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三田市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
三田市のラスパイレス指数97.6は、同じ類似団体類型区分の59団体のなかで44番目です。
下半分です。
ところが平均給料月額333,400円は2番目。
42ランク上がります。この連載で見てきたなかで、いちばん大きい動きです。
三田市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、三田市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 三田市 | 59団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 97.6 | 44番目 |
| 平均年齢 | 45.7歳 | 1番目(最高齢) |
| 平均給料月額 | 333,400円 | 2番目 |
| 諸手当月額 | 122,322円 | 7番目 |
| 平均給与月額 | 455,722円 | 2番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 400,208円 | 3番目 |
| 地域手当以外 | 88,982円 | 5番目 |
| 落ち幅 | 55,514円 | 7番目(大きい側) |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも10%です。給料月額にかけると、概算で33,340円。諸手当122,322円からこれを引くと、残りは88,982円。総額の19.5%になります。
押し上げているのは、年齢です
平均年齢45.7歳は、59団体でいちばん高い。
指数は国と同じ年齢構成にそろえて計算するので、年齢の違いが消えます。
平均給料月額は実際の在職者で計算するので、年齢の違いが残ります。
その差が、44番目と2番目の開きです。
42ランク。
指数が同じ97.6の3団体を、並べます
この区分には、ラスパイレス指数が97.6の団体が3つあります。
| 市 | 地域手当 | 平均年齢 | 平均給料月額 | 地域手当以外 | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小金井市 | 15% | 43.0歳 | 327,200円 | 86,496円 | 462,776円 |
| 三田市 | 10% | 45.7歳 | 333,400円 | 88,982円 | 455,722円 |
| 霧島市 | 0% | 43.6歳 | 326,400円 | 56,995円 | 383,395円 |
指数は3団体とも97.6です。
それでも総額は462,776円から383,395円まで、79,381円開きます。
ところが給料月額の幅は、333,400円から326,400円までの7,000円しかありません。
総額の差のうち、給料月額で説明できるのは8.8%だけです。
残りは、地域手当と、その外側の厚みから来ています。
落ち幅も大きい側です
総額455,722円は2番目ですが、国ベースは400,208円で3番目。
落ち幅55,514円は7番目に大きい。
地域手当10%と、地域手当以外88,982円(5番目)の両方が厚いからです。
県内の数字は兵庫県職員の転職に、県内の市は神戸市職員の転職に、同じ指数97.6の市は小金井市職員の転職と霧島市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
三田市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 住宅地の整備、区画整理 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 住宅地の管理、空き家の対応 | 資産管理、施設運営 |
| 人事、給与制度の設計と運用 | 人事企画、労務、報酬設計 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 農業の振興、産地の支援 | 事業開発、調達、ブランド企画 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「大量に」と「良好な」を同じ条文に書く実務
三田市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第1条は、この法律が、大都市地域における住宅及び住宅地の供給を促進するため、住宅市街地の開発整備の方針等について定めるとともに、土地区画整理促進区域及び住宅街区整備促進区域内における住宅地の整備などについて必要な事項を定める等特別の措置を講ずることにより、大量の住宅及び住宅地の供給と良好な住宅街区の整備とを図り、もつて大都市地域の秩序ある発展に寄与することを目的とすると定めています。
「大量の」と「良好な」が、同じ文に並んでいます。
量と質です。
この2つは、放っておくと逆を向きます。
急いでたくさん作ると、質が落ちます。
質にこだわると、数が出ません。
それでも、どちらかを選んでよいとは書いていない。
実務は、次のような形になります。
- 必要な戸数から逆算して、期限が決まる
- 期限に間に合わせるには、同じものを繰り返し作るのが早い
- 同じものが並ぶと、街として単調になる
- 単調な街は、何十年か経つと選ばれなくなる
- そして、選ばれなくなったころには、作った人はもういません
企業でも、まったく同じ問題があります。
採用の人数と質、生産の量と品質、店舗の数と接客の水準、作る記事や商品の本数と中身。どれも「数を追うと中身が薄くなる」という形で起きます。
そして、多くの場合こうなります。
目標は、数で置かれます。
数は測れるからです。
質も測ろうとしますが、測れる形にした時点で、数に近いものになります。
だから、数だけが追われます。
数が達成されると、成果として報告されます。
質が落ちていることは、何年か経ってから別の数字に出ます。
そのときには、原因との結びつきが見えません。
量と質を同じ表に載せて、どこで折り合うかを決めた経験は、企業にほとんどありません。
求人票では、事業企画、経営企画、品質保証、人事企画、開発企画といった名前で書かれています。
書くときのこつは、目標を達成したと書かないことです。量の目標と質の目標をどちらも置いたか、質をどう測ったか、量を優先した場面で何を捨てたか、そして何年後に質がどうなったか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
三田で、どの経験が値になるか
1. 質を測れる形にした経験
測りにくいものを、それでも測ろうとした経験は、企業にほとんどありません。
2. 量を優先したときに何を捨てたか記録した経験
捨てた判断を残した経験は、そのまま事業企画の話になります。
3. 何年か経ってから確かめた経験
作ったあと、10年後20年後にどうなったかを見た経験は、めったにありません。
4. できあがった街を維持してきた経験
一斉に作られたものが一斉に古くなる場面を扱った経験は、資産管理や施設運営で直接使えます。
県内・県外の求人を見るときに
三田市は兵庫県の南東部にあり、福知山線と中国自動車道が通ります。神戸市方面も大阪市方面も通勤の選択肢に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「住宅施策を担当」では読み手に何も残りません。量と質のどちらを優先し、何を捨てたか。
何年後かの話を書く
作ったときではなく、10年後20年後にどうなったか。そこまで追えると、読まれ方が変わります。
規模を必ず書く
市の人口、戸数、面積、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
一斉に造られた住宅地を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
同じ年に入った管が同じ年に傷む、道路も公園も一斉に更新時期が来る、住んでいる人の年齢も近い。すべてが同時に古くなる街で、更新の順番を組んできた経験は、建設コンサルタントや設備の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。住宅や都市計画に関わったなら、戸数、面積、事業費、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 三田市の一般行政職はラスパイレス指数97.6、平均給与月額455,722円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数は59団体で44番目(下半分)なのに、平均給料月額333,400円は2番目。42ランク上がります
- 押し上げているのは平均年齢45.7歳、59団体でいちばん高いこと
- 指数が同じ97.6の3団体(小金井市・三田市・霧島市)で、総額は79,381円開きます
- 給料月額の幅は7,000円しかなく、総額の差のうち説明できるのは8.8%だけです
- 地域手当10%の概算33,340円を引くと、残る88,982円(総額の19.5%)が人ごとに違う部分
よくある質問
指数が44番目なのに給料月額が2番目なのはなぜですか
平均年齢45.7歳が59団体でいちばん高いからです。指数は国と同じ年齢構成にそろえて計算するので年齢の違いが消えますが、平均給料月額は実際の在職者で計算するので残ります。
指数が同じなら、給与も近くなりますか
なりません。指数97.6の3団体で、総額は383,395円から462,776円まで79,381円開きます。給料月額の幅は7,000円だけです。
諸手当122,322円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当10%の概算33,340円を除いた、88,982円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は19.5%です。