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神栖市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
神栖市の平均給料月額297,900円は、同じ類似団体類型区分の154団体のなかで131番目です。
下から数えて24番目。
ところが平均給与月額371,052円は76番目。
55ランク上がります。
神栖市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、神栖市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 神栖市 | 154団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 96.3 | 100番目 |
| 平均年齢 | 40.7歳 | 114番目(高い側) |
| 平均給料月額 | 297,900円 | 131番目 |
| 諸手当月額 | 73,152円 | 28番目 |
| 平均給与月額 | 371,052円 | 76番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 341,373円 | 83番目 |
| 地域手当以外 | 55,278円 | 77番目 |
| 落ち幅 | 29,679円 | 69番目(小さい側) |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも6%です。給料月額297,900円の6%は17,874円。諸手当73,152円からこれを引くと、55,278円が地域手当以外で、これは総額の14.9%にあたります。
落ちてから、大きく上がります
1段目。指数100番目から、給料月額131番目へ。31ランク落ちます。
落としているのは平均年齢40.7歳(154団体で114番目)です。
2段目。給料月額131番目から、総額76番目へ。55ランク上がります。
押し上げているのは諸手当73,152円(28番目)です。
3段目。総額76番目から、国ベース83番目へ。7ランク落ちます。
給料表では下から24番目。それでも総額は真ん中まで戻ります。
前回扱った市と並べます
島田市は、同じ区分の市です。
| 項目 | 島田市 | 神栖市 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.6(6番目) | 96.3(100番目) |
| 平均給料月額 | 315,600円(58番目) | 297,900円(131番目) |
| 諸手当月額 | 52,322円(96番目) | 73,152円(28番目) |
| 平均給与月額 | 367,922円(80番目) | 371,052円(76番目) |
指数は4.3ポイント、順位では94ランク違います。
それでも総額は3,130円差。順位では4ランク差です。
そして、指数が94ランク下の神栖市のほうが総額は高くなります。
この連載で100本目に出した結論は、こうでした。
指数から金額は読めない。分かるのは順位の大小だけ。
94ランクの差が3,130円に収まる、というのがその意味です。
給料月額が1,600円の幅に並ぶ5団体で、総額は37,197円開きます
給料月額の順位で、神栖市の前後を並べます。
| 市・町 | 地域手当 | 給料月額 | 諸手当 | 総額 |
|---|---|---|---|---|
| 琴平町(129番目) | 0% | 299,100円 | 51,979円 | 351,079円 |
| 高浜町(130番目) | 0% | 298,000円 | 40,085円 | 338,085円 |
| 神栖市(131番目) | 6% | 297,900円 | 73,152円 | 371,052円 |
| 三宅町(132番目) | 3% | 297,600円 | 60,066円 | 357,666円 |
| おおい町(133番目) | 0% | 297,500円 | 36,355円 | 333,855円 |
給料月額は299,100円から297,500円まで、1,600円の幅です。
ところが総額は333,855円から371,052円まで、37,197円開きます。
5団体のなかで、神栖市が総額でいちばん上になります。
同じ県の3市でも、順番が変わります
| 市 | 地域手当 | 給料月額 | 諸手当 | 総額 |
|---|---|---|---|---|
| 常総市 | 0% | 310,000円 | 53,802円 | 363,802円 |
| 鹿嶋市 | 3% | 301,200円 | 56,881円 | 358,081円 |
| 神栖市 | 6% | 297,900円 | 73,152円 | 371,052円 |
給料月額の順は、常総 → 鹿嶋 → 神栖。
総額の順は、神栖 → 常総 → 鹿嶋。
給料月額で3市のいちばん下にいる市が、総額ではいちばん上になります。
県内の数字は茨城県職員の転職に、県内の市は水戸市職員の転職・つくば市職員の転職・日立市職員の転職・土浦市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
神栖市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 工業地帯の事業者との調整 | 渉外、事業開発、拠点企画 |
| 危険物や設備の届出の審査 | 審査業務、品質保証、法務 |
| 防災計画、避難の計画づくり | リスク管理、事業継続、業務設計 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 農産物の産地の支援 | 事業開発、調達、ブランド企画 |
| 都市計画、工業用地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「安全の話と、商売の話を同じ人に持たせる」実務
神栖市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第1条は、この法律が、一般消費者等に対する液化石油ガスの販売、液化石油ガス器具等の製造及び販売等を規制することにより、液化石油ガスによる災害を防止するとともに液化石油ガスの取引を適正にし、もつて公共の福祉を増進することを目的とすると定めています。
2つが、同じ条文に入っています。
災害を防止すること。取引を適正にすること。
安全の話と、商売の話です。
普通は、別々の法律で扱います。
この法律が一緒にしているのは、売り方が安全に直結するからです。
器具を売る人が、点検もします。
実務は、次のような形になります。
- 安全を別の部署にすると、現場から遠くなる
- 遠くなると、指摘が「営業の邪魔」になる
- 同じ部署にすると、現場のことは分かる
- ところが、売る都合が優先されやすくなる
- そして、どちらの形にも弱点が残ります
企業でも、まったく同じ問題があります。
品質保証と営業、安全管理と生産、コンプライアンスと事業部。どれも「一緒にするか、分けるか」で悩みます。
そして、多くの場合こうなります。
分けます。独立性が保てます。
独立しているので、現場の事情が分かりません。
分からないまま止めると、「現場を知らない」と言われます。
言われるので、止めにくくなります。
止めにくくなった時点で、分けた意味がなくなっています。
一緒にするか分けるかではなく、どちらでも効く形を作る仕事は、目立ちません。
そのぶん、やった人は「仕組みを変えただけ」と言われます。
それでも、やった人がいた会社だけ、止めるべきときに止まっています。
求人票では、品質保証、内部統制、リスク管理、安全管理、業務設計といった名前で書かれています。
書くときのこつは、保安を担当したと書かないことです。誰が判断する形になっていたか、止める権限を誰が持っていたか、その形のどこが弱かったか、そしてどう直したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
神栖で、どの経験が値になるか
1. 止める判断をした経験
進んでいるものを止めた経験は、企業にほとんどありません。
2. 権限の置き場所を考えた経験
誰が判断するかを設計した経験は、そのまま内部統制の話になります。
3. 事業者と長く付き合ってきた経験
指摘する相手と、それでも関係を続けてきた経験は、めったに書かれません。
4. 大きな事故が起きる前提で段取りを組んできた経験
起きたときにどう動くかを平時に決めてきた経験は、どの職種でも強く読まれます。
県内・県外の求人を見るときに
神栖市は茨城県の南東部にあり、鹿島灘に面し、利根川をはさんで千葉県に接します。鹿嶋方面はもちろん、千葉県方面も選択肢に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「防災計画を担当」では読み手に何も残りません。誰が、どの段階で止めると決めたか。
止められなかった話を書く
止めるべきだったのに止まらなかった場面。そこで何を変えたかまで書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象になった事業所数、扱った件数、続いた年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
大きな工場と住宅地が隣り合う市を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
砂地の地盤、強い風と塩、工業用の水と生活用の水の両立、事故が起きたときの避難の動線。産業と暮らしが同じ市のなかで隣り合う場所で、施設を設計し維持してきた経験は、建設コンサルタントやプラント、エネルギーの各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。事業者との調整や施設の管理に関わったなら、対象になった事業所数、件数、施設数、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 神栖市の一般行政職はラスパイレス指数96.3、平均給与月額371,052円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 平均給料月額297,900円は154団体で131番目(下から24番目)。それでも総額は76番目で、55ランク上がります
- 押し上げているのは諸手当73,152円(28番目)です
- 前回扱った島田市とは指数で94ランク違うのに、総額は3,130円差。指数が下の神栖市のほうが高くなります
- 給料月額が1,600円の幅に並ぶ5団体で、総額は37,197円開きます
- 地域手当以外55,278円は総額の14.9%。ここが、人ごとに違う部分です
よくある質問
給料月額が131番目なのに総額が76番目なのはなぜですか
諸手当73,152円が154団体で28番目と厚いからです。そのうち17,874円は地域手当6%で決まる部分で、残る55,278円が人によって動く部分です。
指数が94ランク違うのに総額が3,130円差というのは、どういうことですか
ラスパイレス指数は、国の給料表と比べたときの水準を示す指数で、金額そのものではありません。同じ区分のなかで順位の大小は読めますが、何ポイント違えば何円違う、という換算はできません。
諸手当73,152円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当の概算17,874円を除いた55,278円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は14.9%です。