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佐久市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
佐久市の地域手当は0%です。
それでも、国ベースとの落ち幅48,846円は、同じ類似団体類型区分の118団体で6番目に大きい数字です。
地域手当が0%なら落ち幅は小さい、とはなりません。
佐久市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、佐久市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 佐久市 | 118団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.4 | 11番目 |
| 平均年齢 | 42.1歳 | 47番目(高い側) |
| 平均給料月額 | 314,800円 | 46番目 |
| 諸手当月額 | 75,670円 | 3番目 |
| 平均給与月額 | 390,470円 | 14番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 341,624円 | 44番目 |
| 地域手当以外 | 75,670円 | 3番目 |
| 落ち幅 | 48,846円 | 6番目(大きい側) |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも0%です。したがって諸手当75,670円は全額が地域手当以外で、これは総額の19.4%にあたります。
上がって、下がって、上がって、下がります
1段目。指数11番目から、給料月額46番目へ。35ランク落ちます。
2段目。給料月額46番目から、総額14番目へ。32ランク上がります。
押し上げているのは諸手当75,670円(3番目)です。
3段目。総額14番目から、国ベース44番目へ。30ランク落ちます。
3回とも、30ランク以上動いています。
これまで見てきた市では、動くのは1か所か2か所でした。
佐久市は、3か所すべてで大きく動きます。
同じ0%でも、落ち幅は15倍近く開きます
この区分118団体のうち、地域手当0%は112団体です。
つまり、落ち幅の上位に0%の団体が並ぶのは当たり前です。
見るべきなのは、その112団体のなかでの開きのほうです。
| 市・町 | 地域手当 | 総額 | 国ベース | 落ち幅 |
|---|---|---|---|---|
| 京丹後市 | 0% | 418,535円 | 334,922円 | 83,613円 |
| 田辺市 | 0% | 399,167円 | 343,388円 | 55,779円 |
| 飯田市 | 0% | 388,763円 | 336,361円 | 52,402円 |
| 佐久市 | 0% | 390,470円 | 341,624円 | 48,846円 |
| 長和町 | 0% | 357,374円 | 351,732円 | 5,642円 |
いちばん大きい京丹後市の83,613円と、いちばん小さい長和町の5,642円では、14.8倍の開きがあります。
どちらも0%です。
落ち幅は、地域手当の率では決まりません。
同じ県のなかで、いちばん大きい側といちばん小さい側が並びます
この区分にいる長野県の団体は15あります。
そのなかに、区分で3番目に落ち幅が大きい飯田市(52,402円)と、区分でいちばん小さい長和町(5,642円)が両方入っています。
15団体の落ち幅は5,642円から52,402円まで、9.3倍開きます。
前回扱った市では、同じ県の4市が驚くほどそろっていました。
長野県では、そろいません。
同じ県だからそろう、ということはありません。
県内の数字は長野県職員の転職に、県内の市は長野市職員の転職・松本市職員の転職・上田市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
佐久市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 高齢者の相談窓口、権利擁護 | ケース管理、顧客対応、業務設計 |
| 医療・介護の連携の調整 | 事業運営、渉外、サービス企画 |
| 高原野菜など産地の支援 | 事業開発、調達、ブランド企画 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 新幹線駅の周辺整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 都市計画、市街地の整備 | 都市開発、施設企画 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 移住・定住の相談窓口 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「作ったのに、使われない」実務
佐久市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
成年後見制度の利用の促進に関する法律第1条は、認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより財産の管理又は日常生活等に支障がある者を社会全体で支え合うことが高齢社会における喫緊の課題であり、かつ、共生社会の実現に資すること、及び成年後見制度がこれらの者を支える重要な手段であるにもかかわらず十分に利用されていないことに鑑み、その利用の促進について基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、基本方針その他の基本となる事項を定めること等により、施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とすると定めています。
法律が、自分で認めています。
重要な手段なのに、十分に利用されていない。
だから、使われるようにするための法律をもう1本作る。
作ることと、使われるようにすることは、別の仕事だということです。
そして、別の仕事だと気づくまでに時間がかかります。
実務は、次のような形になります。
- 仕組みを作ると、作った時点で終わったように見える
- 使われているかどうかは、しばらく誰も見ない
- 見ないので、使われていないことに気づかない
- 気づいたときには、作った人が異動している
- そして、なぜ使われないのかを誰も説明できなくなります
企業でも、まったく同じ問題があります。
導入した制度、入れたシステム、新設した手当、始めた研修、置いた相談窓口。どれも「作った」で報告が終わります。
そして、多くの場合こうなります。
制度ができます。案内が出ます。
最初の月は、少し使われます。
次の月から、減ります。
減ったことは、数字を見ないと分かりません。
数字を見る担当が決まっていません。
2年後、「あの制度は使われていない」とだけ言われます。
なぜ使われないのかを調べて直す仕事は、作った仕事より評価されません。
そのぶん、やった人は「後始末をした人」と見られます。
それでも、やった人がいた制度だけが、いま動いています。
求人票では、業務設計、カスタマーサクセス、制度設計、事業企画、サービス改善といった名前で書かれています。
書くときのこつは、制度を運用したと書かないことです。作ったあと何件使われたか、どこで止まっていたか、止まる理由をどう調べたか、そして直したあと件数がどう変わったか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
佐久で、どの経験が値になるか
1. 使われていないことに気づいた経験
作った側ではなく、使われ方を見にいった経験は、企業にほとんどありません。
2. どこで止まっているかを特定した経験
手前のどの段で人が離れるかを調べた経験は、そのままサービス改善の話になります。
3. 直したあとの数字を持っている経験
件数が何件から何件になったかを言える人は、めったにいません。
4. 担当がまたがる相談を1つにまとめた経験
医療、介護、福祉、法律が絡む相談を1本の窓口で受けてきた経験は、どの職種でも強く読まれます。
県内・県外の求人を見るときに
佐久市は長野県の東部にあり、北陸新幹線と小海線、上信越自動車道が通ります。上田・小諸方面はもちろん、群馬県方面や東京方面も選択肢に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「相談窓口を担当」では読み手に何も残りません。何件受けて、どこで止まっていたか。
使われなかった話を書く
案内したのに使われなかった制度。そこで何を変えたかまで書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、受けた件数、関わった機関数、続いた年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
寒さで凍る土地の施設を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
凍る深さを見込んだ基礎と配管、路面が凍る前提の道路の設計、冬に工事ができない期間を織り込んだ工程。寒さで土が凍る場所で、施設を設計し維持してきた経験は、建設コンサルタントや上下水道、エネルギーの各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。相談業務や施設の管理に関わったなら、受けた件数、関わった機関数、施設数、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 佐久市の一般行政職はラスパイレス指数99.4、平均給与月額390,470円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 地域手当は0%。それでも国ベースとの落ち幅48,846円は118団体で6番目に大きい数字です
- 指数11番目 → 給料月額46番目(35ランク下降)→ 総額14番目(32ランク上昇)→ 国ベース44番目(30ランク下降)。3か所すべてで30ランク以上動きます
- この区分は118団体のうち112が0%です。その112団体のなかで、落ち幅は5,642円から83,613円まで14.8倍開きます
- この区分の長野県15団体には区分3位の飯田市と区分最小の長和町が両方入り、9.3倍開きます。同じ県だからそろう、ということはありません
- 諸手当75,670円は全額が地域手当以外。総額の19.4%が、人ごとに違う部分です
よくある質問
地域手当が0%なのに落ち幅が大きいのはなぜですか
落ち幅は、地域手当の率だけで決まるものではないからです。この区分では112団体が0%で、そのなかでも落ち幅は5,642円から83,613円まで14.8倍開きます。同じ0%でも、まったく違う数字になります。
順位が3回とも大きく動くのは珍しいのですか
これまで見てきた市では、大きく動くのは1か所か2か所でした。佐久市は指数から給料月額で35ランク、給料月額から総額で32ランク、総額から国ベースで30ランク動きます。
諸手当75,670円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当が0%なので、75,670円が全部です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は19.4%です。