概算37,068円を引くと、残る79,982円(総額の18.8%)が人ごとに違う部分
よくある質問
指数が1番目なのに給料月額が45番目なのはなぜですか
平均年齢38.8歳が59団体で下から2番目だからです。指数は職員の学歴と経験年数の構成を国と同じに揃えて計算するので年齢構成の違いが消えますが、平均給料月額は在職者の実額なので消えません。
給料月額45番目なのに総額15番目なのはなぜですか
地域手当12%の37,068円と、地域手当以外79,982円(12番目)が乗るからです。給料表の外側で、30ランク戻しています。
諸手当117,050円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当12%の概算37,068円を除いた、79,982円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は18.8%です。