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芦屋市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
芦屋市のラスパイレス指数103.5は、同じ類似団体類型区分の107団体のなかで1番目です。
諸手当142,151円も1番目。平均給与月額462,251円も1番目。
この連載で、区分1位が3つそろったのは初めてです。
ところが、人によって動く部分は2番目になります。
芦屋市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、芦屋市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 芦屋市 | 107団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 103.5 | 1番目 |
| 平均年齢 | 39.5歳 | 100番目(高い側) |
| 平均給料月額 | 320,100円 | 29番目 |
| 諸手当月額 | 142,151円 | 1番目 |
| 平均給与月額 | 462,251円 | 1番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 403,236円 | 3番目 |
| 地域手当以外 | 94,136円 | 2番目 |
| 落ち幅 | 59,015円 | 3番目(大きい側) |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも15%です。給料月額320,100円の15%は48,015円。諸手当142,151円からこれを引くと、94,136円が地域手当以外で、これは総額の20.4%にあたります。
1位が3つ。それでも中身では1位ではありません
諸手当142,151円は107団体で1番目です。
そのうち48,015円は、地域手当15%という率で決まる部分です。
率で決まる部分は、同じ市のなかでは人による差がほとんど出ません。
残った94,136円が、人によって動く部分です。これは2番目。
1番目は、地域手当6%の綾瀬市の94,557円です。
| 市 | 地域手当 | 諸手当 | 地域手当以外 | 総額 |
|---|---|---|---|---|
| 芦屋市 | 15% | 142,151円 | 94,136円 | 462,251円 |
| 綾瀬市 | 6% | 112,899円 | 94,557円 | 418,599円 |
総額は芦屋市のほうが43,652円高い。
ところが、人によって動く部分は綾瀬市のほうが421円厚い。
総額の1位と、人ごとに動く部分の1位は、別の市です。
112本目に扱った市でも同じことが起きていました。そのときの差は3,965円でした。
今回は421円です。
指数1番目が、年齢の若さを押し返します
1段目。指数1番目から、給料月額29番目へ。28ランク落ちます。
落としているのは平均年齢39.5歳(107団体で100番目)です。若い側から数えて8番目にあたります。
2段目。給料月額29番目から、総額1番目へ。28ランク上がります。
押し上げているのは諸手当142,151円です。
3段目。総額1番目から、国ベース3番目へ。2ランク落ちます。
指数が1番目でも、年齢が下から8番目だと、給料月額は29番目まで落ちます。
ラスパイレス指数は、同じ年齢・学歴で比べたときの水準を示す指数だからです。
同じ15%の10団体で、外側は2.03倍開きます
この区分107団体のうち、実際の支給割合が15%は10団体です。
| 市 | 地域手当以外 | 総額に占める割合 |
|---|---|---|
| 芦屋市 | 94,136円 | 20.4% |
| 国立市 | 72,422円 | 16.1% |
| 大阪狭山市 | 69,108円 | 16.1% |
| 逗子市 | 66,289円 | 15.6% |
| 志木市 | 65,677円 | 15.6% |
| 稲城市 | 55,614円 | 13.1% |
| 福生市 | 55,458円 | 13.4% |
| 蕨市 | 54,792円 | 12.6% |
| 高石市 | 47,515円 | 11.5% |
| 守谷市 | 46,348円 | 11.4% |
10団体とも、実際の支給割合は15%です。
それでも地域手当以外は46,348円から94,136円まで、2.03倍開きます。
割合では11.4%から20.4%まで、9.0ポイント違います。
県内の数字は兵庫県職員の転職に、県内の市は神戸市職員の転職・西宮市職員の転職・尼崎市職員の転職・明石市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
芦屋市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 建築確認、開発許可の審査 | 審査業務、品質保証、法務 |
| 景観や建て方のルールづくり | 規程整備、法務、都市開発 |
| 集合住宅の建替えや管理の相談 | 不動産企画、アセットマネジメント |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 海岸や公園の維持管理 | 資産管理、施設運営 |
| 都市計画、市街地の整備 | 都市開発、施設企画 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「分けられるものと、分けられないもの」の実務
芦屋市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
建物の区分所有等に関する法律第1条は、一棟の建物に構造上区分された数個の部分で、独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができると定めています。
物理的には、1つの建物です。
権利としては、別々になります。
分けられる条件が、2つ書かれています。
構造上、区分されていること。独立して使えること。
この2つを満たさない部分は、分けられません。
分けられない部分は、みんなのものとして残ります。
実務は、次のような形になります。
- 分けられるものは、持ち主が決まる
- 持ち主が決まると、手入れされる
- 分けられないものは、持ち主が決まらない
- 決まらないので、誰も手入れしない
- そして、傷むのはいつも分けられない部分です
企業でも、まったく同じ問題があります。
共通のシステム、社内の記録、会議室や備品、蓄積した技術、会社の名前。どれも「みんなのもの」という形で持たれています。
そして、多くの場合こうなります。
部署ごとの資産は、部署ごとに管理されます。
予算がつき、担当がつき、更新されます。
共通のものは、どの部署のものでもありません。
壊れても、直す部署が決まりません。
使っている全員が困っているのに、誰も動きません。
動く人が出るのは、止まってからです。
分けられないものに持ち主を決める仕事は、誰の資産も増やしません。
そのぶん、やった人は「余計な仕事を作った」と言われます。
それでも、やった人がいた会社だけ、共通のものが直っています。
求人票では、資産管理、情報企画、業務設計、経営企画、アセットマネジメントといった名前で書かれています。
書くときのこつは、施設管理を担当したと書かないことです。何が分けられていて、何が分けられていなかったか、分けられないものの持ち主をどう決めたか、費用をどう割ったか、そしてそのあと手入れされるようになったか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
芦屋で、どの経験が値になるか
1. 分けられないものを見つけた経験
誰のものでもない資産を洗い出した経験は、企業にほとんどありません。
2. 持ち主を決めた経験
共通のものに担当と予算をつけた経験は、そのまま資産管理の話になります。
3. 費用の割り方を決めた経験
何を基準に何割ずつ持つかを決めた経験は、めったに書かれません。
4. 多くの権利者と合意を作ってきた経験
全員の同意が要る場面をまとめてきた経験は、どの職種でも強く読まれます。
県内・県外の求人を見るときに
芦屋市は兵庫県の南東部にあり、六甲山と大阪湾の間に東海道本線・阪神本線・阪急神戸線が並んで通ります。神戸方面はもちろん、大阪方面も選択肢に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「建築行政を担当」では読み手に何も残りません。何が分けられていなくて、持ち主をどう決めたか。
まとまらなかった話を書く
合意が要るのに集まらなかった件。そこで何を変えたかまで書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、扱った棟数、権利者数、続いた年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
山と海のあいだの狭い土地を扱ってきた技術者は、扱える人が限られる
急な斜面から海までの短い距離を流れる川、土砂への備え、高低差の大きい市街地の配管。山と海がすぐ近くにある土地で、施設を設計し維持してきた経験は、建設コンサルタントや上下水道の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。建築や施設の管理に関わったなら、扱った件数、棟数、面積、かかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 芦屋市の一般行政職はラスパイレス指数103.5、平均給与月額462,251円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数・諸手当・総額の3つが107団体で1番目。この連載で1位が3つそろったのは初めてです
- ところが諸手当のうち48,015円は地域手当15%で決まる部分。残る94,136円が人ごとに動く部分で、こちらは2番目です
- 総額は綾瀬市より43,652円高いのに、人ごとに動く部分は綾瀬市のほうが421円厚い
- 指数1番目 → 給料月額29番目(年齢39.5歳=100番目が28ランク落とす)→ 総額1番目 → 国ベース3番目
- 実際の支給割合が15%の10団体でも、地域手当以外は46,348円から94,136円まで2.03倍開きます
よくある質問
指数が1番目なのに給料月額が29番目なのはなぜですか
平均年齢39.5歳が107団体で100番目と若いからです。ラスパイレス指数は同じ年齢・学歴で比べたときの水準を示す指数なので、実際の平均給料月額は職員の年齢構成に左右されます。
区分で1番目というのは、給料が高いということですか
平均給与月額462,251円がこの区分でいちばん高い、という意味です。ただし諸手当のうち48,015円は地域手当15%で決まる部分で、人による差はほとんど出ません。人ごとに動く94,136円で見ると、この区分では2番目になります。
諸手当142,151円のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当の概算48,015円を除いた94,136円です。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は20.4%です。